ベテランと思っているベテラン社員はいらない
本日はこちら。
最初に学んで欲しいのは、「自分のプライドの壊し方」
自分はこの時代には役に立っていない可能性がある、そればかりか老害になって所属組織の成長を阻害している要因になっている可能性さえある。そういう危機感が大切です。
逆にこの危機感を持っていれば、何歳だろうと、現在がどんなに偉い立場だろうと、裸の王様になることなく、自ずと自分が学ぶべき道は見つけられるでしょう。まず今の壇上から降りること、自分を新人だと思って見直すこと、これが肝要だと思います。
「私はもう歳だから・・・そういうのはちょっと」
僕が世界で一番嫌いな言葉の一つ。それが「私はもう歳だから」。
例えば、引退する野球選手が使うなら分かります。本当にそうなのかもしれないですから。体が弱ってきているかもしれない、故障で再起が難しいかもしれない、そういう人が冷静な現状分析の末に、そういう発言をすることに、文句はありません。
ただ、だからこそ、現役のベテラン社員の誰かがこの言葉を使ったら僕はいつもこう思います。本気でそう思ってるなら「さっさと、いますぐ引退しやがれ」。
まずもって、ベテラン社員の多くは勉強の習慣が必要です。勉強すること自体のスキルです。新しいことの学び方、実践への活かし方、定着のさせ方、という一連の流れ。
「私はもう歳だから、運転はちょっと・・・」
これは分かります。先程の野球選手と同じことです。
「私はもう歳だから、ITはちょっと・・・」
「私はもう歳だから、マーケティングの知識とかちょっと・・・」
「私はもう歳だから、横文字の羅列はちょっと・・・」
こういうの多いですが、「ふざけるな」と言いたい。いやいや勉強して下さい。若い人が元々そういうことを知っているとか思ってますかね?そんなことはないのです、みんな必死で勉強しているのです。あるいはそういう新しいことを学べる職場を選んでいるのです。
では、どうやって同じように勉強したら良いのか?
そういう疑問なり、危機感が湧いてきた段階でようやく次に進めます。
今学んで欲しいこと、それは経営学
さて、ようやく本題に入りますが、ベテラン社員に学んで欲しいスキルは経営学です。MBAでも良いですし、そこまでハードじゃなくても良いので、現代経営で使用されるフレームワークと価値観というものを学んで欲しいです。
私の知る限り、ベテラン社員はとにかくクレーム対応に強い。この点は年の功という奴でしょう。相手の話を聞いて共感できる人が多い。声色が年老いている方が、不思議と安堵感がある。信用できる。
語弊を恐れずに言えば、美男美女がモテるのと同じ。不平不満を水に流しても良いと思わせてくれるのは、圧倒的に年輩、ベテラン。あるいは不安を解消してくれるのも年輩の方。ステレオタイプでしょうか?でもこれが現実。
話を戻します。なぜ、クレームに強いベテランが経営学を学ぶべきなのか?
なぜなら、クレームの根本解決に、経営学が必要なのです。
ベテラン社員がお客様のクレームを聞いて、相手に水に流してもらうと、その瞬間の顧客満足度は上がります。しかし、問題そのものが解決したわけではありません。本当は、そのクレームが発生しないように改善が必要です。クレームを聞きさせること、それをいったんは水に流せること、これは素晴らしいチャンスです。このチャンスを会社の成果に繋げていくには、ベテラン社員にも経営学が必要になってくるのです。
このクレーム事項の根本改善の工程は、ベテランだけの力に頼るべきではないということです。「もう私は歳だから」もダメですが、「まだ私は経験がないから」も又ダメです。ベテランも新人も関係なく力を合わせ、そして問題が早くより力強く解消され、より改善された状態へ進んでいくことが重要です。
その時に、あらゆる人間が会話するのに必要な共通言語が、経営学です。それも現代経営でのフレームワークと価値観です。
同じ問題を見ているときに、古い経営学の価値観、あるいはそもそも経営的観点が抜けた人のいる議論は大変残念なものになります。もはやお互いを理解するだけでも、膨大な時間がかかりますし、結局多くの場合は分かり合えない、というのが実態です。
ここで、皆が共通の最新の経営学を学んでいれば、仮に意見に相違が出たとしても、お互いがお互いの言っている意味は理解できるでしょう。対立しあう意見の中から妥結点が見出せるかもしれないし、あるいはより新しいお互いが考えもしなかった素晴らしい意見が生み出されるかもしれない。
例えば、デザイン思考を学んでもらう、例えばデジタルマーケティングを学んでもらう、パイプラインでも、カスタマージャーニーでも、コトラー4.0でも良いです。とにかく、経営学を「今どきのツール」感覚で学んで欲しい。
「今の人は、『三方良し』のことを『SDGs』と言うんだね」みたいな気づきを得て欲しい。
ベテラン社員には、イマドキの「共通言語」を学んでいただけたら嬉しいです。
ということでまた。
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