旅に出れなかった君へ

世界中、旅をして
いろんな世界を飛びまわる「旅人くん」に
なりたかった






どこの国でもすぐ友達が出来る
「旅人くん」を自分の理想像として
思い描いていた









けれど君は
結婚して子どもが生まれ
家族のために会社員として
働く人生をおくることになった









平凡な人生






平凡なサラリーマン






そんな自分が嫌だったね








なんかかっこわりぃな






落ち着いて考えれば
旅人＝ヒーローという考え方それ自体が
かっこわりぃのだけど
渦中の君にはわからなかったことだね







この前君は気づいた！

君は「旅人くん」じゃない自分を
ずっと責め続けていたということを








旅人じゃない自分はカッコ悪い







旅人じゃない自分は価値がない







平凡な人生を送っている自分は
つまらない人間だ







/
苦悩の原因は知らずに
描いている自分の理想像にある
\

自分を非難することで自信はなくなる









無意識に心の中に
理想像を描いてそのギャップから
自分を自分で見下している




自分で自分を非難しているなんて
悲しすぎるよ






でも…





「旅人くん」じゃない君は
家族のために一生懸命働いて
子どものとびきりの笑顔に
幸せを感じてきたじゃないか






父ちゃんおかえり！って
飛びついてきた息子の
喜ぶ顔は何にも代え難いものだった







もやもやの心は
そんな幸せだったことも
忘れてしまう






旅に出れなかった君へ　

家族のために嫌な上司にも
頭を下げて朝から夜遅くまで
働いてくれて
ありがとう







旅に出れなかった君へ　
頑張ったね
ありがとう





旅に出れなかった君を
長い間非難してきて
ごめんなさい。
今は、君を思いっきり抱きしめたい



追伸
旅に出れなかった君へ
君はもう旅に出ることだけが
幸せじゃないと知っている


人とくらべて価値があるとか
ないとかそんなのは意味がない
ことも知っている


起業家が会社員よりも優れているとは　
言えないことも知っている


旅にはこれから出ればいい



楽しい旅が待っているよ