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ぷちえっち・ぶちえっち35 おばさんに振られた日

この連載はちょっとえっちでちょっと笑えるお話です。

僕はもう50代半ばになる。でも、女性の好みは20代限定である。

30代以降はどうしても好きになれない。まあ、相手も僕に好きになって欲しいとは思っていないであろう。

30歳を超えて魅力的だと思えるのは石原さとみさんだけである。


 友達からは非難されるが、僕としては首尾一貫しているのだ。

15歳の時は、同い年の女の子よりも20代のお姉様のほうが色っぽくて好きだった。それから40年、ずーっと女性は20代が好きなのだ。


 僕は自分のことをそれほど異常だとは思っていない。証拠はいくつもあるからだ。


◎世の中には熟女パブよりも若い子のキャバクラの方がずっと多い


◎森高千里は「でも心配だわ、あなたは若い子が好きだから」と歌っている


◎若い子のアイドルはいるが、おばさんのアイドルはいない(と思う)


◎20代に見える40代の美魔女を選ぶくらいなら20代を選ぶ


ただ、僕も20代が好き、という信念をずーっと貫き通してきたわけではない。

10年前に離婚して独り身になったこともあり、自分より少し年下ぐらいの女性と付き合うのが当たり前なのではないか、と思った時期があった。


ちょうどそんな時、友人が僕より4つ年下の未婚の女性を紹介してくれてたのである。僕は会ってみることにした。

堅苦しいお見合い、ではなく、とりあえず顔合わせで食事でも、という話になり、日本橋のイタリアンレストランで会った。


当時僕は50、現れた優子さんは46であった。4歳年下だ。

最初の印象は、まあ40代にしてはいいほうかな、という感じであった。若い頃は可愛かったかもしれない。(こう言う時点でもうダメな感じなのではあるが)。

話してみた感じも、ごく常識人という感じで、好感が持てた。


優子さんもまあまあ僕に合格点を出してくれたみたいで、それから1度食事をした後、夏だったので一緒に花火を見に行った。

僕は花火を見ながら、優子さんの手を握った。手を握りたい、という気持ちは特になかったが、(ここは手を握る局面だろう)と思ったからである。

優子さんも拒否はしなかった。まあ、ここまではなんとか順調であった。


4回目は、僕が野球が好きだということで、神宮球場に野球を見に行った。

優子さんは野球にあまり詳しくはなかったので、ルールやプレーの簡単な解説をした。

最後まで見ると道も電車も混むので、6回表で球場を出て、駅へと向かった。


4回目なので、そろそろいいかな、と思い、僕は別れ際に優子さんをハグしようとした。


その時である。思いがけないことが起こった。


「いやっ」。
そういって優子さんは思いのほか強い力で僕を押しかえし、ハグを拒否したのだ。

4回も会うということは、それなりに僕に好意を持ってくれているのだろう、と思った僕はあっけにとられた。


家に帰ってから、優子さんからメールが来た。結構長く書いてあったが、思いっきり要約すると、


「僕に対してときめきが全くないのでお別れします」。


という内容だった。


 「ときめき???」。


僕は驚いた。異性にときめきを感じる、なんて若い子の特権で、おじさん、おばさん同士にはそんなものあるわけがない、と思っていたからだ。


しかし、後で考えてみると、僕も優子さんに「素敵だ」とか、「かわいい」とか、一度も言ってなかった。

好きとか嫌いとかより、話が合うか、お互いに一緒にいて苦はないか、みたいなことばかり考えていたのだ。たしかに女性としてはときめかないだろう。 


僕の人生の中で、20代の女性に振られる経験は枚挙にいとまがないが、40代の女性に振られるのは初めての経験だった。

まさか振られるとは考えていなかったので、思いの他ダメージは大きかった。


それから5年経つ。僕はやっぱり20代が好きである。もう不治の病で仕方がない、と思っている。
 

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