僕ととある公務員女子の話 #1

地方公務員の朝は早い。と言っても一般的な地方公務員全ての人の朝が早いと言っている訳ではない。あくまで僕自身のことである。

朝が早いというのにも理由があって、仕事があるから朝早く起きているという訳ではない。目的はただ1つ。

そう、射精をするためである。

僕の名前はヤマグチタツヤ。通称”ヤマタツ”。田舎の市役所に勤務をする26歳の地方公務員だ。これといった取り柄もなく、趣味、特技もこれといったものがない。本当に平凡、もしくはそれ以下の人間だと自分でも思う。

しかし、そんな僕でも身体を張りめぐる血管を震わせ、呼吸もままならなくなるくらい絶頂を迎える瞬間がある。

それが”masturbation”だ。

毎朝自らのちんぽを握りしめ、目に映る桃色動画、もしくは画像を血眼で見つめ必死に右手をピストンさせる。そしてちんぽの先端から白濁液をほとばしらせ絶頂を迎える。それが毎朝の日課だ。

ただ、この儀式を行った直後には計り知れない倦怠感が我が身を襲う。そして何事も無かったかのように身支度をし、朝食を食べて歯を磨き、スーツを身にまとい革靴を履き玄関の扉を開ける。こうして地方公務員、いや僕の1日が始まるのだ。

出勤とともに挨拶をし、自席に座る。庁内で統一で使用される自分の背丈に合わない椅子に猫背気味に腰をかけ、銀色のサビの目立つデスクに置かれたパソコンの電源を入れる。始業のチャイムの前にメールチェック。そうこうしているうちに他の職員も出勤してくる。

僕の所属する課は課長を含めて12人いる。僕はいつも6番目くらいに出勤し、シマ(担当のグループ)の中では2番目にいつも着席している。

僕よりも早く出勤し、真剣な眼でパソコンに向かっている職員が右斜め前にいる。僕の最初の挨拶は彼女の耳に届き、また彼女も呼応するように挨拶をする。僕ととある公務員女子の1日はこうして始まるのである。

ーーー#2へ続くーーー


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