風立ちぬ、いざ生きめやも
語感のいいタイトル。
今回の内容は他愛もない、ジブリ映画の『風立ちぬ』を観ましたという話。
先日、モクチャウの友人宅にお邪魔して寿司パーティをしてきました。モクチャウは養殖サーモンが美味しいのでテイクアウトでサーモンをゲット。…と、かっこよく言ってるけど食堂に行って「サーモンをお刺身用に捌いてください」ってお願いして手に入れたので、実際のところちょっと田舎っぽい。
満腹になるまで久々に美味しい食事を楽しんだあと、友人からジブリを観ないか?と誘われる。ベトナムは映画が見放題なんだとか。(共産主義の恩恵なのか、はたまた法を犯しているのかは不明(笑))
好きなのを選んでいいよと言われ、友だちのウケも気にせず真っ先に『風立ちぬ』を選んだわたし。なぜなら、ベトナムに来てからずっと『風立ちぬ』が見たかったから。
VPNの関係で動画配信サービスも含め、サブスクを片っ端から解約して節約モードのわたしは新しく契約する気も起きないし、けど心のどこかに『風立ちぬ』が引っ掛かっているし、そんな中のお誘いに飛びついてしまった。
映画自体は大好きだった内容のまま、友だちの前にも関わらずわたしに涙活時間を提供してくれた『風立ちぬ』。ひたすら泣いた。
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でも、わたしは気づいてしまった。
作品の中にちょくちょく出てくる、戦時中の描写。関東の町並み。そこで暮らす人たちの生活。…ちょっとだけ、ちょっとだけだけど、ベトナムみたい。(このときのわたしは、数日前に大家さんからの言葉と態度に大きなショックを受けているのでアンチベトナム一派に属する。気分を害される方がもしいたらごめんなさい。ベトナムを毛嫌いしているわけではないです。)
よく ❝モクチャウは昔の日本を想起させる懐かしさがあります❞ って紹介しているけど、本当だった。ところどころモクチャウみたい。そしてわたしがイラッってするベトナム人と同じことをしている。
挙句の果てに、線路の上に寝そべって、走ってくる汽車に汽笛を鳴らされ、慌てて避ける人たちの描写が流れると、ベトナム人の友だちに「なんでこんなことしてるの?」って聞かれた。言葉が出てこなかった。
本当に「なんでこんなベトナム人みたいなことしてるの?」ってわたしが聞きたいくらいだった。
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かつての日本の描写にショックを受け数日。ジブリ作品に1㎎のトラウマを抱えたものの、あそこからいまの状態に持ってきた日本ってすごい。と自分に言い聞かせている。
それでもやっぱり。他人の気持ちを慮ることができる日本人大好きだな~と。他人の痛みに共感して寄り添うことができる日本人に、日本の暖かさに身体の芯まで浸かりたい…!と思いを馳せるのがわたしのいまの癒し。
ここ最近、心の中にいる、アンチベトナムなリトルおはるさんたちが暴徒と化しそうだったので。あと8か月、もうちょっとだけ頑張ってみようという決意表明と共に。風立ちぬ、いざ生きめやも。
画像提供:風立ちぬ - スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI