セリエAへの推薦状/Morten Hjulmand
皆さんは「ミスターパーフェクト」と言われて誰を思い浮かべますか?ダニエレ・デ・ロッシ?セルヒオ・ブスケツ?ルカ・モドリッチ?
イタリアのつま先部分にあるサンタ・クローチェ聖堂で有名な小さな街にそんな彼らの片鱗が見える大器が存在します。レッチェのデンマーク人MF・モルテン・ヒュルマンドです。
経歴
プレースタイル
私はダニエレ・デ・ロッシを20年前の段階でレジスタとインコントリスタの両立が出来た特別なジョカトーレだと思っています。ヒュルマンドもレジスタとインコントリスタのハイブリット型と言えるでしょう。
高精度のロングパスをパンパン通すタイプではないものの、プレス耐性が高く、数人に囲まれてもボールを失わずに前線に配球することが出来ます。(全盛期のデ・ロッシはそれに加えて自らフィニッシュに持ち込むほど規格外でしたが…。)
また、危機察知能力も高く、相手のカウンターを潰す力に長けています。1試合あたりのタックル成功率2.38はリーグ全体で6番目の数字です。地上戦、空中戦のデュエル勝利数も共に6割を超えており、近年のカルチョでは非常に珍しいタイプのアンカーだと思います。レッチェが多くの試合でハーフコートゲームを演じることを可能にしたのも、中盤の底で繋ぎと潰しを高いレベルでこなす彼がいてこそです。
ワールドクラスの予感
4月にはユヴェントスやインテルといったイタリア有数のビッグクラブからの関心を集めたヒュルマンド。何もない限りは22-23シーズンはA昇格したレッチェで戦うことになるでしょう。これまで何人かの紹介をしてきましたが、その中でも彼は数年後に世界的な選手になっている可能性が高いです。
マッシモ・コーダやストレフェッツァの二枚看板に象徴されるレッチェですが、来季は視点を変えてヒュルマンドに注目してみては如何でしょうか?インテルがブロゾヴィッチの後釜にエンポリのアスラニをリストアップしているようですが、私はヒュルマンドを据えることをおすすめします。
(了)