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スタートアップ人事の人員計画策定ノウハウ

こんにちは。
前職、Azitで人事責任者をしており、今は次のチャレンジの準備をしています油谷と申します。

5月のコロナ期間中に一人noteリレーと称し、スタートアップ向けの人事ノウハウを言語化するPJTを行っていましたが、途中でバトンを紛失してしまい、探していたところ、親愛なるCASTERさんから採用界隈 Advent Calendarという形で宮野さんからバトンを届けていただいたので、ひさしぶりにnoteを書いています。

これまで、採用については採用のPDCAに関する記事や、選考フロー設計に関する記事を書いてきたのですが、今回は人員計画策定というテーマで書いてみようと思います。

また本記事については、経営者というよりスタートアップの人事の方に読んでもらいたいnoteです。

1.まずそもそも人員計画ってなんなんだ。

企業が事業計画を進めるにあたり、必要な人材の確保や不要な人材の整理などを計画することをいいます。人員計画とも呼ばれています。
計画においては必要な人員数(量的な部分)のみならず、どのような人材が必要か(質的な部分)ということも考慮され、長中短期の経営計画と連動して策定されるべきものです。

引用元:HRproさん

こちらを見てみると、人員計画とは、事業計画のあとに来るものであり、
ここから採用戦略・戦術になっていきます。

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上記のような順番と言えます。

どんな人をどれくらい採用するか=人員計画
どのポジションをいつまでに採用するか=採用計画
どうやって採用するか=採用戦略・採用戦術

ということになります。

2.なぜ人員計画の記事を書くのか

スタートアップの人事に関わっていると、以下の状況があるあるとして発生します。(もちろんすべてのケースではございません)

1.人事が入社した瞬間、人員計画&採用計画はFIXしていて、あとはどうやって採用を完遂するかになっている。

前述の通り、事業計画を立てて、人員計画を立てた上で、採用計画に落ちていく流れですので、人事も多分にもれず、その採用計画の中の1人であり、人事は入社した瞬間、「〇〇名をいつまでに採用や!」というMISSIONを抱えてあらゆるチャンネルを使いながら、必死に走っていきます。

2.しかし、人員計画はよく変わる。

ところがスタートアップの事業は計画通りに進まないこともしばしばありますし、変化するものであると言えます。Qごとに変わることもぐらいだと思います。(言いすぎか?いや言いすぎではないか。)

3.人員計画は遅れて人事のもとに届く。

そして人員計画は事業計画によって代わり、人事はその変更した人員計画を追いかけて、経営陣や各部門とのすり合わせに奔走しすることもしばしば。

3.この構造による弊害はどんなものがあるのか?

以下、一例です。(他にもいろいろあるかもしれません)

1.無茶な計画が出来上がる。
人事は日々、転職マーケットの情報が入ってくる存在でもあります。
そのため、採用市場と自社のポジショニングを踏まえて、採用難易度を理解しています。ただ、経営者や各部門の責任者が人事同様の解像度で採用市場・自社ポジショニングを捉えているとは限りません。
その結果、達成難易度の激高の人員計画を人事はトップダウンで承り、走ることになります。

※ちなみに極端に書いてますが、本当にほしい人材を諦めるアプローチを人事が取るべきだとは思いません。むしろ適切な期待値でストレッチな人員計画を全社一丸となって進めるためのアプローチだと考えます。

2.人事がポジションの必要な人材要件を理解してないまま動く

その結果、誰にスカウトを送ったらいいかわからなかったり、採用でNGが続いて、要件を再度見直すことになります。どんな人を採用するのかの計画から入れていれば、ここでの採用アクションも歩留ることなく流れていきます。

3.採用しないポジションがオープンし続ける。

すでにクローズしているポジションのJDが各チャンネルにオープンされ、求職者の応募が来て、やむなく不採用になってしまったり、エージェントも採用しないポジションの求職者リサーチに時間をさくことになります。
そしてエージェントさん達から「ジャストな要件で推薦したけど、不合格になってしまった!」という気持ちを与えてしまい、注力してもらえなくなるなんてことも・・・。

4.人事は人員計画から関与できたらいいよね〜

そうなんです。そうゆうことなんです。それによる効能は以下です。

1.転職市場の動向や、自社のポジショニングを踏まえ、程よくストレッチで適切な人員計画を立てることが出来る。
2.どんな人を採用するかの人事の理解が明確で、採用アクションに淀みなし
3.人員計画への当事者意識が増し、採用へのコミットも高まる。

これを解決するには「人事が人員計画を作ればええやん!」って話になります。しかし、これがまぁまぁなムズさです。

なぜなら、事業計画と密接に関わる人員計画は、経営ロールの仕事と言え、事業解像度を高めたり、各部門の事業進捗状況を把握していないとなかなか作れません。

となるとよく言われる経営視点を持ちましょうという着地になるのですが、
スタンス・マインドは置いておいて、本noteでは、人事がどうやって人員計画策定に関わったらいいのかという視点でnoteを書いてみます。

5.でもそれってどうしたらいいのよ

急に美川憲一のような見出しになってしまいました。(なってないか)
一旦、まとめた答えとしては、

人事がPMとして、人員計画策定PJTのプロジェクトをマネジメントする。

ということになりました。(もっとアイデアあるかもしれませんw)

6.人員計画策定PJTPMの仕事とは

1.策定プロセスに手を上げる。

なんともシンプルな話です。まずやりますと言う。シンプルにやりはじめる。
その上で、人員計画はトップダウンのものとボトムアップのものがあります。

トップダウン型:事業計画を1年〜数年単位で見越した上で未来のために必要なポジションを洗い出して策定される人員計画
ボトムアップ型:現場のOKRやKPIを達成するために必要な人員や、欠員の予測を踏まえて、策定される人員計画。

この2つの計画を人事が間に入って、ガッチャンコしていく仕事を持てばよいのではと考えます。

このプロセスの中を経営陣とのディスカッション、現場とのディスカッションをディレクションして、人員計画を完成させていけば、人員計画策定PJTのスタートとしてはOKです。

2.毎月報告の場を持つ

冒頭の方にお伝えしたとおり、人員計画は変わります。そのコントロール権を人事が失ってはなりません。なので、人事が毎月手動して、そのコントロール権を持つために、経営陣や各部門責任者に以下のようなAgendaで進捗を共有する場をもたせてもらいましょう。

〇月○日 経営会議
Agenda1.人員計画の進捗共有と変更点のすり合わせについて
- 〇〇月の人員計画状況(達成率、懸念等)
- 人員計画の変更に関する付議
- 新たな人材の要件のすり合わせ

そして、変更がある場合は常にその進捗を人事がコントロールできている状態になります。なんというHAPPY。

LIFE IS HARDだけどHAPPYという映画を思い出しました。

以上です。

次のバトンはカズサックさんですね。よろしくおねがいします!

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