見出し画像

ベイビーわるきゅーれ

※物語に関するネタバレはありませんが、
アクションの構成等に触れている点があるため、
何も知らずに観たい人はスルー推奨m(_ _)m
 

本作の主演、髙石あかりさん&伊澤彩織さんが同じ阪元裕吾監督の前作【ある用務員】で演じたJK殺し屋コンビ "リカ" & "シホ" を、全くの別キャラとしてブラッシュアップさせて誕生した、最高に楽しいアクション・エンターテインメント!
 
2回観て改めて感じたのは、髙石あかりさんが陰と陽を使い分けた演技で作り上げた「杉本ちさと」というキャラクターの世界観の中で、「深川まひろ」を演じる伊澤彩織さんはじめ、役者陣全員…そして阪元監督自身もが遊びたおしてる…という印象♪
 
伊澤さんのアクションが凄すぎて、どうしても目がそっちにいってしまいがちだが、そのアクションも笑いも全て、高石さんの陰と陽に振り切れた演技力あってこそ映える映画だと思いました!
 
普段からオモチャの拳銃を持ち歩いて手に馴染ませていたという、下手したら連行されるギリギリのところで役作りしてた高石さんの役者魂から繰り出されるガンファイトも最高にカッコイイし、作品の空気作り含め、まさに主役に相応しい演技でした!
 
 
そしてなんと言いつつもやっぱり伊澤さんの超絶アクション!
 
序盤のコンビニで魅せる1vs.複数…なのに寝技と絞め技が主体という、個人的には今まで見たことがない斬新なバトルを経ての副店長?との1×1のスーパー・トリッキー・バトル!
 
ここで完全に色んな部分を鷲掴みにしてからの、激ユル・ガールズムービーに突入!この流れもまた今まで見たことがないスーパー・トリッキー・ムービー!
 
そして、伊澤彩織vs.三元雅芸!この2人による究極バトル!
 
今までドニー・イェン、トニー・ジャー、イコ・ウワイス、マックス・チャン、ジェット・リー、ジャッキー・チェン、坂口拓(TAK∴)…その他諸々の武術アクションを見てきたけれど、その中でも延々見ていたい!と思わせてくれるオールタイム・ベスト・バウトの誕生!
 
それを作り上げた園村健介アクション監督の演出力はもちろん、あれほどの高速の動きと流れの中で何が起きているのか観客にしっかり見せ理解させる伊集守忠さんの撮影技術は素晴らしいし、それを形にした演者の伊澤さん三元さんの身体能力と適応能力の凄さ!ぜひ多くのアクション映画ファンに見てもらいたい!
 
そして何より素晴らしいのは、女の子2人の激ユル・ガールズムービーの中に「殺し」を自然に溶け込ませる見せ方や、脇を固める登場人物全てに見せ場を作り、登場人物全てを魅力的に描く阪元監督の脚本力と演出力の凄さ!
 
それは阪元監督の初期作である【ファミリー・ウォーズ】【ハングマンズ・ノット】…そして今年公開の【ある用務員】【黄龍の村】【最強殺し屋伝説国岡[完全版]】と今作【ベイビーわるきゅーれ】全てに言える事だけれど、この阪元監督、悪を魅力的に描く天才!今作でも殺し屋を演じた主演の2人はもちろん、本宮泰風さん、秋谷百音さん、うえきやサトシさん筆頭の極道組の魅力も強烈に凄い!
 
その脚本作りに関して8/2(月)のトークショーにおいて阪元監督が、「【花束みたいな恋をした】等の脚本家、坂元裕二さんの言葉を借りるなら、降りてくるのを待つ」と仰っていました。
 
実際、序盤の野原ひろしの名言?から始まる…
「本当に怖いのは… → 好きの反対は… → 午後の紅茶を… とか言いそう♪」
…のセリフ回しの流れに坂元裕二氏の影を感じたのは自分だけだろうか!?
 
実を言えば坂元裕二氏独特のそのセリフ回しが苦手。なのに阪元監督のそのセリフ回しを面白いと感じたのは、逆にその坂元裕二節をイジってるように感じたからかも?

なので自分の中では「(坂元裕二氏なら)…言いそう♪」と勝手に解釈して見てました♪
 
 
ここからはあくまで個人的な願望だけれど、【ある用務員】の「リカ & シホ」→「ちさと & まひろ」…の流れで行くならば、次は「西森(般若) & 村野(一ノ瀬ワタル)」を…その次は「本田(前野朋哉)」を、ブラッシュアップさせた新キャラ主役の新作を作り、最後に彼らが三つ巴の大抗争を…的なユニバースが観てみたい!
 
あくまで願望ですm(_ _)m

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?