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【バアニャンお達者通信】予兆

8月25日

月1で通っているナナンの皮下点滴のため動物病院へ行ったら、脱水症状が進んでいると先生に言われました。

今思うとその頃のナナンは、相変わらずゴハンを食べる意欲は強いものの、ゴハンを入れたお皿を目の前に置いてもすぐ気が付かずにボーッとしていました。いつも寝床にしていた玄関では、明るくオープンなドア前よりも薄暗くクローズな靴棚下に隠れるように寝ていて、いつもと違う、ちょっと気になる行動をしていました。

でも皮下点滴をしてもらったら幾分回復したのか、数日はゴハンをよく食べていたような気がします。

9月1日

夜、いつも月1で使っているノミ取り薬(フロントライン)をナナンとカリンにつけました。すると、その後から夜中にかけて、いつもの大声ではなく小さな声でニャアニャア鳴きながら家中をせわしなくウロウロするようになりました。

9月2日

朝になっても相変わらずニャアニャア鳴いてウロウロしていました。ゴハンも食べないし、水もほとんど飲みません。しかも、ふと見るとリビングの床に水たまりができていて、拭いてみるとオシッコでした。どうやらナナンが粗相した模様。こんなことは初めてなので、ショックでした。

あまりに様子がおかしいので再び動物病院で診てもらったところ、おそらくノミ取り薬がトリガーになって甲状腺機能亢進症が進んでしまったのではないか、とのことで、抗生物質やガスターの入った注射と、いつもの皮下点滴を打ってもらいました。あと、ノミ取り薬はもうナナンにはつけなくて良い、と言われました。

今思うと、脱水症状があったのだからノミ取り薬は控えるべきだったのでしょう。でも先月も大丈夫だったし、素人はそこまで考えが至りませんでした。

家に帰ってからは、薬が効いてきたのか、やや大人しくなり、黙って目を閉じて寝転がる時間が増えていきました。でも完全に眠ってはいないので、しばらくすると起き上がってウロウロニャーニャー。水は舐めるようにしてちょっとだけ飲みますが、ガブガブとは飲みません。お皿に向かうものの、まるでゴハンの食べ方や水の飲み方を忘れてしまったかのように、ただお皿を見つめていました。

動物がゴハンを食べなくなったら死期が近いとよく聞くし、実際、実家で飼っていた柴犬も亡くなる前日に好物のチーズを食べなくなりました。なので、今まで何があってもゴハンだけは食べる猫だったナナンが食べない、ということがとても心配でした。

夜中になって、ちょっとだけゴハンを食べたときは心底ホッとしました。しかし猫トイレの手前でオシッコしてしまい、さらにその場に寝ていたためエライことになりました! 蒸しタオルで全身拭いてあげたけれど、なかなか臭いが取れなくて大騒ぎでした。

9月3日

飲食は一応復活したものの、猫トイレ以外の場所で粗相するのは続いていました。自分でトイレに行く気はあるようだけど、トイレの中に入るのがしんどいのか、間に合わないのか。これはいよいよオムツか、という話になり、ひとまずAmazonで注文しつつ、近所でも取り急ぎ3個パックのオムツを買ってきました。猫トイレの前には大判のペットシーツを敷きました。

食事のほうも、今までの子猫向けウェットフードは食べにくいようなので、新たにペースト状のフードを買ってきてあげてみました。すると最初の食いつきは良いのですが、食べ続けられないようで、結局舐める程度でした。

9月4日

水は飲むけどゴハンはほとんど食べません。ここ数日満足に食べることができていないので、だいぶ弱ってきていました。けれど、ヨボヨボとした足取りなのにウロウロ歩き回り、何度も居場所を変えていました。

ナナンのことが気になりつつも、私の母に留守番をお願いして、夫や私は仕事へ出かけて行きました。午前中、動物病院に電話して状況を話したところ、シリンジで高栄養のフードを食べさせてみてください、とのことだったので、帰ったらやってみることになりました。

そして夜、家に帰るとついにオムツ姿になっていました。先に帰っていた夫によると、とうとう寝ながらオシッコしてしまったのでオムツにしたとのこと。例のペースト状フードや水をシリンジで与えると、口に突っ込まれるのが嫌みたいで抵抗しました(意外と力があった)が、なんとか食べてもらいました。

もう大きな声でニャーオアーオと吠えないのはもちろん、朝までのニャアニャアという泣き声でさえなくなっていました。ア、ア、と短く小さな声で鳴いてヨロヨロ歩いてはまた寝るのを繰り返し、ソファの下に潜ろうとする姿を見て、これはいよいよ危ないかもしれないと思いました。

それでも、ここに至ってもなお、危ないといっても今週中かな……くらいに思っていました。

9月5日

夜中のうちにナナンが逝ってしまうのではないかと心配だったけれど、長丁場になるかもしれないので、日付が変わった頃、布団に入りました。眠れないかもと思ったのに、あっという間に寝てしまったようです。

ハッと目が覚めたら朝の4時半でした。リビングにいたナナンの様子を見たら、しばらく寝て起きてはウロウロ、寝て起きてはウロウロ、と相変わらず。夫もすぐそばで布団を敷いて寝ていたし、ひとまず大丈夫かな、と思ってまた寝ました。

朝7時台に、シリンジでナナンにゴハンと水をあげました。嫌々ながら飲み込んだけれど、その後から急に呼吸が早く荒くなっていきました。それまでも目はずっと開いていたけど口は閉じていたのに、このときから口も閉じられないほど苦しくなったのか、ずっと息苦しそうにハアハアしていました。

こんな状態なので、会社に行くか休むかものすごく悩んだのですが、夫が一日家に居てくれることになったので、ひとまず午前中の用事を済ませたら早退してくればいいや、と思って出かけました。まだ起き上がってウロウロしていたし、この様子なら午後までは待っていてくれるんじゃないかと期待して……。

☆☆☆

後々、このときやっぱり休めばよかったんだろうか、いや、でも家にいたところで……と何度も何度も思いました。

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