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再会の兆し。

大学生になり、完全に彼とは連絡も途絶えた。

もう彼氏ではない。
でも私は大好きなまま大学生になった。

彼は遠い大学に結局受かり進学した。

もう物理的にも会えない距離。

私は早く彼氏を作って忘れよう・・・。

の一心で大学一年生のはじめを過ごした。

新人歓迎会で積極的にかっこいいと思った人に声をかけたり、
同世代の集まるバイトに行ったり。

夏までは全然彼のことを忘れられなくて、失恋ソングを自分で歌っては号泣してるくらい情緒不安定な時期が続いた。

そんなある日彼から連絡がくる。


「報告!彼女できた!」


あー終わった。しかも先越されたのが悔しいという気持ちもあった。

まだ気持ち残ってるのに、こんな報告してくるとか残酷すぎるでしょ。


しかし私も夏に入るとアルバイト先で彼氏ができ、元カレのことなんて完全に頭から離れていった。


――――大学四年生の夏。

本当に何の前触れもなく。私は彼のことを思い出した。

しかも8月上旬。彼の誕生日の日。

久々に彼はどうしてるのだろうと思った。
医学部の4年生だ。年度末にCBTという大きいテストが控えている時期である。
勉強に追われているんだろうな、と思いながら

「おひさーお誕生日おめでとう!忙しいと思うけど頑張ってね!」

とだけメッセージを送った。

彼はすぐに返信をくれ、
「ありがとう!!久しぶり!!そろそろ病院って決まったころ?」

「うん、大学病院に内定決まったよー」

そんなお互いの報告会を行い、私は国試も控えていたので応援メッセージをもらいそのラインは終了した。

久々のLINEのキャッチボールが高校生のころに戻ったような感覚で幸せだった。


その年の私の誕生日と、国試の前日の応援メッセージが彼から届いた。

国試の合格も彼にすぐに伝えた。

すこしでも私の国試合格が彼の勉強の励みになれればと、ただそれだけだった。




――――社会人1年目 6月。

「美嘉!久しぶり。今年の夏2年ぶりになんとか実家に帰れそうなんだ。飯でも行こうや。」

彼から突然LINEが来た。

私はちょうど携帯を触っていたタイミングだったのですぐに返信をした。

こんな展開ある??

高校三年生の最後に涙の別れをしてから一回もあっていなかった。

彼は遠方に居たため成人式、成人式後の同窓会も出席していなかった。

そしてそもそも私が高校の同窓会にあまり出席するタイプじゃなかったから、彼が出席していた同窓会に私は行っておらず。

見事な行き違いで4年会っていなかったのだ。


もう会えないと思ってた。ずっとあの時の彼で記憶は止まっている。

どんなプランにしよう、どんな格好をしよう。

1か月前からずっと胸が高鳴っていた。



7月中旬。
彼と再会する約束をした。

彼と一緒に高校に行き、思い出の通学路を歩こうということになった。



・・・もう彼と会うのはこれが本当に最後であろう。


私は意を決して。
待ち合わせ場所に向かう。


私の青春時代。


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