NICUでの薬剤師業務
NICU(新生児集中治療)病棟で薬剤師がどんなことをやっているのか
これも各病院で様々かと思いますが、当院の場合を紹介します。
【1日の流れ】
ざっくりとした1日の流れはこんな感じです
8:00 回診
8:30-11:00 TPN・中心静脈投与薬剤の調製、医薬品の処方のきれの確認、
TDM業務、PBPM業務、医師・看護師からの相談対応、
処方監査
11:00-12:00 休憩
12:00-14:00 TPN・中心静脈投与薬剤の調製
14:00-17:00 病棟薬剤業務記録、TDM業務、PBPM業務、処方監査
医師・看護師からの相談対応
17:00 業務終了
ざっくりと書くとこんな感じになります。
当院では月曜~土曜は毎日、日勤時間の間は薬剤師がNICUに常駐しています。(もちろん1人では難しいので複数人で回しています。)
【病棟での調製業務】
予定されているものは調剤部署での調整になりますが、予定が変わったものは病棟で薬剤師が調製しています。
調製しているものは中心静脈から投与される注射剤。
病棟にあるクリーンベンチで調製しています。
重症な新生児が1名いるだけで、使用薬剤数はとんでもないことになります。
【PBPM業務】
当院ではプロトコールに基づき、薬剤師でもビタミンK(ケイツー)の処方オーダーができます。
全ての新生児が新生児メレナ予防で生まれた日、5日目、1か月目にビタミンKを投与します。
【TDM業務】
バンコマイシンやアミノグリコシド系の抗菌薬は医師から反対されない限り、全例、解析ソフトを用いたTDMを行っています。
そのほか、フェノバルビタールなどの抗てんかん薬もTDMを行っています。
【病棟薬剤業務記録】
新生児特定集中治療室管理料を取得している児に対しては毎日、記録を書きます。
内容としては、使用している薬剤全て、体重あたりの投与量の計算(GIR、K量、Na量、P量、Ca量、γ計算、その他すべての薬剤)。
投与薬剤が適切かの判断(フィルターをどうするか、遮光は大丈夫か など)
【医師、看護師からの相談】
今まで使用したことのない薬を使用する場合の妥当性の評価や、適応外申請の相談
配合変化や投与タイミングに関する相談
など、相談内容は多岐にわたります。
【処方監査】
NICUでは調剤部署だけでなく、病棟でも薬剤師が処方監査をしています。
【服薬指導】
成人向けではなく、新生児向けの医薬品情報提供書を作成し、お母さんやお父さんに対して説明をしています。
その他、副作用のモニタリングや、インシデントの対応など行っています。
軽症の児から本当に重症の児までさまざまな新生児がNICUには入院してきます。
大変ですが、やりがいのある業務です。
参考:周産期医学 Vol.48 No. 6 2018-6
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