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[No.011]ピカソみたいなハゲ頭のキミに

ピカソみたいなハゲ頭のキミに

見えることだけが支配する世界で
文字で書かれた自然に嫌気がさして、あまりにも広い共産主義のニュータウンの中でかつての心を探しているんだね。どこまでもつづく同じ色に塗られた壁はキミよりも垂直に宇宙の上にのっかていて、見えないものなんてないはずなのに、確かにあるこの自意識がキミの言葉みたいに薄っぺらくてどうしようもなくなってしまう。別に薄っぺらくて何が悪いと、使えるだけの言葉で修飾するのが正解の世界で僕はまたちいさくなる。真っ白な時間が恐ろしくなって、真っ黒な宇宙にありもしない何かを探しに行くの。


ピカソみたいなハゲ頭のキミに

嘘だけが真実の世界で
僕たちはどうやら落ちぶれて、新しい身体を操り人形みたいに取り替える。これが資本主義の最も意味のあったことなんだ、とキミたちは両腕で抱きしめ合うだろう。本当のことはいらないただ気持ちのいいうそで僕を抱きしめて欲しい。そうすればキミのことも抱きしめられるから。たくさんの言葉の意味を捨てて、残ったものだけ集めよう。それがきっと僕たちを許してくれるはずだから。

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