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全人類にモテたいよな

夏に日記だけをアップしようと思っていたが、思わず書いてしまったのでもったいない精神でアップします。



※性自認がどうこう、同性愛がどうこうと言っているので、素人がそういう話題に言及しているのは見たくないという人は読まない方がいいです。
※そういう方々を貶す意図はまったくないです。



お湯につかり、ソンバーユでお化粧を落とし、ついでに小顔マッサージと、足のマッサージと、あとは鎖骨のリンパを流したりしたのでだいぶスッキリした。スッキリしたところでぼんやり、このままずんずん美しくなって、終いに全人類からモテるようになっちまったらどうしようということを考えていた。

全人類からモテたい。

もちろん傾国の美猫になったところで、逆張りさんやなんやかんやがいる限り一定数のアンチはつくだろう。しかしそういうのは、せめて妄想の中だけでは存在しないものとしていただきたい。

モテたい。全人類からモテたい。
全人類から可愛い綺麗美しいと思われたい。

私は身体が女性で心も女性だ。そして身体と心が両方男性な人を恋愛対象としてみている。そこで、ありとあらゆる、「心身ともに男性で心身ともに女性な人間を恋愛対象としてみている人間」に囲まれて一斉にプロポーズされる自分を想像してみた。
なかなか悪くない。ショタからおじさま、果てはおじいさままでが跪いて私を熱っぽい瞳で見上げている。あ、かなり良い。
この調子でお高いダイヤの指輪とか、リアル百万本の薔薇とか、もらいたい。
しかし、これだけでは全人類からモテているとは言えない。性自認とはそれこそ十人十色。心身ともに男性な人間だけを対象にしていては「全人類」の枠が狭すぎる。
そこでとりあえず「心身ともに女性である人間を恋愛対象としてみているであろう人間」、つまり「心身ともに女性で恋愛対象は心身ともに女性である人間」と「心は男性だが身体が女性で恋愛対象は心身ともに女性な人間」を想定してみた。

もわわん(妄想が広がる音)。

あくまで妄想なので私を好く方々のビジュアルがよいのは大前提とさせていただくが、それにしても宝塚みたいにきらびやかな方々に囲まれて、憧れのお姉さまから麗しの妹までが私の手を取り、ラブレターを渡し、ハンカチにイニシャルを刺しゅうする様が、広がる広がるどんどこひろがる。
ふむ、全然悪くない。むしろ、アリ。私が相手を恋愛対象ひいては性的対象としてみられるかは、まだその当人と実際会わないとわからないけれど、ワンチャンここで運命の相手とフォーリンラブする可能性だってある。アリ寄りのアリだ。

それでも「別に私のアンチではないが興味を持ってくれない人間」と言うのはきっと存在する。一体どういう人が傾国の私に興味を持たないだろうか。考えた。
考えた結果、「心身ともに男性で恋愛対象は心身ともに男性である人間」と「身体は男性だが心が女性で恋愛対象は心身ともに男性である人間」、あとは所謂トランスジェンダーしか愛せないという方々。私はトランスジェンダーではないし、心も体もどこも男性ではないので、この方々にモテることは不可能、「全人類からモテる」という計画は頓挫、かと思われた。

しかし「モテる」の解釈を「好ましく思われる」程度に緩めてみると、案外行けるのではないかと思いついた。
「心身ともに男性で恋愛対象は心身ともに女性な人間」であっても、ムキムキマッチョのさわやかな笑顔にドキッとしたり、イケメンに顔を近づけられてキュンとしたりした経験はあるはず。
「心身ともに女性で恋愛対象は心身ともに男性な人間」であっても、運動神経のいい部活の先輩にうっとりしたり、おっぱいの大きい隣の席の子にドキドキしたり、通り過ぎたお姉さんから良い匂いがして惚れそうになった経験があるはず。
いかつい男子が思わず上げた「きゃっ」という悲鳴に高鳴った青年の胸は存在するだろうし、ナンパに困っていたところを颯爽と現れてあれよあれよと救ってくれた女性にときめいた少女は存在(い)る。
恋愛感情がない、性的欲求が薄いという人だって、他人を見て綺麗だ可愛いだかっこいいだと思うことは、たぶん、きっとあるだろう、と思う。つまり、恋愛対象、性的対象ではない人間にキュンキュンドキドキほれぼれする可能性は皆無でない、はず。いや、皆無では、ない。

全人類から好かれる可能性、ある!

私の野望が不可能ではないということがわかったところで、そろそろのぼせてきたので私はお湯から上がることにした。しっかり全裸でガッツポーズもキメて、身体を拭く。
ここで湯あたりしてぶっ倒れてもお姫様抱っこでベッドまで運んでくれる人、もしくは運ぼうとする気概のある人、せめて、自分に出来る範囲で迅速な対応をしてくれる人が私の横に生涯のパートナーとしていつか現れることを信じて、この後、私はその人のために化粧水と乳液とボディクリームを塗り、ヘアオイルを塗り、髪を乾かすのだ。

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