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親の話がクソつまらない

たいていの親の話はつまらないことはわかっている。
同じ話の繰り返しや小言ばかりで辟易としている「子ども」はたくさんいるだろうし、親のつまらない話に子が耐えるのがこの国の一般的な親子関係とさえ言えるかもしれない。

しかしそんなことは前提で、この正月で私は親の話に見切りをつけた。
何年か前から親の話に進歩がないことは感じていた。
家族3人で集まるのは半年に一度くらいのペースではあるが、
そのペースでさえ、家族に会う時間を「浪費」と感じてしまうほど家族と話すことに飽きてしまった。

同時に私はこの問題について大きな危機感を抱いている。
その危機感とは何か?


なぜアリエルは人間の世界に異常なまでの興味を示したのか?

話は変わるが、ディズニー不朽の名作「リトル・マーメイド」を見たことがあるだろうか?
陸の世界に憧れる人魚姫アリエルは、ある日人間の王子と出会い恋に落ちる。
人間として生きることを願ったアリエルは魔女であるアースラと契約を結び、足を手に入れ王子に会いにいくが、、、。ざっくり説明するとこんな物語。
この後アリエルは、アースラとの不利な契約により自慢の美声を奪われてしまうことになる。


アリエルとトリトン王

このような事態を招いたのは何が原因だろうか?

私はアリエルの好奇心が悪かったとは思わない。
年頃16歳の娘が外の世界への憧れを持つのは当然のことだろう。
ただ世の中への知識や経験が足りないアリエルは悪い大人に騙されてしまった。

ではアリエルのとった外界へ行くためのアプローチが悪かったのか?
最終的には騙されてしまうわけだが、アリエルのアプローチは16歳の小娘が取る方法としては決して悪くなかったように思う。

なぜならまず親であるトリトンに、外界への興味を伝えていたからだ。
トリトン王が持つトライデントという武器は強力であり、魔法のようなことができる。
恐らくアリエルはトライデントを使った何かしらの解決策をアテにしていたことだろう。

しかし、父トリトンは全く聞く耳を持たなかった。
アリエルがアースラに騙されて声を奪われた一因は間違いなくトリトンにある。
トリトン程の力や権力があれば、アリエルを安全に人間にする方法などいくらでもあったはずだ。アリエルの話に一方的にNOを突き付け、アリエルを内に縛り付けようとしたことで危険な事態を招いてしまっているのだ。


話がつまらないことが孕む家庭の危機

「親の話がつまらない」ことの何が問題か?
私が感じたのは、子ども目線ではなく、自分が将来家庭を持った時の、
自分の子どもが家族に飽きてしまうことへの危機感だ。

家族に飽きてしまった子どもは外界への興味を極端に増し、家に寄り付かなくなる。
既に子どもが成人しているのであれば、
新しい家族が出来た際に中々孫の顔を見せに来なくなったり、
介護が必要になった時に協力してくれなくなるかもしれない。
まだ未成年であれば夜遊びや非行に繋がる可能性がある。

親の話がつまらないというのは、
親目線で考えたときに実はそれ程までに大変な問題を内包しているのだ。

もちろん子どもを危険な目に合わせたくないのは親として当然の気持ちだ。
トリトンもアリエルを想う気持ちから外界への興味を禁止していた。
しかし、その気持ちを盾に子どもを縛り付けるのは、
結果的に子どもの気持ちをより外へと向けてしまう。
多くの人が頭では理解しているはずだが実行できていない。
アリエル式の教育では子どもは離れていくのだ。

アースラ

縛りつけるのではなく、惹き付ける

惹きつけるために必要な魅力の1つが、「話の面白さ」だ。
話を面白くするには、親が自分の人生を充実させる必要がある。

親が常に自分の人生を生きてチャレンジをし続けたり、新しい気づきを得て深い知見を持っていれば、子どもは自ずと親に魅力を感じるようになる。
親としての魅力ではなく、人としての魅力になるのだ。
そして何かあれば相談に来るような関係が出来上がり、家庭が充実しているから非行にも走らず、新しい家族が出来た時も孫の成長を共に見守ることができるようになる。

自分が親になった時、子どもと良い関係を築けるように。
戒めを込めてこの文章を残しておく。



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