見出し画像

No.2 10月 知とpay

 十月、日本では紅葉が色づき始める季節、ベトナムではヤシの木が揺れている。照りつける日差しに強い雨、寒くなる気配はない。今回は授業の様子と金銭についてまとめた。今回の題名は私を決定的に変えたヘルマン・ヘッセの『知と愛』から。

授業
 授業は、毎週月曜日から金曜日までの5日間、日によって時間はまちまちだが、大体昼の2時から5時まである。毎日違う先生について習う。レベルの高い授業で、確実に知識が増えていく。学費が免除されている交換留学生とはなんと恵まれた身分なのか…。

ある日の授業は2コマ、12時45分から14時20分まで文化の授業、14時30分から17時まで読解の授業だった。1コマ目はベトナムの行事や文化について習うものなのだが、その先生は男性。実は私、お恥ずかしながら若干男性恐怖症の気がある。前職でのトラウマと少し関係しており、俗にいうシュッとした顔の男性が苦手だ。分類的にはイケメンと称される顔、先生はそんな顔をしていた。緊張の中、繰り出されるベトナム語の一斉射撃を食らい、授業に集中しようと言葉に耳を傾ける。90分を迎えるころにはクタクタになる。2コマ目の先生は、日本語がほとんど通じないため英語でのコミュニケーションとなる。日本にいたときの私はアルバイト中に外国人観光客に対して片言の英語を使っていたくらいで、英語に自信はない。もちろん実力もない。しかし、どうやら我々は気付かぬうちに義務教育で英語を無意識化にまで刷り込まれていたようだ…。働かない頭に鞭打って、先生の「この教科書は簡単すぎます」という決定によって難易度の高いプリントに取り組む。週に1日だけ、そんな日がある。

そして話にも聞いていた通り、割と気軽に先生は授業を休む。実は月曜日の先生には授業外で1度会ったきりだ。仕事が片付かないといいながら、私に作文の宿題を出して姿を消されたので、私は月曜日に家で作文を書いている。

こちらに来てそろそろ一か月になるが、私は正直留学を大きな休暇としてとらえている節がある。海外に出たからと言って世界がひっくり返った、とか、価値観が180度変わった、などということはなかった。


金銭
今月の出費はざっとこんな感じ。
家賃自己負担分(敷金) 4000円(28000円)
電気代 630円
食費 6800円
交際費 1230円
生活用品 5880円
計 46540円

シーツと鍋、洗濯桶や洗剤、室内サンダルにカトラリーなど、生活の初期費用に6000円ほど使用した。生活用品と敷金合わせて約34000円は今月から必要ないので15000円(家賃含む)もあれば十分過ごせる算段だ。クーラーをつけて寝るとき用に掛け布団も買うように言われたが、私はクーラーをつけないので必要ない。実家は4LDKという間取りなのに対し家にあるクーラーはリビングに一つだけだったので暑さには慣れている。サイゴンは夏の京都よりも涼しい。

電気代は1Kwhあたり3700VND(約18円)である。ベトナムの電力会社は近年電気代を上げ始めているとニュースで読んだが、日本より高い印象はない。ベトナムに留学経験のある先輩方からは、電気代は月に約5000円かかると聞いていたが、扇風機と冷蔵庫、スマホの充電と電灯で、1か月約630円となった。クーラーは金を溶かす。
大家さんに英語で「電気代が高くなっているのは私のせいじゃない、国が上げているんだ」というようなことを言われた。it's ok, I trust you.

私はストレスがかかるとよく食べるのではじめの方は食費が多めだった。何とか安く済む方法を模索中だ。今は米でもパンでも大袋を買ってできるだけ安く抑えている。たまに友人と夕食をとる。ベトナムのレストランや食堂で出される一人分は日本と比べると少し少なめなのだが、そんなことも言えないので家に帰ってから一人寂しくカップ麺をすすっている。なんとかならないかな…。下の食事は平均的な一食分だ。

今月はここまで。11月は食事について。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?