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【ON】聴けば聴くほどジワるんだが①

引き続き、BTSネタです。Dynamiteの印象がまだ強かった頃。カラフルでポップでかわいらしい。そんな彼らへの固定観念がまだあった。

ふと、約1年前に発売されたフルアルバム MAP OF THE SOUL 7のリード曲である'ON'のKinetic Manifesto FilmのMVを観て衝撃を受けました。Black Swanの時とはまた違ったもの。

全身全霊でパフォーマンスする彼らの姿に、"こんな一面もあるのか"と驚かされた。スケールの大きさと臨場感あふれる映像。すっかり心を鷲掴みされ、BTSを好きになった瞬間でした。


※Black Swanについては前回記事にて↓↓↓

Kinetic Manifesto Filmって何やねん

ONのMVは2種類あります。

・ON Official MV
・ON Kinetic Manifesto Film: Come Prima

「Kinetic Manifesto Filmはリード曲“ON”のコンセプトを一番うまく表す表現で、BTSが出演し、パフォーマンスの頂点を見せるリード曲“ON”の公式ミュージックビデオ」(by Big Hit)

kineticは"動的な"という意味で同義語にdynamicという単語がありますdynamicは(人が)行動的であるとか活き活きしてる、何かの原動力という意味に対して、kineticはそのものが物理的に動いていなくても(static: 静的である)変化しているという意味がdynamicとの違いかと。dynamicも含めたより包括的な意味を持つのがkineticなのかなぁ。kinetic artってありますね。

kinetic artさながら、彼ら自身が変化し続けているだけでなく周りの環境や人、出来事、またはArmyによって与えられたり受ける影響による変化であったり。それが意図通りの時もあれば計算不能な偶発的なものであったり。dynamicよりももっと抽象的な?ふわっとしてるけどそんな風に思った。

オルガンで始まるイントロダクションが印象的。物語の幕開けを感じさせる。そう、幕開け。この曲のテーマは彼らの新たな幕開けと決意や覚悟。そんな風に感じた。manifesto = 宣言だし、"come prima"(コーメ・プリーマ)はイタリア語で「初め(1回目)のように」の意味。

ノアの方舟

ONのofficial MVのコンセプトとして有力視されているのが創世記の5〜11章の「ノアの方舟」です。ざっくり言うと、堕落した人間に怒った神様が大洪水を起こし人類を根絶やしにしようとする話。

神がノアという人物に、「堕落した人類を洪水で滅ぼす」と告げる。”主と共に歩んだ正しい人”として選ばれたノアは方舟を作るように命じられ、家族と全ての動物のつがいをその方舟にのせた。洪水は40日間も続き、地上のすべての生き物を滅ぼし尽くした。

それからまた時が経った2月27日。地上の水が乾き、ノアたちは地上に降り立つ。そこで感謝祭を執り行い、神に捧げものをして二度とこのような洪水を起こさないことを契約した。その契約の証として神は虹を架けた。

↑MVのこのシーン、まさにですよね。
ONのofficial MVが公開された日は2月27日。ノアが方舟から出ることを許され、神が契約の証に虹を顕した日と同じ。偶然ではないと思います。

他にもロード・オブ・ザ・リング、進撃の巨人、メイズランナーなど。MVのモチーフまたは影響を受けていると思われる作品がファンの間で予想されていました。私もはじめてOfficialの方を観た時はロード・オブ・ザ・リングっぽいと思ったし、約束のネバーランドも近い感じがするなと思った。

上記の候補作品はよく覚えていなかったり、知らない作品も多くて考察するには情報が足りなすぎるのでここで止めておきます。

NO MORE DREAMの意味

Official MVは「NO MORE DREAM」のメッセージと共に終わります。言わずもがな彼らのデビュー曲のタイトルであり、"come prima"の通り初心に返るということなのかな。ただ、この言葉が持つ意味は当時の彼らと今の彼らでは違うように思います。

デビュー当初は、夢見ることさえ許されないような、抑圧された社会や偏見への反発心をあらわす言葉だったかもしれない。でも今の彼らにとっては違う。自らの力で道を切り開き、すでに叶えた夢もあるはず。今のBTSにとっての"NO MORE DREAM"は、夢で終わらせない、現実のものにする、自らの手で掴み取る。そういった決意のように感じました。

BTSとしての使命と覚悟

2018〜2019年は彼らにとってキャリアハイの年であったと思う。ショーレースで数々の賞を受賞し、名実ともに韓国No.1のグループになった。その一方で人気が高まれば高まるほど、アンチの存在や彼らの行く手を塞ぐ見えざる力も強くなるのだろうと思う。한발자국떼면한발자국커지는 Shadow」( 1つの足跡を残せばそれだけ大きくなる影 ) - この歌詞の通り。

だからこそ2020年の年明け、彼らの覚悟と決意である'ON'、人間の二面性や光と闇を描く'Black Swan'。このリリースの意味が腑に落ちた。奇しくもその直後にCovid-19による全世界を巻き込んだパンデミックが起こってしまったわけですが。

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나를다던져이두쪽세상에
俺を投げ捨てろ この二面がある世界に

Can’t hold me down cuz you know I’m a fighter
自分を抑えられない 俺は戦士だから

제발로들어온아름다운감옥
自分の足で入って行った美しい監獄

Find me and I’m gonna live with ya
俺を見つけて 俺は君と生きるよ

美しい監獄。光と闇が入り混じる、美しくも厳しいこの世界に生まれ落ち、彼らはBTSという大きな使命を背負った。その運命を受け入れ自分の道を突き進む。もしその道を邪魔するものがいるなら戦う。そして君(=Army)と共に生きるという力強いメッセージ。

Win no matter what
たとえ何があっても勝つ

네가뭐라던누가뭐라던
お前が何と、誰が何と言っても

I don’t give a uhh
あきらめない

長くなってきた...笑
この続きはまた次回の記事にて。

■'ON' Official MV
https://youtu.be/mPVDGOVjRQ0

■'ON' Kinetic Manifesto Film: Come Prima
https://youtu.be/gwMa6gpoE9I


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2021.3.23
Abyss0241

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