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お前らの色彩(ブルーアーカイブ)

色彩について……は正直「色彩って最悪だよね!」くらいしか言うことはないので単独で立項するほどでもないのですが、まあでも面白いので項目立てておきます。
他の記事はこちらにまとまっています。

色彩の作中設定

まずは、色彩の作中設定について見直してみましょう。
ここで引用元をつけながら書けるとかっこいいのですが、
さっくりした記事なのでざっくりいきます。

キヴォトスの外にある

まず、色彩はキヴォトスの外にあります。
キヴォトスの中にはないということです。
重要なことなので小泉構文を使います。
色彩はキヴォトスの外にあって外から来たるもの。
覚えておきましょう。

光るものがあると寄ってくる

別にキヴォトスを認識しているわけではないが、
なんか光るものがあると寄ってくるそうです。
虫みたいですね。

百合園セイアが色彩の存在するレイヤーを認知したときに、
その輝きに惹かれて寄ってきたそうです。
迷惑ですね。

ゲマトリアの皆さんは詩人なので、色彩について
「意思の疎通ができず、目的も不明で、ただ到来するだけの光」
と仰います。

触れると発狂する

そして、色彩に触れると発狂します。
発狂というのがどの程度の何なのかはわかりませんが、
とりあえず色彩に「認識されかけてしまった」百合園セイアはそれだけでただでさえ悪かった体調が劇症化し、意識も絶え絶えになってしまいました。

「宇宙からの色」みたいですね。
「宇宙からの色」というのは、原題を「The Colour Out of Space」といい、
みんな大好きH. P. ラブクラフトによる小説及びその中に登場する謎の生命(?)です。
ちなみに、邦題は「宇宙からの色」または「異次元の色彩」だそうです。
わーお。隕石とともにとある田舎町に飛来し、井戸の底で周囲の生命を吸って大きくなり、周りにある植物や動物をどんどん狂わせていきました。

触れると色がなくなる

また、色彩に触れると、色がなくなるようです。
これは色彩に触れてしまったシロコ*テラー(クロコ)が灰色になったことからの類推です。
これもまた、「宇宙からの色」に触れると色彩がなくなるというのと同じ設定をしています。

触れると神秘が恐怖に反転する

そして、色彩に触れると神秘が恐怖に反転するそうです。
何を言っているのかわかりませんね。
はじめは、そもそも神秘と恐怖って反転する関係にあるんだ、というところからわかりませんでした。

前回の「神秘と恐怖について」で考えたように、
事物そのものは「恐怖」であり、
それにラベルを貼ることで「神秘」になるのだとすると、
色彩はそのラベルを剥がしてしまうような作用をするようです。

無名の司祭たちがシロコ*テラーに対して「「神秘」であり、「恐怖」であり、「崇高」……」と神秘かつ恐怖であるような表現をしていることから考えると、神秘には、キャラクターの段階と、その元ネタ(名もなき神々)の段階があり、元ネタの段階に引き寄せるということのようにも思えますね。

ブルーについて」「アーカイブについて」で論じてきたことに引きつけて考えると、透明だった設定は、色彩に触れると染まってしまって戻れないという言い方をすることができそうです。

色彩の見た目

そんな色彩ですが、なんと最終編プレナパテス決戦のストーリーにおいて、その姿と思しきものが画像で表現されます。
本記事のトップにもいます。

画面の中心にある真っ黒な円として描かれるその姿は、
皆既日食中の真っ黒な太陽、
あるいは百鬼夜行絵巻の誤読から生まれた妖怪「空亡」のようにも見えます。

しかし、黒い円の周囲にも目を向けてみましょう。
中心部から放射状に光が放たれているようなこの図案、
何かに似ていると思いませんか。

そう、虹彩ですね。
そうすると、黒い円は瞳孔に当たります。
そういう内容のツイートをしていた方もいらっしゃいました。

さて、虹彩とは眼球において光を取り込むものです。
正確に言うと瞳孔が取り込むもので、虹彩は絞りの役割を果たしていますが、ここでは簡便のために両者を同一視して語ります。

虹彩が向けられているということはつまり、
眼差されているということです。

つまり、色彩がこちらを見ているということになります。

色彩=虹彩

見た目上の一致から、色彩が虹彩であるとしましょう。

そうすると、色彩というのは、
キヴォトスの外にあってキヴォトスを眼差し、
見ることによって対象を変質させ、
発狂させ、
そしてその色をなくさせてしまうものということになります。

キヴォトスの外にあってキヴォトスを眼差す者

ところで、キヴォトスの外にあってキヴォトスを眼差す者、という存在に覚えはありませんでしょうか。

いえ、知らないはずはありません。
気付きたくないだけかもしれませんが。

あなた自身が、キヴォトスの外にあってキヴォトスを眼差す者です。
こう書いている阿吹自身ももちろん、
キヴォトスの外にあってキヴォトスを眼差す者です。
口なじみが良いので、ここでは「お前ら」という言い方をします。

お前らこそが色彩です。

お前らはキヴォトスの外にあります。
お前らが生徒を扱うとき、特に二次創作を行うとき、それは決定的に「ブルーアーカイブに登場するキャラクター」ではなく、お前らの色彩を通じて表現された二次創作でしかありません。

なぜならブルーアーカイブ本編ではないから。

そして、本来のブルーアーカイブ本編「ではない」行いをする二次創作のキャラクターは、「発狂している」と言っても良いでしょう。
この場合の「発狂」というのは、「正常ではない」くらいの意味です。

お前らの脳内にいるキャラクターは、運営が用意している無限に積み重なった透明な設定そのものから紡ぎ出されたものではない以上、「青く」はなりません。
つまり、色を失うということです。

お前らは生き生きとした物語を紡ぐキャラクターを認識することはできるが、しかしそれをそのままの形で脳内に取り込むことはできず、設定の羅列でしか捉えられない……という言い方もできるかもしれません。
人間の認知機能の限界です。

色彩=お前ら

ということで我々(お前ら)こそが色彩ですが、
それは悪いことでしょうか。

我々がキャラクターを見ることで、
「神秘」は色を失い、「恐怖」の様相を呈します。

しかし無名の司祭によると、神秘を完全に失うわけではなく、両者の性質を併せ持った「崇高」に至ることができるのだそうです。

何を言っているのか、という気持ちになりますね。

多分、「誰にも読まれない物語は存在しないのと同じだ」
ということだと思います。

「神秘」とは、ブルーアーカイブの世界、
キヴォトスの中にいる生徒たちです。
我々はこれを見ることはできますが、
キヴォトスの中から我々を見ることはできません。

「恐怖」とは、生徒たちの設定や元ネタであり、
キヴォトスの外にいる我々にも認知できるものです。
我々はこの形で生徒たちを認知します。
キヴォトスの中にいる生徒たちからしてみれば、
これはキャラクターになる以前の存在であり、
自らの根幹を揺るがすものです。

「崇高」というのは、
「神秘」と「恐怖」の両方の性質を併せ持っているものとされています。
これは、キャラクターに真剣に向き合って元ネタの下調べをし、自分なりの解釈を交えた、二次創作であると見ても良いのではないでしょうか。

我々がブルーアーカイブを見ることは、良いことだとされているのです!

少なくとも無名の司祭たちにとっては。

ただし、本編の物語に干渉しようとするのはNGです。
世界を破壊してしまいますからね。

この辺を念頭に置いて最終編1章15話を読むと「あー……?」とぼんやりとした理解をすることができるかと思います。
二次創作は元の物語を破壊するもので、脈絡も構成も必然性もない作為的に作られた世界で、しかし何かを始めるものではある。

結論

つまり、色彩に触れたシロコが成長してドスケベボディーになるのはお前らのせいなんだよ!
二次創作で胸ばっかり盛るから!!

あと、アロナが黒ビキニを着るのもお前らのせいなんだよ!!!
でも毎回夢だということになっているので、
間一髪で色彩の侵攻は防がれています。

カフェの家具が色彩によって製造できるということ

さてここで、カフェの家具が「色彩」によって作れるということについて考えてみましょう。
家具はカフェテリアに置かれるものですね。
カフェテリアは俺たちオタクが眼差すところですね。

色彩による干渉だ……。

こじつけのような話ではありますが、
しかし実際にカフェの家具が「色彩」によって生み出されしまうのは本当なので、こういうことなんだと思います。

まとめ

ということで、色彩は俺たちであり、お前らであるということでした。

嫌な気持ちになりましたね。

余談

ちなみに、ならば逆にプラナ(白黒状態の素のアロナ)が連邦生徒会長(神秘)に触れて青くなったのか? という思いつきもあるにはあるのですが、考えるとかなしくなりそうなのでここら辺でやめておくことにします。

なぜブルーアーカイブはブルーになったのか、ということにも繋がってきそうですね。
最終編1章15話のフランシスも色彩による侵攻を受けてこれまでのジャンルと物語が破壊された状態を「元より、この世界はそのように存在していた」とのたまっています。

あの世界の本来の姿はブルーでもなんでもないアーカイブであるところ、何らかの存在によって(先生の頑張りによって?)青くなったのか……?

やめやめ!

おことわり

色彩の画像は著作権法第32条に基づき引用しております。
著作権は権利者様側へ帰属しておりますので画像の転載・流用はご遠慮下さい。
また、権利者様側からの画像等の削除の依頼や警告は速やかに対処いたします。
なお、noteの制約により、画像の上下を切って掲載しています。

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