病棟に薬剤師がいるようになったのはどうして?
病院薬剤師が病棟業務を行うようになったきっかけを紹介します。
まずは、中医協に提出された資料から、病棟業務での診療報酬の変遷がこちらです。
注目すべきは2012年に新設された病棟薬剤業務実施加算(100点/週)。
基本的には入院する全ての患者さんから毎週100点をいただくことができるという加算です。
この加算が出てから、いままで、調剤中心だった病院薬剤師の業務がガラッと変わり、病棟で活躍する薬剤師、病棟に常駐する薬剤師が増えていきました。
さらに令和2年度の改定では病棟薬剤業務実施加算1(120点/週)、病棟薬剤業務実施加算2(100点/日)に引き上げとなりました。
【病棟薬剤業務実施加算 きっかけは?】
ところで、医療財源がひっ迫しているなか、なぜ、この加算がついたのでしょうか。
様々な側面がありますが、きっかけとなった一つのある論文(研究)があります。
「薬剤師の病棟勤務時間が長いほど薬剤が関連するインシデント発生数は少ない—国立大学病院における調査」
当時の国立大学病院の薬剤部長の先生方がまとめた論文(2011年 薬学雑誌)で、
薬剤師が病棟にいる時間が長いほど、薬剤に関連するインシデントが少ないというものです。
客観的なデータ、研究がもとに、病棟での薬剤師の必要性が社会に認められ、加算が新設されるにあたりました。
最近では薬剤師はファーマシストサイエンティストと言われるように、
医療職者であり、科学者でなければいけません。
臨床業務を行いながら、研究も並行して行い、客観的なデータで社会に発信していくことの重要性を考えさせられた事例でした。
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