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【バアニャンお達者通信】猫のお葬式

猫や犬など、ペットが亡くなった後の弔い方は色々あるようです。

火葬業者が引き取りに来て火葬して返骨してくれるケースもあれば、ペット霊園に持参して立ち会い葬儀をして納骨するケース、共同火葬でお骨もそのまま処分してもらうケース、自宅の庭に土葬するケースなど様々です。

私が知る限り一番割り切ってるなと思ったのは、母の友人の飼い犬が亡くなったとき、市役所に電話して引き取りに来てもらい、焼却処分してもらったという話です。費用ゼロ。その友人は飼い犬のことをとても可愛がっていて、決して愛情がなかったわけではないのですが、死んだ後のことには興味がなかったそうです。

人間と違ってペットの供養は特に決まりもないので、結局は飼い主がしたいようにしてあげれば良いのだと思います。

というわけで前置きが長くなりましたが、我が家のナナンはペット霊園で立ち会い葬儀をして、お骨を持って帰ることにしました。

幸い近くにそのような霊園があったので、段ボール棺をお花で飾って家族でお別れした後、夫と2人でナナンを連れて行きました。色々な都合で葬儀は2日後の9月7日になったのですが、まだ暑いし家に置いておくのも心配なので、当日まで預かってもらうことになったのでした。

案の定というか、ナナンが寝ている段ボール棺に若猫カリンが何度も飛び入って「コラーッ」と大騒ぎになったので、このほうがナナンも安眠できたことでしょう……。カリン、さすが猫です。

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葬儀当日、霊園に行くと立派な祭壇ができていました。そこへ段ボール棺のナナンが運ばれてきたので、私と夫でバスケットに移してあげました。それから職員さんが白い布を体にかけてくれて、持参したキャットフードを入れた紙皿とお花を用意してくれたのを夫と2人でナナンの周りに置きました。

ちなみにこのバスケットとお花はオプションです。何も付けない場合は遺体をそのまま火葬炉に入れるそうなので、それはちょっと……となり、頼みました。おかげでこんな立派なお葬式になってしまったわけですが、これよりさらに上のプランもありました。冠婚葬祭は金銭感覚がおかしくなりがちですが、ペットも同じです。

火葬炉の前で、いよいよお別れとなった時、ナナンのこの姿を見るのもこれが最後かと思うと泣けてしまいました。火葬炉に入っていくバスケットを見送りながら、夫がナナンに向かって大きく手を振っていました。

それから小一時間ほどして収骨室に呼ばれて行くと、まるで骨格標本と化したナナンのお骨が台に並んでいました。職員のお兄さんが、これはどこの骨、と丁寧に説明をしてくれます。「頭ちっちゃいねえ」「尻尾の骨が意外と長いね」と感心する私たち。心ゆくまで骨を見てから骨壺に収めました。職員さんは終始とても丁寧な対応で、骨壺の蓋を閉めるときも、紐代わりの綺麗な和紙でキッチリ締めてくれました。

こんな感じで、ナナンはお骨になって家に帰って来ました。お金はかかったけれど、ゆっくりお別れすることができて、良いお葬式でした。

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帰宅後、ノラ猫時代から16年ほどお世話になった動物病院から、こんな豪華なお花が届きました。亡くなった翌日に電話で報告したので、それからすぐ手配してくださったようでした。本当にナナンは幸せ者です。


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