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『新版 20週俳句入門』を村上春樹とかけ合わせて読む 第1-5週
夏井先生の教えに従い、『新版 20週俳句入門』を読み始めた。良い本だと思う。地力がつく気しかしない。藤田 湘子、すごい先生がいたんだなぁと思う。
しかしこの本、なかなかストイックである。課題もそうだが、本文パートも俳句のエッセンスを簡潔にまとめて「忘るるべからず!」と示しているように、自分は受けった。
まずは忠実に藤田先生に従えばよいのだろうが、折角なので、各週のキーポイントだと思った箇所を、村上春樹の言葉に、対応させながら読んでいきたいと思う。
なぜ村上春樹か?
僕が好きだからだ。
春樹的な言葉があると、テンションが上がるからだ。
村上春樹は小説家であるが、文章を書くことにおいて参考となる言葉を多く残している。藤田先生の教えを複眼的に解釈することで、本書をよりしっかり読めるんじゃないかと期待している。
将来、立ち返りたくなったときのために、20週分まとめていきたい。
5週くらいずつ、まとめようと思う。いつ終わるかわからないけれど。
第1週 自分のために
「俳句を作る」ことを、一時の腰掛けではなく、このさい一生の仕事として臍を固めてもらいたいと思う。
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肝心の、本を好きになるっていうところだけは教えることはできない。好きになりなさいと強制することもできない。すべての偶然が一致して、本と出会わなければ、本の世界を熱烈に求めていく魂でなければ、書き続けるというところに行かないと思うんですよね。
俳句を詠み続けるためには、覚悟が必要だ。一方、俳句に関して、今ここまでの偶然が揃ったことも、ありがたいことだと思う。
何年か俳句を作り続けていると、いつの間にか「自分のために」ということを忘れてしまう人が多い、(中略)、今はひたすら、「自分のために」「自分の俳句を作る」ということを、心に刻みこんでおいてもらいたい。
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(自分のオリジナルな文体なり、話法なりを見つけ出すためには)
すごく単純な話ですが、「それをしているとき、あなたは楽しい気持ちになれますか?」というのがひとつの基準になるだろうと思います。もしあなたがなにか自分にとって重要だと思える行為に従事していて、もしそこに自然発生的な楽しさや喜びを見出すことができなければ、それをやりながら胸がわくわくしてこなければ、そこになにか間違ったもの、不調和なものがあるということになりそうです。
自分のために俳句を作ることが、オリジナルな俳句への近道かも。
第2週 作句の必需品
俳句になる材料はどこにでもある。(中略)、作者の心がけしだいで、無尽蔵の詩因を探ることも可能
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あたりを注意深く見回してください――というのが今回の僕の話の結論です。世界はつまらなそうに見えて、実に多くの魅力的な、謎めいた原石に満ちています。小説家というのはそれを見出す目を持ち合わせた人々のことです。そしてもうひとつ素晴らしいのは、それらが基本的に無料であるということです。
目。目は大事。そして無料の素晴らしさよ。
自選をしっかりするには、自分の作品をクールな眼で見なければならないわけだけれど、クールな眼を保つことはなかなかむつかしいんです。
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でも、僕は思うんだけど、どんな人でも時間をかけて読めば、自分のものでもある程度正確な判断ができるはずだと思いますよ。きちんと時間をかければね。
まずはちゃんと時間をかけるか…!
第3週 『歳時記』と親しむ
三百余年のあいだ、『歳時記』に収録された季語は、大勢の作者によって磨きあげられてきた
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文章が変われば、新しくなれば、あるいは進化していけば、たとえ同じことを何度繰り返し書こうが、それは新しい物語になります。文章さえ変わり続けていけば、作家は何も恐れることはない。
「名句が数多ある季語で、これ以上自分が語るべきことがあるのか」なんて思ったりもするけど、そんな心配は無用のようだ。
第4週 表記と雅号
私の経験を通して言うならば、俳句は文語表現がいいと信じているし、したがって歴史的仮名づかいが有利でふさわしいと思う
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言葉の響きって大事なんです。具体的なフィジカルな響き。たとえ声に出さなくても、目で見て響かなくちゃいけない。
自分の句を、新仮名と歴史的仮名のどちらで書いた方がビジュアル的に響きやすいか、で判断しようかな。
第5週 俳句の前提=五・七・五
朗々と声をあげて俳句を読んでいれば、しぜんに五・七・五の韻律が身に染みこんでいく。(中略)そうやって、俳句のなんたるものかが、だんだんと感じられてくるわけなのだ。(中略)歯をくいしばっても、五・七・五を外さぬ、というくらいの断乎とした決意を求めておきたい。
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(伝えたいリアリティをより他者と共鳴しやすくするためには)
それは僕の場合、まずリズムじゃないかな。(中略)あくまで僕の場合はということだけど、リズムがなければものごとは始まらない。
僕は子供の頃から、ずっと音楽を熱心に聴き続けてきたし、七年くらいジャズの店を経営していたから、楽器こそ演奏できないけど、リズムとか、ボイスとか、フリーインプロビゼーションの感覚は、わりに身体の芯にまで沁み付いているんです。だから音楽を演奏するみたいな感覚で文章を書いているところは、たしかにあると思う。耳で確かめながら文章を書いているというか。
暗誦句、声に出して読もう。
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