今日のおやすみミュージック(2023年11月7日)

Scott Walker "Joanna"
(今日初めて聴いたけど、好きです。この時代の音楽って、ふと聴きたくなる。)

靴がぶっ壊れている。具体的に言うと、かかとの部分がすり減ってしまったせいで靴底全体がカパカパなっているのだ。そういうわけで、今日は繁華街へ靴を買いに行った。

街に着いて、さっそくABCマートへ、とはならず、せっかく出てきたのだからと久しぶりのレコード店へ向かう。街でも少し入り組んだところにあるお店で、好きなんだけどなかなか行く機会がないところ、なのである。
在庫は超豊富で、ブートものなども大量に扱っている(私の知る限り)この地域で最もディープなお店でもある。セールCDなんか、こう背表紙を眺められるようにずらっと、とかではなく、普通に「積み上げられて」いて、この状態からどう物色すればよいのです、みたいな感じ。お店に入ると、今日は、オールディーズというか60年代くらいのヒット曲がかかっていた。レコード店では珍しかろう、壁一面の大きさの「映像ソフト」の棚を物色。プリンスとかマイケルとか良さそうなものはあったのだけど、靴の出費も気になってしまい結局買えなかった。

ふたたび大通りへ。あるポスターの前を通りかかって、驚愕する。イッセー尾形の一人芝居公演があるらしい。ちょうど一年前、久っしぶりにこの地で催されたイッセーさんの公演を、その存在自体まったく知らぬまま完全スルーしてしまい、後から聞いて大後悔したのだった。見れば、日取りは来年一月。チケット発売中。これは絶対、行かねばならない。ちょっと興奮しながら、今度こそ靴屋へ。

さて靴なのだが、結論から書いて、買えなかった。三店舗も回ったのだ。三店舗回って、買えなかった。

要因としては、最初のお店で「これだな」というのを見つけてしまったこと、それが結果的に、却って弊害になってしまったと云える。さっそく店員さんに在庫を尋ねたところ、いま売り切れで取り寄せに十日以上は掛かります、と言われてしまったのだ。もう今現在靴が壊れてしまっている状態だし、できれば今日、買ってしまいたかった。そんなわけで、もしかしたらその靴の在庫があるかもしれない、あるいは別の良さそうなのがあれば、と他の店舗へ向かったのである。

しかし、他の店舗にも在庫はなかった。というか、そもそも売り場に並んですらいなかった。じゃあ他のは、というと、なんかもう全体的に値段が高い。靴ってこんなに高かったっけ、というくらい。まあそこで妥協してしまえばよかったのだろうが、こっちはすでに、本来買えたはずの目ぼしいのをひとつ見つけてしまっているわけで、それよりも高いものを「妥協して」買うというのは、なんというか、すごい「負け」な気がした。実際は買えていない時点で負けみたいなものなのだが、同じ「負け」ならば、とりあえずお金のかからない方がいい。
というわけで、意地を貫いた私はそのまま、カパカパの靴で駅へと戻った。

釈然としない気持ちを誤魔化すべく、駅のミスタードーナツで三種のポン・デ・リングを買い込んでから(結局、そういう金は使う)電車に乗った。
ふと、イッセーさんの公演について調べてみた。日程は三日間で、チケットは昨日発売だったらしい。ローチケで確認してみる。そして驚いた。もう、二日目の公演は残席が「△」になっている。発売二日目で。もしかして、あっという間に売り切れるんじゃないだろうか。そこで思い出した。降りる駅の一階のテナントにはローソンが入っている。そして財布には、靴のためと思ったお金がまだ残っている。

駅に着いた私はローソンに入り、電車の中で押さえた初日のチケットを、速攻で発券してもらったのだった。靴を買おうと街に出て、イッセー尾形のチケットを買って帰った。こんな一日、この先も二度とないような気がする。なんの記念日とかいう出来事でもないが、人生って不思議である。

靴に関しては、たぶん今はもう通販が主流なのだと思う。今回の件でそれを思い知らされた。と思って帰宅後、オンラインストアを覗き、例の気になった靴を調べてみた。無事見つかったが、欲しかったサイズは「売り切れ」とのことだった。
……通販でもダメじゃないか。というわけで、私の靴問題は現在、暗礁に乗り上げた状況である。あれ、気に入ってたんだけどなあ。

ちなみに今日の一曲は、レコード店でかかっていたもの。他に覚えているのは、トム・ジョーンズの『LOVE ME TONIGHT』とかも流れていた、と思う。なんのレコードだったんだろう。

それでは、おやすみなさい。
11月7日


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