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音のない世界で気づいたこと

先日、一般社団法人ダイアローグ・ジャパン・ソサエティが主催する「ダイアログ・イン・サイレンス」に参加しました。

聴覚障害者の方がアテンドになり、私たちはイヤホンで完全に音を遮断して、耳が聞こえない状態でコミュケーションや対話をするというイベント。

イヤホンを装着してドアを開けると、アテンドの方が立っていた。眩しい。それがまゆみさんの第一印象だった。

マスクをしていてもすぐわかる、クリッと大きな瞳。顔からこぼれ落ちそうなくらい動いていて、ジェスチャーも交えて一生懸命、「歓迎」を表現してくれたように感じた。真っ白いその部屋は、まゆみさんが放つエネルギーというかパワーが充満していて眩しかった。少し圧倒されてしまうくらい。


私は手話がわからない。始めはまゆみさんのメッセージをなかなか理解できず伝えたいこともうまく伝わらず不安になった。

でも、理解したい・伝えたいという気持ちがどんどん膨らんできて、何とかしようと必死になってる自分がいた。そして伝わった瞬間、まゆみさんの笑顔を見てめちゃくちゃ嬉しくなった。

通じた...!
人とのやりとりでこんなにも喜びを感じたのは久しぶりだった。


何より、まゆみさんは何度やっても理解できない私を前にイライラすることなく、根気よく、わかるまで伝えてくれた。いつのまにか不安が軽くなって、楽になっていた。


私は目が見えるし、耳も聴こえる。
ある意味、意思疎通が当たり前になっていて、相手を理解すること、伝えることをサボっていたんじゃないかと思った。

相手の言葉をまずは受け入れたり、真剣に耳を傾けること。ちゃんと理解してもらえるように丁寧に伝えること。当たり前のことだけどできていないことも多い。


音のない世界で気づいたこと。
伝える手段は言葉だけではないこと、
耳が聴こえなくても話せなくても伝えられるということ。

まゆみさんはこの1回のイベントの中で何かを伝えよう、気づきを与えたい、そういう想いや使命を持ってアテンドをやっているように感じた。最初に私が感じた眩しさ、エネルギーの強さはそれだったんだ。

障害者・健常者っていう二元論的な考え方はこれからの時代にはそぐわない。そう感じる。障害も他の人にはないりっぱな個性であり、能力になり得る。大きな可能性を秘めていると感じた。

その人の人生、生きてきたストーリーそのものが個性になる時代。いろんなバックグラウンドを持った人が社会にイノベーションを起こす。そういう新しい時代がもう来てるんだ。

誰もが自由に、自分らしく生きられる社会になりますように。

2021.2.22
Abyss0241

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