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【中編】 インステップキックの蹴り方(ロングキック)

前回のインステップキックの解説ではインステップキックは3つに分けることができると言い、
①高速ロングキック(高弾道キックと低弾道キック)

②ロングキック

③シュート

に分解できるとお話しました。

今回取り上げる「ロングキック」と前回解説した高速ロングキックは一見似ています。しかし、細かい視点でみると大きな違いがあります。おそらく、多くの人が無意識に使い分けているのではないでしょうか。

ロングキックの蹴り方↓

ロングキックと言うと、最悪パスミスをしてもいいような一か八かなイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、ショートパスと同じようにパスであることに変わりはありません。ロングパスだあろうとショートパスと同じように正確性が求められます。そして、正確性という観点においてこのロングキックは高速ロングキックを上回っています。

なぜロングキックの方が正確性において上回っているのか?を解説しつつ、ロングキックの蹴り方を見ていきたいと思います。

①ロングキックの利点

前回の高速ロングキックを少し振り返ると、低弾道キックやこぼれ球をシュートするキックは、ボールと振り足が小爆発するようなイメージで蹴る、高速ロングキックの中でも高弾道キックの場合、ボールを運ぶように蹴ると解説しました。

対してロングキックは高弾道キックと同じような弾道になるにも関わらず、低弾道キックやこぼれ球のシュートと同じように一瞬でボールにインパクトするイメージで蹴り込みます。

ここに、ロングキックの方が高速弾道キックよりも正確に蹴ることのできるヒントがあります。

”ボールが足に乗っている時間の長さはキックの正確性に繋がります。”

ロングキック、高速ロングキック共に、ボールの少し下の真ん中を蹴ります。そこをしっかりインステップで捉えインパクトすることでボールは浮いて飛びます。

しかし、高速ロングキックの場合、このインパクトした瞬間からボールが離れるまでの時間が長くなり、振り足がまっすぐ綺麗に触れていなかったり、足首がしっかり固定されていなかったりすると、せっかく当てるべき場所を捉えても綺麗な弾道になりにくくなります。

つまり、ボールと足がくっついている時間が長いほど、蹴り足の安定感が必須になります。

逆に、ロングキックの場合はボールの当てるべき点とインステップの点がしっかりと合えばある程度は綺麗な弾道になります。ボールと振り足が接している時間が短いため、振り足が若干ブレようともボールはまっすぐ飛んでくれます。

あくまでロングキックは正確性に若干の有利な点を備えているだけであり、高速ロングキックの場合もボールスピードが速いなど利点があります。そもそもキック力がある人はロングキックでもスピードをだすことができるかもしれません。

ここで伝えたいことは、ロングキックと高速ロングキックは似ているものであるが異なっており、お互いに利点を持っておいるということ。そして、この違いを分からず大まかにロングキックと名付けてしまうと、ロングキックを練習する子どもたちが正しいキックを理解できずに成長してしまう可能性があるということです。

次回、具体的にロングキックの蹴り方を解説したいと思います。


監修  阿部翔平(SHIBUYA CITY F.C.) 

制作 編集 タイチ (King Duo)

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