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不登校生の将来は?

不登校になると将来が心配な方が多いと思います。「このままでは将来どうなってしまうのか」という声はよく耳にしますし、だからこそ親も焦ってしまうのでしょう。いったい何が心配で、実際に将来はどうなるのでしょうか。

結論からお伝えしますと、
「不登校そのもので、将来を悲観する必要はない」です。

不登校生への対応によって親子とも傷が深くなったり、
不登校をきっかけにして親子ともストレスが増したり、
そうしたことが将来への悪影響になることはあります、が

不登校そのものについては
将来に向けてそれほど心配することはありません。

将来どうなることが心配なのか

まず親は何が心配なのでしょう。
ご家庭によって様々ですが、ご相談で多いのは
「進路」「勉強・学習面」「将来ひきこもりになる」です。

これらの心配についてですが、
どれも心配いりません「回復すれば大丈夫」だからです。

いつもボクは
不登校の状態をケガにたとえています。

ケガをしていたら動けません。
やる気とか努力の問題ではなく、足の骨が折れていたら走れません。

しかし、ケガが治れば問題なく動けるようになります。

進路、勉強、将来ひきこもりになる、どれも心配かと思いますが
どれも元気になれば心配いらないものですので、

進路、勉強、将来ひきこもりになる、の心配よりも
まずはケガの心配をしてあげて下さい。

心のケガは目に見えませんが、不登校の状態はケガ人なのです。


不登校生の将来が心配いらない理由

ケガが治れば動けますので、そこだけをしっかり見てあげれば心配はいりません。

たとえば「進路」
いまは中学校ですと、不登校で出席していなくても大丈夫な仕組みが整ってきていますし
高校は不登校生を受け入れる学校が非常に増えています。
不登校特例校や通信制サポート校では、不登校生に特化した形態だったりしますので、
「どこにも進学できない」と心配になるどころか、自分に合った進路を選べる時代です。

また「勉強・学習面」ですが、
これは学校へ行かなくてもできる環境がどんどん整っています。

そもそも勉強には、子どもが持つ興味や関心、好奇心が必要です。
ただ最近は、それを育まれることなく「受験のための勉強」「与えられた勉強」ばかりの子が増えていて
そこが不登校になったストレスの要因だと感じられる子も多いです。
いったんストレスになる勉強方法から切り離して、
子どもらしさとともに育まれる興味、関心、好奇心を
いまいちど出しやすくしてあげるために、むしろ不登校は良い機会です。

その上で、受験や目指すものに向かって勉強ができる状態になったら、
通信教材、YouTube、オンライン授業と、いまはいくらでも学習手段は存在しますし、
進路と同様に選べる時代になってきています。

そして「このままじゃ将来ひきこもりになる」という心配ですが、
先にお伝えしたように、
心のケガが回復すれば、必ず動けるようになりますので、
そこに時間をかけて集中してあげれば、将来の心配は消えていくと思います。


統計情報から見る不登校生の将来

「このままじゃ将来ひきこもりになる」という点については数字を紹介します。

大人のひきこもりは「40-70問題」「50-80問題」として取り上げられていますが
では、みなさんが心配されるように
不登校生は将来、40代50代になっても、家から出られないのでしょうか。

ここで内閣府の調査を紹介します。
「40〜64歳」を対象にした調査で
「小中高の不登校がきっかけ」と回答した人は8.5%です。
「19歳以下で引きこもりが始まった人」は2.1%です。

つまり小中学生あるいは高校生の不登校が、そのまま40代や50代のひきこもりに直結する割合は、
とても少ないのです。
とても少ない可能性なのに、なぜか「このままじゃ将来ひきこもり」と心配される方が多い、
これは先入観やイメージに惑わされているだけです。

もちろん全員ではありませんが、
「不登校」から「大人のひきこもり」になる可能性がとても低いことは知っておいて下さい。


実際の不登校の体験談

「不登校だったけど、元気になった」とか
「昼夜逆転していたけど、元気になって、勉強をして進学した、就職した、結婚した」といった話は
数を挙げればキリがないくらい山ほどあります。

ボクが関わった人たちに限らず、あらゆるところで体験談はありますので、
今回は、当社スタッフの話を2つだけ簡単に。

ひとりは、
高校1年時に不登校
学校をやめることになり、勉強も手につかず
ずっと家で映画を見たり、本を読んだりするだけの生活をしていました。

その後、回復をしてきて、元気になってから勉強を始めて、
高卒認定を取得、大学へ進学をして、大学では成績優秀者賞。
卒業後、当社で勤務していまして、いまは結婚もして穏やかに過ごしています。

もうひとりは、
小6から中2まで不登校
昼夜逆転をして、やはり勉強もしない日々でしたが、
中3くらいから元気になって、高校受験にチャレンジ、全日制高校へ進学。
その後、大学へ進学をして、大学院まで進んでいます。

ちなみに、
ふたりとも、勤務態度は非常に良く、生徒からも好かれています。

一時期は不登校で、何もできずにいたわけですが、
なぜ元気になったのか。

結論から言えば「ちゃんと休んだ」ことに尽きます。

もちろん本人も保護者も悩んだり苦しんだりすることがあったと思いますが、
それでも「ちゃんと休んだ」、そして「心のケガが治った」ことで
その後は元気になって、今にいたるというわけです。

決して、ふたりが特別ということはなく、
あらゆるところで同様の体験談は見られると思いますので、
将来が心配な方は経験者の声も参考にしてみて下さい。

将来のためのNG行為3つ

最後に、
将来は心配いらないけど、
これをやってはNGという点を3つだけ挙げます。

この3つをやっていると、
元気のない状態が長引きます。
また、一時的に復活したように見えても、後からぶり返す可能性が高いです。

では3つ

・無理やり学校へ行かせる
・家で気持ちを休ませていない
・将来の心配ばかり伝えてしまう

ひとつめの
「無理やり学校へ行かせる」は
論外です

不登校生は心のケガをしているとお伝えしました。

無理やり学校へ行かせるのは、
足の骨が折れている子を
無理やり走らせているのと同じです。

長引く、ぶり返す、の可能性が高いだけでなく、
単に、かわいそうです。

ふたつめ
「家で気持ちを休ませていない」は、とても多いので気をつけましょう。

大事なのは学校を休むことではなく、
それによって「心を休ませること」です。

ストレスやプレッシャーを減らして、
リラックスした時間を大事にしてあげて下さい。

学校を休んでいても、家でストレスやプレッシャーがかかっていれば
心が休まらないので、回復もしづらいです。

ケガ人ですから。
ケガが治れば元気になりますから。

3つめの
「将来の心配ばかり伝えてしまう」

先に挙げた「進路」「勉強」「将来ひきこもりになる」とか
言えば言うほど、あるいはその話題が出るたびに
ストレスになります。

たいてい、言われなくても子どもはわかっていますし
子ども自身が、いちばんそれを危惧しています。

「言われなくても、わかっている、それでも今は動けないんだな」と
思ってあげて下さい。

ケガが治れば、必ず動けますから。

これら3つには気をつけて過ごして下さい。
そうすればケガは治って元気になりますので。


今回は「不登校生の将来は心配いらない」というテーマで

・将来どうなることが心配なのか
・不登校生の将来が心配いらない理由
・統計情報から見る不登校生の将来
・実際の不登校生の体験談
・将来のためのNG行為3つ

と、お伝えしてみました。

繰り返しですが、
不登校そのものは、それほど将来を心配することはありません。

ただ、こちらの対応によって変わってきますので、
そのあたりは、みなさん引き続き意識をしながら
子どもに接していきましょう。

最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。

と、話している動画はこちらです^^


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