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レディファーストの国は車椅子ファースト

 心室細動による低酸素脳症後遺症で53歳にして身体障碍になった僕は、ちょっとしたことですぐ転倒するので、外出は電動車椅子で行うことにしている。
 自分が車椅子で移動していると、 街や交通機関のバリアフリーの進み具合、人々の親切なところや無頓着なところが、今までとは違う視野から見られて、気がつかされることも多い。そんなことを感じたまま、 書き綴っていきたいと思う。
 今回はエレべーターの順番について。僕の経験では、欧米人は駅などのエレべーターの前で先に並んで待っていても、車椅子の僕が後から来ると必ず先を譲ってくれる。自分も大きなスーツケースを運んでいてエレべーターが必要なのにそうしてくれるのだ。
 対して、日本も含めアジアの人々 の感覚では、エレべーターはあくまでも並んだ順番である。階段やエスカレーターでもよかったはずの人 も、車椅子優先という考え方を持っていない場合が多い。(中にはとても親切な人もいることは付記しておきたい。)
 この経験について考えていて、僕はあるときふと気がついた。それは 「レディファースト」が当たり前になっている国では「車椅子ファースト」も当たり前になっているということだ。
 文化というのは、とてもおもしろいものだと改めて思った。

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