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ええようにはからう対馬

天草でも言えたことだが、対馬でもバスの運転手は車椅子に慣れてない。
バスは低床化できるし、折りたたみスロープついてるし、座席をたためば車椅子スペースを作れる。
設備は車椅子ウエルカムだ。
だが運転手がそれをすることができない。
「そのタイプのスロープはもっと引き出してからパタンと一番上を広げます」
「その椅子はそこを押したままバタンと倒します」
「固定ベルトに慣れてないなら、黄色い車止めだけでもお願いします。えっ、どこって? ほら、運転席横にあるやつ、あれを使います」
全部こっちの指導だ。
しかし、悪気はなく、愛想よく、親切なので、研修不足にクレームつけないことにした。
あれ? どう見ても、地図上の玉調(たまずけ)バス停を通りすぎた。
「すみません。ずっと、車内表示を見て、放送聞いてましたが、玉調なかったですね」
「あっ、あそこは表示に出ないし、放送もありません」
「ええっ! そんなん、ありですか? 次で降ります。車椅子で一時間ぐらい引き返さないと」
「あれえ。じゃあ十分後に反対車線にバスが来ますから乗って、初めに運転手に玉調って言ってください」
「わかりました。おいくらですか? 」
「あっ、いいですよ。乗り直したバスの方だけ払ってください」
「ええ!?」
これで僕はわかったのだ。
宗氏が朝鮮と幕府の仲をとりもつため、偽の国書をつくったことも、これと同じだと。w
ええようにはからう。
上司のことなど知らん。
たぶん、上司も密告されても許す。
家光のように。ww
ところで、設備はウエルカムなのに、働く人々が車椅子に慣れてないのは、車椅子ユーザーが乗らないからだ。
毎日誰かが乗るぐらいがよい。
さあ、車椅子であなたも出かけよう。

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