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採用の見極めは個人スキルではなく会社のスキルです#1人noteリレー#StayHome

Azitで人事責任者兼事業開発をしています油谷と申します。
副業でいくつかのスタートアップの採用及び組織づくりのお手伝いもさせていただいています。

コロナで自粛が続く日々ですが、この機会に少しでも有益な情報をアウトプットできればと思い、自分にアウトプットノルマを課して、1人noteリレーをはじめました。1人でやっている企画ですので、もちろん次のバトンも自分です。自分にバトンを回し続けます。

第一弾は採用定例Agendaに魂を込めましょうという話を書きました。
読んでくださったみなさんありがとうございます。

1人noteリレーの第二弾は「採用見極めの仕組み設計」について書いていきます。かっこよく言うとエントリーマネジメントってやつですね。

求職者にとってもミスマッチをなくすために当然必要な視点ですし、ミスマッチを防ぐためのコミュニケーションの話も出てくるのですが、今回はそのあたりをスコープアウトさせていただいて、見極め一択で記事を書かせていただきます。

採用の見極めは特に会社を立ち上げて組織を拡大していくフェーズにおいては重要度が極めて高い(もちろんどのフェーズでも大事なんですけど)のですが、やり方が科学されきってないところもあると思うので、この機会に言語化していきます。

主に経営者としてこれから組織拡大を考えている方/ファースト人事で採用の仕組みをこれから作ろうとしている方/今まさに見極めの課題を抱えている方に読んでいただきたいと思っています。

先にお伝えしておくと採用の見極めスキルは個人のスキルではなく、会社として仕組みを作るものというのが今回お伝えしたい大事な考え方です。

ちなみに昨今のWFHの問題からオンラインで見極めるのが難しいという話がありますが、オンラインでもオフラインかは見極めの情報の入り方の問題なので、それ以前に見極めの仕組みができてるのかの方がよっぽど重要な論点なのです。

そのため面接をする方は1人でどうやって見極めたらいいんだよ悩む必要はありません。
KREVA名曲ひとりじゃないのよを聞きながら呪文のように「ひとりじゃないのよ」と唱えつつ読んでください。

## 目次
- 余談:よく30人の壁って言いますよね?
- 見極めは個人のスキルではなく会社の仕組みで担保する
- 見極めの仕組みができていないホラーストーリー
- 見極めの仕組みの作り方
- 最後に

余談:よく30人の壁って言いますよね?

はい。言います。
(お便りが来たかのような見出して自分でアンサーしていくスタイルを編み出しました。お便りは来てません。すべて1人でやってます。)

スタートアップの事業成長に組織が追いつかず、崩壊し、人が定着せず、増えていかない現状のことをよく30人の壁とか50人の壁とかいいますね。
(個人的には30人だろうが50人だろうが関係なく組織課題と向き合うだけなので、あんまり好きな言葉ではないです。)

壁になる要因は一つではなく、様々ありますので、これを解決しましょうっていういうものが一概に言い切れないのですが、原因をよく見ていくと採用時の見極めの問題がかなり大きいです。

それもそのはずで、創業期に必要な人材拡大するフェーズに必要な人材が異なります。どっちが優秀とかの話ではなくてフェーズの問題です。

創業期は会社の成長を追い求めてカオスでも走れる人材が多いですが、拡大していくフェーズではマネジメントが求められたり、仕組みやルールを作ることが求められたりと求められることが変わってくるので、当然採用すべき人材も変わってきます。

事業のフェーズに合わせて必要な人材を経験・スキル面とスタンス・マインド・コンピテンシーの面で正しく見極めて採用できているかという点を押さえれば、組織課題の発生はかなり減らせます。それによって壁も乗り越えられます。

見極めは個人のスキルではなく会社のスキルで担保する

ここが本記事で一番に言いたいことです。見極めは個人のスキルではなく会社の仕組みで担保するものです。覚えやすくするために一旦、五・七・五にします。

見極めは
個人のスキル
いや会社のスキル
(字余り)

例えば、サービスやプロダクトを開発する際のマーケティングで個人の登録者を集める時、会社として求めたいターゲットを要件定義してその人達がちゃんと見極められるように仕組みを作りますよね。

求人サイトで言えば、「若手優秀層」を集めたい時に、年齢・職歴・年収などが一定登録時にデータとして集められ、転職回数なのか職務経歴書の記載文言などにとよって一定優秀層かどうか判断する仕組みを作っていると思います。

ここをマーケ担当の対面の質問スキルのみで担保するということはないはずで、会社として仕組みを作っているはずです。

採用も同じで、プロダクトを作るかのように会社に必要な人材がちゃんと見極められているフローを作る必要があるんです。
人に関する話なので、そんな簡単ではないって言う前提ももちろんあると思いますが、まずは仕組みを作るということを意識して見極めのフローを作りましょう。

見極めの仕組みができていないホラーストーリー

以下のケースに当てはまっている場合は、見極めの仕組みができていないと言えます。

- そもそも必要な人材が定義されてない(これはそもそも論外)
- 面接官が「なんかイメージないなぁ」と言っている。
- 〇〇さんが会って良いと思ったら良いのよってなってる
- 人事や現場は「めっちゃいい」と言っているが、最終面接の社長がなんでこんな人あげてきたんだとバサっとNGにした。
- リファラルで信頼している人はもはや面接してない
- カルチャーマッチしてませんのNG連発

まだまだあるあるが出てきそうなんですが、要はどれも共通して言えることは「どの選考フェーズで」「どの要素を見極める」のかというフローを言語化、仕組み化することを会社として行っていないため、曖昧になってしまっているということなんですね。

それでもうまく最後の砦となる最終面接官(主に経営者)が見極めの達人であれば良いという説もあるのですが、スケールしようとすると、それだけでは担保できないものです。

仕組み化ができてないとどんなホラーストーリーが起こるのか。

- 入ったあとにミスマッチが発生する。
- 求職者もなぜNGになったのか不明で会社のブランディングが悪くなる。
- 各選考フローでなぜNGだったのががわからず、採用母集団の質が上がらない。

この状況のままいくと、採用数だけ追っている人事が社長面接を攻略するための面接対策をエージェントと協業して行い、下駄履かせるという本質からかけ離れたアクションになってしまうこともあります。

見極めの仕組みの作り方

さて、ここからはじゃあどうやって見極めるのかという話になってきます。
設計の仕方をSTEPごとに考えていきます。

もちろんポジションによって見極めたい項目は変わっていきます。
今日は採用ポジションの要件意義を入れてしまうと本題から大きく逸れて別のnoteが書けてしまうので、共通項目に絞って設計します。

STEP1.見極めたい項目を言語化する。
まず会社として見極めたい項目を出していきます。ここはどうやって出すのかの導き方は様々ですが、会社として大事にしたい価値観(バリュー)が決まっている場合はそこから項目を出していくのが良いと思いますが、バリューが決まってない場合でも経営陣を含めた数名で議論すれば項目は出ると思います。

## 例えば(本来もっと項目が出ると思いますが)

①日常会話レベルの英語力(グローバルに展開していく事業のため)
②相手のことを考えてコミュニケーションができる(チームプレイが重要な事業のため)
③基本的な論理思考を備えている(育成する仕組みがないのでもともと持っててほしい)
④前傾姿勢を持った人(仕組みやルールが無い中でも受け身にならない)

今回は上記のような人材を採用したいととしたケースと仮定して仕組みを作っていきます。(今回も架空企業です。)

STEP.2 見極めのフローを作る

①日常会話レベルの英語力
②コミュニケーション力
③論理思考
④前傾姿勢

四つを確実に見極めるフローを作りましょうというお題になりますが、選考フローは一般的に募集・書類選考・面接という流れで行われますので、その中のどの段階で上記の四つのどれを見極めるのかという話になります。

例えば

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上記のように組んでいきます。
ちなみに選考は求職者のために少ないほうが良いとかいろいろありますが、今回は見極めにフォーカスしているのでその論点もスコープアウトします。(どんだけスコープアウトすんねん)

STEP3 どうやって見極めるのか
ここはいろんな見極め方があると思いますし、ここにオリジナルの要素を入れていけるかが各社の重要なポイントになると思いますので敢えて言及しません。ここは会社の中で死ぬほど議論してもいい論点だと思います。

ただ、ポイントとして面接(インタビュー)という行為は見極めるための情報集めの一つのやり方に過ぎません。オンラインかオフラインかって話もその一つです。

ここはリファレンス(etc.ROXXさんのBackcheckとか)や副業で一旦働いてもらって判断をする手法(海外だとワークサンプルとか言う)を活用するなど面接以外の手法も視野に入れて設計をするべきかなと思います。

STEP4 誰が見極めるのか
ここまで設計できたら最後にここを誰が見極めるのかを決めます。
1次だから人事!とか最終だから社長!とかじゃなく、誰がどの見極め機能を持つべきかという考えで面接官をアサインします。
また当然一次面接の方が最終面接より数が多くなるので、工数も踏まえてアサインを考えましょう。

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面接官の決定は最後で良いのです。

終わりに

ここまで設計をしてみると改めてあの五・七・五の俳句が際立ってきます。

見極めは
個人のスキル
いや会社のスキル
(字余り)

NG理由が「イメージない」だった面接官も「論理思考が基準を満たさなかった」という形に変わっていきます。

そして、その理由があるだけで、人事も、お手伝いしてくださるエージェントのみなさんもPDCAが回っていくのです。

終わりに

本記事では採用の見極めの仕組みの設計にフォーカスをして書いてみました。見極めの仕組みを作る一つの考え方として活用いただけますと幸いです。では次のリレーは油谷さんです。(また俺かい!)

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