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ハサミ男

『ハサミ男』を読んだ。1回目に読んだ時に驚くようなトリックのある小説だけれど、2回目でも面白かった。

独特な雰囲気のある小説で、ヘラヘラと蘊蓄を語る医師と連続殺人犯で自殺願望のある「私」が出てくる。間の抜けた感じでシリアスなことを話しているので、面白い。警察の人の視点と「私」の視点の二つで構成されており、警察の人の視点との対比で浮世離れした感じが強調されている。「私」自身のモノローグも、どんなことが起こっても比較的淡々としていて、ずっとニヒル感が漂っている。

殺人を犯すこと以外に関しては、主人公の「私」の考え方に自分の考え方が似ていると思った。今まで読んだ本の主人公で、一番くらい似ていると思ったかもしれない。


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