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仕事にかこつけて海外旅行してきた話3<7日目>

7日目:イスタンブール空港~中心部へ

出発のときにトランジットしたイスタンブール空港、同じようなゲートに着いたので見知った道を通ってパスポートコントロールへ向かう。早朝5時だが行列している。今回は何も聞かれず、カメラに向かって立つように指示されただけで通れた。

Nothing to declairの通路を通り抜けようとしたら、お前はこっち来いって係員に指を刺されてX線検査のところに行かされた。大人しく荷物をコンベヤに乗せる。X線検査が終わった先には机があって、なにやらタバコを大量に買ったらしい人が鞄の中を検められている。鞄を開けなきゃ行けないのか?でも何も言われないな?と戸惑いつつ出口を指さしてOK?的なジェスチャーしつつ外に出たら咎められなかった。全部が適当でよく分からん。

トルコはN国より10℃くらい気温が高い。まずはロンTからTシャツに着替えてヒゲを剃って歯を磨く。風呂に入れないまま寝汗をかいた気持ち悪さはあるもののある程度スッキリした。そうだ、まずはトルコリラ(TL)を調達せねば。N国で空港のATMが怖くなったので手持ちの1万円をまずは変えることにする。両替屋は「これだけでいいの?2日間いるなら4万円は変えた方がいいよ?」とか言っていたが無視した。この後街中のATMで1万円くらい追加でおろしたがこれで十分だった。後から考えたらレートも悪かったし、言う事聞かなくてよかったー。

さて次は市街中心部へ向かうのだが、これはメトロで行けるらしい。地球の歩き方を持ってきてはいたものの最新のものでも2019-20版と情報が古い。当時はメトロではアクセスできず基本的にバスだったようだ。事前にちらっと調べた感じではメトロの方が安そうだし速そうなのでこちらを選択する。イスタンブールカードという交通カードの販売/チャージ機は日本語も選択できて安心。

Google先生に宿までのルートを示してもらい、いざ出発。どうやら空港から出てる路線の終点1駅前で降りて乗り換えるらしい。ここでひとつ問題。ホームに行った時点で電波がゼロになった。ルートは出したのだからこれに従えばいいだけだが現在地を見れないのはとても怖い。メトロの駅表示をしっかり目に眺めつつ5つ目の乗換駅で降りた。

次の乗車地点は少し歩くみたいなのでガラガラとスーツケースを引きずっていく。道路をいくつか渡らなければならないが、トルコ人は皆信号を守ってない。横断歩道の場所すら守っていない。車も始終クラクションを鳴らしている。え、こんな感じなの?とちょっと衝撃を受ける。

Google先生が指し示す場所にはバスがやたらと集まっているがその向こうにメトロの表示がある。メトロの駅に乗ればいいのねと改札をくぐって止まる駅を確認するが何かがおかしい。次のトラムに乗り換えする駅名がどこにもない。駅員らしき人にマップを見せて聞いてみると「これはバスだよ」と言われる。
えええ、改札入っちゃったよ。日本だと駅員に言わないと出られないよな、と思ったがトルコでは一律料金なので出る時はカードをかざす必要もなくそのまま出れた。1回分料金が無駄になったがしょうがない。

さて、バスだ。バスに乗るのは想定外。さっき通り過ぎたバスがうじゃうじゃいる地点に戻るがどのバスに乗ればいいのかさっぱり分からない。バスはひっきりなしに発車していくが、Google先生が指定している番号のバスは見当たらない。ロータリー状になっている乗り場を寄る辺なくウロウロしているだけで時間がどんどん過ぎていく。泣きそうだ。

ここでGoogle先生の再検索をかけたところどうも複数の選択肢があるようで、出発していったバスの番号の中に見覚えがある番号が出てきた。これだ!とようやくバスに乗る決心がついて、指定の番号のバスも見つけて乗車する。ここまでで多分30分以上ロスしている。さらにバスが乗換地点に到着するまでの時間も想定よりもかかりそうだが、これもしょうがない。ようやく乗れたんだ、気持ちを切り替えよう。

バスから見える景色はこれまでN国で見ていたフラットで秩序があるものとは全然違い、坂道が多く起伏があって、小さいけど活気に満ちてそうな様々な種類のお店が並んでて見てるだけで楽しい。ようやく気分が晴れやかになってきた。Google先生で現在地を確認できるおかげで乗換地点でもスッと降りれて次はトラムに乗る。ここはちょうど始発駅のようだ。乗り方はN国とは違い事前に改札にカードをかざして改札を通る方式。

スルタンアフメットという駅で降りて示されたルートに従って歩く。いきなりなにやら古そうなオベリスクが建っていたが、実際にめちゃくちゃ古いものだったようで4世紀とか10世紀とか書いてある。まあ後でじっくり見よう。宿へは凸凹した石畳の坂道を下っていかなければいけないのがちょっとだけ難儀だったが、無事到着。朝の10時前くらいだったがなんとチェックインできてしまった。スーツケースだけじゃなくて余計なものを部屋に置いていけるのは嬉しい。

広いしスリッパがある
テレビはトルコ語のチャンネルしかなかった

史跡観光

本当は8:30から9:30にブルーモスクを1人で見て、その後で事前に申し込んでおいたアヤソフィアのガイドツアーに9:45から参加するつもりだったのだがバスに手間取ったせいでガイドツアーが最初になる。まあお金払ってたのにツアーに参加できないのが最悪なので、ちゃんと間に合う時間に到着できただけでもよしとしよう。

待ち合わせ場所に行ってガイドさんと合流。いきなりアヤソフィアじゃなくてさっき見たオベリスクの説明からしてくれる。アヤソフィアの外観についてもどこが6世紀のものでどこが増築された部分か分かった。アヤソフィアは元々は東ローマ帝国皇帝によって建てられた教会(ハギア・ソフィア大聖堂)だったものが、オスマン帝国のメフメト2世によってコンスタンティノープル(現イスタンブール)が征服された後にモスクになったもの。古代ローマ時代や中世~ルネサンス期のヨーロッパの歴史が好きなので見るのを楽しみにしていた。今回トルコに来れることになって、塩野七生「コンスタンティノープルの陥落」を読み直し「ローマ人の物語」のハギア・ソフィアが出てくるところもさらっと読んで、コテンラジオのオスマン帝国とケマル・アタテュルクについての回を視聴するというざらっと予習をしてきた。

アヤソフィアは少し前まで博物館だったみたいなのだが、現在は1階がモスクとしてお祈りに利用されており、観光目的で入れるのは2階のみ。さらに今年になって法律が改正されて内部でのガイドの説明が禁止になったそうだ。それでもガイドさんは警備員の隙をみはからって説明はしてくれた。他にもガイドの説明はいたるところで見たので現場の取り締まりはそれほど厳しくない模様。内部は期待通りキリスト教のモザイク画が一部残ったところとモスクに改造されたところ、時代を感じさせる作りと祈り場としての重厚な雰囲気が相まって非常によかった。ガイド終了後に1人でもう1周回り直す。

布で聖母マリアが隠されている
反対側から
1階はお祈りの場
荘厳

11:30くらいに見終わり、朝一で見るつもりだったスルタン・アフメット・ジャーミイ(通称ブルーモスク)にも行く。行列はあったもののさくさく進んでいたので想定よりは時間がかからず1時間以内で見れた。続いてバシリカ・シスタン(地下宮殿)を見に行こうと思ったのだがものすごい行列ができていた。これはちょっと無理なので、翌日の朝一に行くことに計画変更。

たくさんの観光客
お祈りエリアでも子どもたちは駆け回る

お昼時になったのでサバサンドを食べに行く。その名の通り焼いた?サバをパンで挟んだものだ。事前にピンを打った店に行ってみるとサバサンド100TL(トルコリラ)、コーラ30TLで1TL6円くらいなので合計780円、ヨーロッパの物価高に苦しんできた身としては有難い値段設定だ。睡眠不足と強い日差しのせいで目が真っ赤だよと店主に言われる。言われて気付いたが涙が溢れ出てくるくらい目が痛い。

ここ、お勧め
サバサンドとコーラ

もうひと休憩しようとすぐそばにあったお店に行ってレモナータなる多分レモネードを注文。爽やかで美味しいが氷は入ってない。途中何か食べるものを注文しないか?の圧がすごかったがお肉の最低料金が250TL(1,500円)と高めに思えたのでドリンクのみにする。メニューに金額が書いてなかったのだが会計すると150TL(900円)だった。さっきのサバサンド+コーラより高いじゃない?ああ、トルコは安くなんかなかった。さっきの店が特別だったんだとここで気付く。

レモナータ

近くにあったイェニ・ジャーミィに少しお邪魔しようとしたがアザーン(お祈りの時間を知らせる歌)が鳴り響いているのでお祈り時間は避けるべく近くのベンチでボーッと休憩。アザーンが終わったタイミングで入ることにする。モスクの周りには水が流れ出るところがいくつもあり、男性がそこで足を洗っている。ちゃんと調べてないのだがきっとお祈り前に身を清める、神社の手水みたいなものなのだろうと想像する。

右下が足洗い場

ぶらぶら散歩

モスクを見た後はエジプシャン・バザールへ。金細工やアクセサリーや紅茶やスパイスなんかを売っている、あのバザールだ。イスタンブールで最も大きいのはグランド・バザールだが、ここは少し規模が小さいがその分観光客価格よりは少しマシ、らしい。紅茶には興味があるものの、価格交渉が怖くて結局何も買わずに出てきてしまった。
その後さきほどのイェニ・ジャーミィの外側に皆が座ってるスペースがあったのでモスクの壁にもたれてぼーっとしていたら、疲れからなんと30分くらいウトウトしてしまった。鞄はしっかりと抱きかかえていたがこんなことしてもいいんだろうか?と思いつつ、人通りはすごくあったので大丈夫だろうと割としっかり寝てしまった。だって今日1時間半しか寝れてないしね。危ない行為ではあったんだろうが、これでかなり元気が復活した。

エジプシャン・バザール

元気が出たところで有名なガラタ橋を渡る。両端が2階構造になっていて、1階はレストランが軒を連ね、2階は普通の橋になっていて釣人が糸を垂らしている。かなりの観光価格との事前情報だったのでレストランは冷やかすだけでスルー。

これから向こう側へ
2階構造の橋
橋2階

橋を渡りきったところの海っぺりでMADOというチェーン店カフェを見つけた。ここも行ってみたかったのでチャイ(大)とキョフテ(肉団子みたいなやつ)を頼んでみた。値段は忘れたけど高いなぁって思った記憶はあるので千円は余裕で超えてたはず。

MADOからの景色
チャイとキョフテ

お次はトルコのお菓子バクラヴァを食べに行く。N国で出会ったトルコ人から偽物は食べるな、お勧めの店を教えてやると言われ、GLLUOGLUというお店に来た。カウンターから好きなものを選んでお皿に盛っていってもらうのだが、どれがなんなんだかさっぱり分からないので適当に頼む。バクラヴァを5個とケーキみたいなの1個、甘そうなので大きいチャイ。レシートが風で吹き飛ばされたので値段が分からないけど、確実に2千円以上はした。
で、お味の方はというと、これが大失敗だった。僕は甘いものは大好きだが、甘ったるいものは結構苦手なのだ。こいつらが見事に全部甘ったるい。特に左のやつは傾向でいえば世界一甘いとされるインドのグラブジャムンのような、シロップに浸かっているタイプだ。他のものも似たりよったりで、かろうじて美味しいと思えるものは右下の1個だけだった。泣きそうになりながら完食。残すことができない自分の性格を呪う。かなり甘いものでも好きな方にはオススメするが、そうでない方はまず1個試し食いしてからにした方がいいだろう。

老舗の雰囲気
どれも死ぬほど甘い

甘いものに凝りたので、ブラブラして消化させつつ、事前にお勧めしてもらっていたクラフトビールを飲める店に行ってみる。結構閑散とした細道も通り抜けつつ、たどり着いたそこには20種類くらいのビールがあった。聞けば10種類はここで独自に醸造しているらしい。僕はIPAに目がないのだが、オリジナルビールのIPAは今日は売り切れということで別のものを頼む。うん、しみじみ美味い。オリジナルじゃなくてもやはりIPAが飲みたいので2杯目を頼む。これも美味い。1杯千円くらいするがその価値はある。

冷たいビールがしみる
美味いですね~

帰りにガラタ塔(14世紀くらいにジェノヴァ人によって建てられた塔、当時この辺りはジェノヴァ人の居留区だった)なんかを眺めつつ、次なる目的地へ向かう。

ガラタ塔
また猫
決めポーズのおじいちゃん
ガラタ橋を向こうに渡って戻る

ハマム初体験

ついに来た。事前に予約していてすごく楽しみにしていたのがハマム(トルコ式公衆浴場)だ。イスタンブールにはいくつものハマムがあるのだが、僕は事前にCağaloğlu Hamamというところを選んで予約していた。何故ならここはニューヨーク・タイムズ紙が「死ぬまでに行きたい1000の場所」に選んだことがあるらしいからだ。さっぱりした後で汗をかいた服を着るのは嫌なので本当は事前に宿に戻って着替え一式持ってきたかったのだが時間に余裕がなくてイスタンブールTシャツを1枚お土産ついでに買うことにした。

なんかすごいぞ
ついに来た

受付で自分の名前と予約した旨を告げる。しばらく座って待つように言われるので大人しく座る。しばらくするとお姉さんがやってきて衝撃の一言を放った。「今日の予約の中にあなたの名前はない、調べたら昨日に予約が入っていた」と。
は!????え?????嘘でしょ??
呆然とする。
お姉さんは「今日に変更することができるか確認する」とのこと。頼む頼む頼む。
祈るようにしばらく待っていたが、「昨日予約されていた130ユーロのコースは無理だが、100ユーロのコースならこれからできる。」
ああ良かった!!しかし安心するのはまだ早かった。
「残念だけど、あなたが事前に支払った前金65ユーロは昨日の予約経過時点で消滅してしまったため払い戻すことはできない」
しょうがないですよね、では100ユーロのコースでお願いします。

と、冷静に返したもののショックはゆっくりと脳を巡る。
65ユーロってことは……
12千円くらい???(スマホで電卓を叩いた)
まるまる12千円の損?
これから受けるのが100ユーロだから合計3万円くらいになるってこと??

ここでお姉さんが記入する用紙を持ってきてくれたが、あまりに僕がショックを受けた顔をしてたのだろう。「大丈夫ですか…?」と聞いてきた。
大丈夫ではない。全然大丈夫じゃない。
ああ、はい、大丈夫です、ちょっとデポジットにショックを受けて…とつい本音を伝えてしまう。お姉さんは曖昧に申し訳無さそうに微笑んでいた。

今思い出しても胸がドクンドクンするこの出来事の後、平常心で楽しむことができるのか!?結果としては地獄の後には天国が待っていた。

注意:ここからはトルコのハマムでされることの詳細な描写が入ります。いつかハマムに行ってみたくてネタバレを避けたい人は読まないことをお勧めします(そんな人いるのかどうか知らんけど)。

結構でかいリュックを持っていたのでロッカーに入るのかなと少し心配していたが、着替えるように通された場所は個室に荷物を置いて鍵がかけられる仕様だった。腰タオルとサンダルに着替えるよう言われる。一応水着を持ってきてはいたのだが、いらなそうな雰囲気だ。部屋の外は先程の受付があるところなので、ここで全部脱いでいいものか不安になり、下はタオルで上はTシャツ姿でそっと外を伺ったら「脱げ!脱げ!」とジェスチャーされた。

腰タオルにサンダル姿で外に出るとペットボトルの水1本渡されてサウナに案内される。担当の人はハイテンションだ。日本のサウナほど高温ではないがじんわりと暖かくてしばらくするとじっとりと汗をかいてくる。
もう一人同時に案内された人がいたのでどこから来たの?って聞いてみた。彼はイギリス人でオックスフォードに住んでおり、なんと今日はハネムーンで妻と一緒に来たとのこと!最高に楽しい時間じゃないですか。今日でイスタンブールは最後で明日からアテネに向かうらしい、いいなー。なんやかや世間話をするがイギリス英語はところどころ聞き取れないので適当にごまかす。
途中からスペイン人の父親と息子と叔父という3人組も加わるが、こちらとは特に話さずになんとなく3人の会話を聞いていた。男の子は8歳前後な感じで非常にあどけない。15分サウナで待っててねと言われたが15分って思ったより長い。後半は無言でじっとりと汗をかく。先にイギリス人が呼ばれて、「Nice seeing you!」って去っていった。

ほどなくして僕も呼ばれる。どこから来たか聞かれてEidalと名乗られる。まずは仰向けに寝かされるとタオルを雑に剥ぎ取られて股間の上に乗せられれ、温水を顔以外の全身にかけられる。最初にざらざらした手袋で全身の垢すりをする。出てきた垢を見せられて「スパゲッティ!」って言われるがどう反応すればいいんだよ。思ったより痛くなくて気持ちいい。次はうつ伏せ、顔の向きをどうすればいいのか分からなくてまごついてたらグイッと横向きに置かれる。背中でも「スパゲッティ!」される。
再び仰向けになって全身に温水をかけられるのだが、今度は顔にも容赦なくかけてくる。なんか事前に一言いってくれ。Eidalがぬるぬるとして温かいなんとも形容しがたいこれまでに体験したことのない気持ちいい液体を体にかけてくる。目を閉じていたので開いてみると映画とかに出てくるふわふわの泡だったが、それにしては感触がぬるぬるしている。
ここから何が始まるのかと思ったら、ゴリッゴリグリッグリのマッサージだった。かなり痛い、でもかなり気持ちよくもある。「ああ」とか「うう」とか痛いのでつい声が出てしまうのだが、Eidalは全く頓着せずにマッサージを続ける。腕だか背中だか覚えてないけれど、覆い被さってきてマッサージされたときに、これ俺の頭君の股間に当たってないかい?って時間があったのだが、怖いので目を閉じたままにしていた。世の中には知らないままの方が幸せなことがある。
何せ飛行機で1時間半と街中で座ってウトウト寝ただけなので施術中に寝ちゃうかもしれないと思っていたのだが、あまりに痛気持ちよくて寝ようがなかった。Eidalは頻繁に水をかぶって体を冷やしているようだ、汗かくくらい重労働なんだろう。泡を追加される、ぬるぬるが気持ちいい。足の裏までぐりぐりされる。

マッサージが終わると全身にお湯をかけて洗い流され、座るように言われる。座っているとばっしゃばっしゃと頭(と顔)にお湯をかけられる。油断してると鼻にも口にも入る勢いだ。なんか事前に言ってくれって。今度は座った状態でシャンプーされる。一昨日の夜に風呂はいった翌日に一日観光、夜の飛行機乗ってまた一日観光と汗だくの限りを尽くしていたので頭洗われるのめちゃめちゃ気持ちいい。
頭が終わると立たされてお湯をばっしゃばっしゃとかけられる。で、いきなり水もかけられた。もちろん事前予告なし。いや、気持ちいいんだけどさ、僕は水風呂好きだし。でも人によってはとんでもなくビックリするよ?なんか言ってくれってばさ。温水と水を交互にかけられて最後に温水で締め。
腰タオルを巻いてもらい、体にもタオルをかけられ、頭はタオルターバンされる。そのまま行こうとしたら鍵と水ペットボトルと頭洗うのに使ったシャンプーセットを渡される。いや、いいんだけどさ、こいつらちょっとぬるぬるしてますよ?

美容院の頭洗う椅子みたいなやつがいい感じの角度になっているところでリラックスするように言われる。忘れていたデポジットのことがまた頭をぐるぐるしだすが、途中で切り替えてヨガの最後の死体のポーズ(名前なんだっけ?)の時みたいに力を抜いて呼吸に集中する。
多分10分くらいで呼ばれ、最初のロビーの場所で小さい机に小瓶に入ったジュースみたいなの(飲んでも何だか分からなかった)とチャイとお菓子が置かれていたので、これを飲んだらおしまいということらしい。最後に受付にありがとうって言ったらお土産に石鹸をくれた。

これでおしまい

外に出て歩きだすとはっきりと分かる、さっきまで全身に漂っていた倦怠感と足の裏の痛みなんかがすこーーーんっと取れている。これはすごい、半端ない。体が軽い。確かに一生に一度は体験しておきたい。
強いてよくなかった点を挙げると、自分でやるでいいから股間を洗わせてほしかったな。汚い話で申し訳ないがおケツのお穴がずっと痒かったのに、股間周りだけは始まる前と同じく汚いままというのが非常に惜しい。あとこれは完全に自分のせいだけどTシャツはまっさらなのを着れたが靴下とパンツは汗まみれのものを着直したのでちゃんと着替えを持っていくべきだった。時間がなかったからしょうがないけど。

お魚レストラン

すっかり気分がよくなったので、そんなにお腹が空いていたわけではないんだけど、文学フリマで入手したイスタンブール旅行記に書いてあったお魚のレストランがそう遠くないので行ってみることにする。旧市街の賑わった通りを下っていき、急に人通りが寂しくなったところにレストランはあった。

ブルーモスクのライトアップ
賑やかな通り

テラス席も2/3くらい埋まっていてわりと賑わっているが全然入れそう。まだ大丈夫か聞くとどテラス席に通される。これはサービスねと言ってオリーブとドライトマトのMEZE(前菜)とパンを置かれる。メニューをもらって見てみると、ううむ、覚悟はしていたがそれなりに高級だ。あと魚の種類なんて英語で見ても分からん。

オリーブとパン

分かるところから攻めるかと、カラマリを選択。320TL(1,920円)これはイカのフライでしょ。メインのお魚料理もなんかほしいよね。ブルーフィッシュ900TL(5,400円)は論外だから、残りの650TL(3,900円)か550TL(3,300円)のものにしよう。それでも高いけど。よく覚えていないが多分550TLのGoatfishを頼んだ。魚には白ワインだよねって思ったけど、グラスが300TL(1,800円)??さすがに高すぎるのでソーダを頼む。60TL(360円)、これはまあ妥当かな。

注文してこれで終わりかと思ったら、MEZE(前菜)はいかが?って何皿も持ってきてくれて、指差しで選べるらしい。この中から選んだら1人前もってきてくれるんだろうと思って、白身魚の酢漬けっぽいのとナスらしいものを頼む。そうしたら、、、さっきのサイズそのまんまで持ってきた。え、これ1皿2~3人分あるでしょ?全部食べられるか急に不安になってきた。イカフライも2人前って書いてあったし(1人前で頼めない?って聞いてみたら駄目って言われた)。

1皿が予想以上にでかい

白身魚の酢漬けはめちゃめちゃおいしかった。ナスの前菜もいい。味は間違いない。カラマリはこれこれこれ!って感じで本当はビールが飲みたかった。適当に頼んだ魚は頭から骨もバリボリ食べられるが、まさかこんなにたくさんあるとは…しかも全部フライなのが飽きる。食べてる途中で子猫が足元にやってきてくれよ!って膝のところあたりに軽く爪をたててきた。可愛いのでしょうがないなぁというふりをして、魚フライの身の部分を結構あげた。なにしろ飽きてるから。僕が魚フライを食べきってもまだ子猫は満足せずにくれくれするからジャガイモも切ってあげた。

2人分にしては少ない
6匹もいる
食べ終わった後は見向きもしない

デザートを勧められたけどさすがにお腹いっぱい、よくこれを全部平らげたよ。ということでチャイを頼む。60TL(360円)。これで注文合計は60+320+550+60=990にMEZEを足した金額だ。そうして出てきた金額は1,650TL(9,900円)。クレカを出して支払ったが、あれ、高くない?支払い後クレカ明細だけを残してレシートどこかに持ってかれちゃったし、これひょっとしてやられてるか?という疑念が残った。あとからきちんと計算してみるとどう考えても前菜2皿で660TL(3,960円)は高すぎだよなぁ。やっぱりレシート明細くれって言うべきだったか…ううむ。

チャイ

まあ、やられていたとしても2千円くらいのものだろうとこれ以上深く考えることはやめて宿に帰る。帰り道がめちゃくちゃ暗くて人通りが少なくて怖かった。近道を選ばないでちゃんと栄えた道に引き返すべきだったかもしれないがもう遅い。この国の治安のことよく分かってないんだよな。でも何事もなく宿にたどり着けたので、軽くシャワーを浴びて寝る。今日もとんでもなく長い1日だった。


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