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囀りの朝

広い木立の中の
たったひとつのテント
屋根の黄色いシーツに
朝の木漏れ日が揺れて
萬の種類の鳥の声が
それぞれの音色で満ちわたり
あふれかえる
布を撥ねて
つめたい外気に顔を突き出せば
春霞に煌めく光の粒子
その粒子の数を超えるほどの囀り
森のずっと奥からいくえにも重なり
交響する音のシャワーに
ああ 全身の肌が包まれさんざめく

命の祝祭の音楽

ひとの形をした私の
三七兆の細胞が
一斉にミクロな嘴を開き
歓声に繊細な喉を震わせる
あらゆる被造物の
ひとつらなりの波動が
樹間を抜けて
青い空に
拡がり
拡がり
限りなく解き放たれる

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