初カオス
今年の2月、テレビだかYouTubeだかで裁判傍聴というものの存在を知った。単語を聞いた程度だがその後調べてみた。驚いた。それまで「関係のない人が裁判を見れる」なんて知らなかった。
僕は、裁判はどういうものか、映画ドラマと同じなのか、気になり思い立ったが吉日、行ってみることにした。
何人か友人を誘ったが、綺麗に断られた。僕の人望がないのか、高校卒業前の一分一秒青い時間を「裁判傍聴」というものに割きたくないのか、それは今になっても分からない。まぁ、1人で行くことにした。
調べてみると制服で行った方が良さそうだった。
当日、「よし」吐息を吐きながらローファーに足をはめる。初めて行く場所で、間違えて家庭裁判所の方に行ってしまった。まぁ人に聞いて地方裁判所に行けたのだが、見る予定だった刑事裁判はもうすぐ終わるとのことで、違う民事裁判を見ることにしたが、その裁判も途中だった。裁判所の受付でベルトを外し、金属探知機のゲートみたいなのを潜る。初めて潜ったところ、興奮気味だったかも。
裁判室のドアの前に着く。声が聞こえた。もう裁判は始まっている。誰でもきていいとはきいているものの、まだ全然ケツの青い自分が入っていいのだろうか。急に血液のスピードが早くなる。覚悟を決め中に入る。
ドラマで見るような裁判室の景色が広がっていた。裁判長、弁護士、検察?、被告人。裁判長の机の下に机があってパソコンを叩いている記録の人もいた。
一瞬だけ視線が痛かったが気のせいなのかもしれない。
傍聴席には4人座っていた。僕はドアから一番近いところに腰を下ろす。僕の前の椅子には2人座っていた。
うち1人は、全然私服で足を組んで2、3分に一回大きくため息をしていた。もう1人は色黒のゴツいおっさんだ。後ろからでも圧が感じ取れる。
事件の内容は、「Aが友人であるBと居酒屋で飲んでいて、目を離した隙にBと初対面であるCがつかみ合いの喧嘩になって、それを止めに入ったAの服が破れたため、Aが Cの鼻辺りを2回殴った」と言うものだった。ちなみにAは、格闘技経験者らしい。
それをCが6年前に訴えて裁判をしているらしい。
「あの時、タクシーに乗ってどうのこうの」………
長々と当時の状況を確認し、とりあえず裁判は終わった。
最後に次にいつできるか見たいな事を裁判長が、傍聴の席に座っている人に聞いた。
なんと、僕の前の席に座っていた足組んで、ずっとため息吐いていた人がBだったのだ。
しかも、原告(訴えた人)であるCは現在連絡が取れないときている。
この空間を作り出した本人がいないのに、「あれはあーだった、これはこーだった」と言うのを数年やっているのだ。
その後、AとBと色黒のおっさんは一緒に帰っていった。
なんと言おうか。僕の語彙力が足らない。
とりあえずカオスだ。これはきっとカオスなのだろう。
今まで20カオスを超えたことがない僕のうっすい人生にはカオスがすぎる出来事だった。
あれ、もしかしてカオスの意味違うかな
まぁいい。カオスだったのだ。
改めて何があっても暴力はいけない。と思った。
ましてや格闘技経験者が殴るやら蹴るやら…
ちなみにこの文は殴り書きなのでオチはない。
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