写真_2017-08-29_22_02_11

【バアニャンお達者通信】お尻が破けたときの話

去年の10月、肛門腺破裂でナナンのお尻が破けました。ナナンは当時推定16歳。

群ようこさんの『ビーの話』文庫版巻末の対談に、隣人Mさん(もたいまさこさん)の飼い猫ビーちゃんのお尻が破けたという話があり、それを読んだとき「えっ、どういうこと? そんなことってあるの?」と思ったのですが、本当に「お尻が破ける」としか言えない状態になりました。

☆☆☆

この年の夏からナナンはどんどん食欲が落ちてきて、やたら水ばかり飲むようになっていました。最初は暑いせいかと思っていて、実際涼しくなってきたらいったんは食べるようになりましたが、しばらくするとまた水ばかり飲むようになりました。食欲はあるけれど思うように飲み込めない、といった様子で、あっという間に痩せ細っていきました。

そして10月のある夜、リビングにいると、どこからともなくプーンと汚物臭が……。ニャンズのどちらかが粗相でもしたかと思って家中探してみましたが、それらしきものは見つかりません。でも汚物臭はその後も続き、おかしいなと思いながら2日ほど経った朝、ナナンのお尻に穴が空いているのを夫が見つけました。ニオイの原因はこれだったわけです。

いつから!? 2日も前から? 気がつかなくてゴメン!

衝撃を受けつつ慌てて病院に連れて行って診てもらったところ、肛門の右横に5センチの裂傷ができていました。

ナナンは数年前から腎臓が悪くなっていたのですが、その関係で水分不足になり、便通が悪くなったために肛門腺が破裂したというわけでした。私たちには全然分からなかったけど、獣医のS先生はナナンを診てすぐ「脱水している」と言いました。目の乾き具合と、首の辺りの皮をつまんだ時の皮膚の戻り具合から診断しているようでした。

さて、破けたお尻は6針縫いました。老体への負担を考えて麻酔なしでの縫合となったので、よけいに痛そうで可哀想でした。しかも縫合後はさらに脱水症状への治療として首から水分を注入する皮下点滴もしたので、痛いことばかり続いてナナンとしては踏んだり蹴ったりでした。

ちなみに皮下点滴をすると「ラクダのコブのようになるがいずれ体に吸収される」と説明されました。実際には首付近にコブができるのではなく、水分の重みでコブが前足に下がってきたため、「妙にマッチョな猫」になってしまいましたが…。

この皮下点滴は、このあと年末までは毎週末打ってもらいました。今年に入ってからは月1回ペースで、今も病院に通っています。

☆☆☆

余談。傷口を舐めないようにパラボラ・アンテナみたいなカラーを付けて「電波猫」になって帰ってきたナナンを見て、若猫カリンがフー、シャー、と威嚇しまくりました。毛を逆立て、尻尾を太くして遠巻きに唸る日々が続きましたが、そのうち慣れてしまったようで何も言わなくなりました。

☆☆☆

ナナンが家猫になるまでのいきさつをまとめたマガジンを公開しています。こちらもよろしければご覧ください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?