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ギャラリー,イベントで出逢った作品

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偶然の出逢いも含めた、ギャラリーやイベントで出逢った作品たちを紹介した記事をまとめたマガジンです。
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#インスタレーション

Atsushi Kaga個展「眠っている猫に触っているとあなたがそこにいるのがわかるような気がするのです。」(-6/1)

 某日。裏原宿から、  外苑西通り方面に歩き、かなり急な階段の先に  その空間はあった。  Atsushi Kaga個展「眠っている猫に触っているとあなたがそこにいるのがわかるような気がするのです。」(~6/1) 6枚の絵が創る世界  「靴を脱いで、上がっていただけます」というギャラリーのスタッフに声をかけていただき、上がりこんでみた。茶室を思わせるような空間に佇む。 小さなものたち  足元には、小さなものたちがいた。  かがんで、目線を落としてみる。  彼

小さな生態系,種を蒔く - [生景-2024](-6/2)

 某日、青山。  華やかな表通りから入った小さな建物に、その小さなギャラリーはあった。 生態系を思わせるインスタレーション  扉を開けると、  そこに広がっていたのは、こんな「世界」。  作家さんの一人が在廊していて、話を聞くことができた。 世界そのものが一つの作品  かぎ針編み、針金造形、陶芸。3人の作家たちが、1つの世界を造り上げる。ラフスケッチもお見せいただいた。  すべて人工物であるのに、生命に満ちた空間だ。  深い森の中にいるような気分になってくる

カラフルな抽象世界の散策 -大城夏紀[project N 94]@東京オペラシティアートギャラリー

 東京オペラシティアートギャラリー。  こんなふうに、廊下に広がる「風景」があった。 風景、その抽象化  風景のように見えるその展示に置かれている作品は……しかしカラフルに抽象化されている。 視覚的連歌の世界を散策  難しい……理解は無理なのだろうかと一瞬感じて、いや、そんなふうに下を向くべきではないのだろうと思った。だって、アウトプットされた世界はこんなに楽しいのだから。 カラフルな風景の一部に  カラフルな風景を愉しみながら、ぐるぐると散策する。「詩歌」を意

都会の[よるべ(寄る辺)] -園田 源二郎 @Brillia Art Award大賞展

 某日、京橋。  ふと、この看板が気になって、  中に入ってみた。  2カ所のギャラリーが並んでいて、向かって左のほうでは歴代受賞アーティストのプロフィールや小作品、隣ではインスタレーション的に作品が並んでいて、それぞれのアーティストの世界を創っていた。 「ヨウコソ、ヨウコソ」  そのなかで、一番奥のインスタレーション、  手描きのふしぎな案内に誘われて進むと、その作品はあった。  全体はこんな感じだ。 「クルモノコバマズ」  遠目には、何となく子どもの落書

【写真】BIG CAT BANG@GINZA SIX

 大型連休某日、銀座。  GINZA SIX。  その中央吹き抜けに…  彼らはいる。 「岡本太郎の創作遺伝子」  説明にもある、大阪万博→岡本太郎「太陽の塔」、の連想は、初見であってもわかりやすい。  「創作遺伝子」、については、写真を撮っていて、納得できることがいくつか見えてきた。  この猫さんたち、  「かわいい」と一言ではいえない、ちょっと禍々しい?(否、神々しい?)パワーもある。  ここに来る前に見かけた、岡本太郎の立体作品を思い起こす。 さまざ

身体性,関係性とSoh Souen(ソー・ソウエン) -既に終了した2つの展示から

 昨年末と1月に、Soh Souen(ソー・ソウエン)の作品を観た。 「Let us see what you see.」(-2/17)  個展「Let us see what you see.」(-2/17)@銀座 蔦屋書店    展示室に、均等に展示された大きなポートレート。  網がかかったような、または欠けたようにも見えるが、  近づいてみれば、絵を構成しているのはピクセルだ。  貼り絵のようにも見える。  ぼやけたように見えるポートレートのピクセルは、その

静寂の内的世界を彷徨う -MAMコレクション017:さわひらき

 MAMコレクション017:さわひらき(-3.31)@森美術館  六本木ヒルズ森タワー53階。そこは、光を遮断した空間。  空間の奥に大きなモニター。卓上に小型のモニターが後ろ向きに設置されている。  モニター同士は、こんな感じで向かい合っている。 インスタレーション×インスタレーション  本作は、見てのとおり、インスタレーションなのだけど  説明の通り、いわば、作家によるインスタレーション×インスタレーション。  時計の画像はカチカチと時を刻み、静寂な空間に音

即興,インスタレーション -田中泯×名和晃平 初コラボ[彼岸より]@YCC県民文化ホール

 1月11日、甲府駅。  彫刻家の名和晃平、舞踏家の田中泯との初のコラボレーション舞台が、YCC県民文化ホール(山梨県民文化ホール)で開催されると知り、チケットを入手して心待ちにしていた。 名和晃平×田中泯、初のコラボ タイトルは、『彼岸より』。 舞踏?インスタレーション? 一切の予備知識なくして、まずは鑑賞することにしていた。  舞台構成は、かなりシンプルだ。舞台向かって左手に、一本のポールのようなもの(山?山と横向きの人間を象った何か? にも見えたりする)が置かれ

音と光を全身に -AMBIENT KYOTO@京都中央信用金庫 旧厚生センター

 AMBIENT KYOTO (-12/31)  京都の中心部2会場で展開されている、AMBIENTミュージックの祭典。  京都中央信用金庫 旧厚生センター会場。昨年の様子はこちら。  印象に残った2作品を。 TOO PURE  軽快な音楽に乗って、高速でスクリーンに流れていく、自然をモチーフにしたアニメーション映像。  観ている者も、その流れるような移り変わりの渦の中に、いつの間にか巻き込まれていく。  何も考えず、映像に身を任せて佇む。春夏秋冬を何度も繰り返

工場跡×音響×映像 -AMBIENT KYOTO@京都新聞ビル地下1階

 AMBIENT KYOTO、好評につき12/24まで→12/31までに会期延長。  そのおかげで、訪ねることができた。  昨年も訪ねていたのだけど、  個人的には今回のほうが、より「入って」いかれた気がした。 新聞社の印刷工場跡へ さきに引用した概要にあるように、今年は2会場で展開。  本稿では、わたしにとってはより印象的だった、坂本龍一 × 高谷史郎@京都新聞ビル地下1階のほうを紹介する。  とてもわかりやすい、地下鉄駅直結の会場。  諸注意を聞き、承諾のう

Ecology: Dialogue on Circulations Dialogue 1 [La Vita Nuova]崔在銀 展@GINZA MAISON HERMÈS

 11月某日、銀座。  GINZA MAISON HERMÈSで開催の展覧会へ。  インスタレーション作品を中心に、紹介していきたい。 大地からの返信 コンセプトありきの作品なので、説明文を先に。  埋め続けることによって生まれる「対話」。 White Death 次の展示室に入れば、  展示室に敷き詰められた、今は生命を失った珊瑚。  文脈は全く異なるのだけど、この展示は、森美術館で開催中の展覧会にある、帆立貝が一面に敷き詰められた空間を思い起こさせる。(本作

ホテルとアート,静寂の世界 [過去の記憶を包む]山田晋也×MOGANA(京都)

 京都のデザインホテル MOGANA×山田晋也 with Antiques & ART Massa による「過去の記憶を包む」(10/26-31)。  地下鉄の駅を出て、街を眺めつつ歩き、  住宅街の、この建物へ。  入館情報を記入。カードを渡され、自由にご覧くださいとのことで、館内を散策した。撮影は自由。展示は1階、1階奥のメディテーションルーム、2階の3カ所。 1階廊下とライブラリー 12時に過ぎ訪れた。ホテルはチェックアウト時間後なのか、人の姿はほぼない。  

ACK02 -蔵,古民家×現代アート -磯谷博史, 濱大二郎,松井照太,中村壮志

 Art Collaboration Kyoto(ACK、10/28-30、国立京都国際会館)。現代美術のアートフェアの枠を超え、連携したプログラムが街に展開していた。すべてはとても回り切れなかったが、鑑賞できたプログラムを紹介していく。 磯谷博史「今日と、持続」 まずは、中京区の蔵を改造した空間で開催されていた展示から。宿泊先の近くだったので、徒歩で訪ねた。  ACKの看板が目印だ。  2階建ての建物の2階を中心に、作品が展示されていた。  奥の空間は、2席限定のカ

神宮前NANZUKA UNDERGROUND & NANZUKA 2G@渋谷PARCO [The Gathering]

ジャン・ジュリアン & ニコラ・ジュリアン「The Gathering」  NANZUKA UNDERGROUND@神宮前(~11/12)、NANZUKA 2G@渋谷PARCO(~11/5)2会場を訪ねてきた。  NANZUKA UNDERGROUNDの前回の展示は、こんな感じ。 NANZUKA UNDERGROUND@神宮前(~11/12) 原宿の街を抜けて、  この看板を目印にしつつ、  NANZUKA UNDERGROUNDへ。  今回の展示は、ジャン・ジュリ