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【バアニャンお達者通信】老猫亡き後の生活
ナナンがいなくなって1ヶ月になります。
カリンはどうしているの?とよく聞かれるのですが、まず最初の数日は特に変わらず通常運転といった感じでした。しばらくしてからは、昼間は相変わらず物陰やベッドの上で寝ているものの、夜になると人間の側にやってきて、寝るまで、あるいは寝るときもずっと一緒に居る、ような気がします。なんとなく異変を感じているのでしょうか。
考えてみたら、カリンは生まれて此の方、日中たった1匹で過ごすのは初めてです。生まれたときは母猫と兄弟猫が一緒にいたし、この家に来てからはずっとナナンがいました。
我が家という星にたった1匹残された最後の猫族、というSF設定を考えたらちょっと悲しくなりました。
人間のほうはというと、夫は「思ってたほどペットロスにはならなかった」そうです。私は、最初の2週間は毎日のようにナナンの写真を見て思い出していましたが、3週間もするとその頻度がぐっと減りました。愛猫を同じく17歳で亡くした伯父夫婦はペットロスになったそうなので、私たちはカリンの存在に助けられているのでしょう。
さて、9月後半のある雨の夜のこと。
夫が家に帰って来る途中で、白っぽい長毛の猫に会いました。びしょ濡れで薄汚れているけど首輪をしていたので、どこかの飼い猫らしい様子。その猫が異様に人懐こく、すり寄ってくるので、ズボンの裾を猫毛だらけにしながら頭を撫でてやると、ゴロゴロ喉を鳴らしていたそうです。
夫が歩き出すと家のほうまでいつまでもついてくるので、「家に帰りなさいよ」と言っているうちに、ようやく去って行ったとか。
私はこの話を聞いて、「ナナンがよその猫の体を借りて会いにきたんじゃないか?」と思い、夫にもそう言いました。
白っぽくて薄汚れた長毛猫ということで、私の脳内イメージは『動物のお医者さん』で菱沼さんが飼っていた「フクちゃん」です。ナナンとは似ても似つきませんが、この世に魂があるうちにお別れに来たのだとしたら、面白いです。
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ナナンが家猫になるまでのいきさつをまとめたマガジンを公開しています。こちらもよろしければご覧ください!
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