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ZENAIM Launch Event ~Community Day~でZENAIM KEYBOARDをめちゃくちゃに触ってきた話

※5/18 6:50 日本語として破綻した文章とわかりにくい表現を修正しました。

どうも、abaraです。話題沸騰のZENAIM KEYBOARDを実際に触ってきたのでそのレポです。

結論から言うと、良いキーボードでした。買いたいなと思いました。ANSI配列が出たら確実に買います。
ただ、本当にプロ向けというか、ピーキーというか、メリットが大きい分、好みも分かれそうだなという仕上がりでもありました。
このあたり、もしかしたら自分の好みが偏っているだけかもしれないので、現時点の自分のキーボード対するこだわりや実情等々、いくつかの情報を以下に開示しておきおます。どうでもいいんじゃ、という方は読み飛ばしてください。

私、タイピングは人よりは圧倒的に早いです。その筋では有名だったタイピングソフト、『タイプウェル国語R』のランキング500番台にいます。残念ながら現在では更新が止まっていますが、VALORANTで例えるなら、あと一歩でRADIANT。
打つ速度がマアマア速いので、その分、合わないキーボードを使うとめちゃくちゃ誤入力します。毎日10時間以上PCに張り付く生活をしているので、「入力の快適さ=生活の快適さ」というところから、キーボードに対するこだわりは人より強いです。自分にとって、入力は呼吸とほぼ同じです。我々人類は地上で生活した方が良い、という道理です。

タイプウェル国語Rランキング ※ミラーサイト(現在更新は停止)

キーボード遍歴(太字は現在も所有中)

Dospara付属青軸キーボード → SteelKeys 6G → SteelSeries Apex M500 → REALFORCE RGB → REALFORCE 103U-UB → FILCO Majestouch 2SS Edition →

  • REALFORCE GX1(メイン機・神キーボード)

  • Keychron K3 茶軸(外出用・ロープロ茶軸はチカラを入れすぎると容易に底打ちしてしまうので、個人的には軸の選択は失敗したと思っている)

私のキーボードに対するこだわり

  • 使うのはUS(ANSI)配列のみ

    • 『小指がEnterに届きやすい』のが良い

    • 『;:がShiftで切り替えるだけで、同じキーで打てる一貫性』が良い

    • 『スペースが長い』のが良い

  • PBTかそれに類する耐摩耗性の高い材質のキーキャップでたのむ

    • 一般的なキーキャップに用いられている「ABS樹脂」は、キーキャップが数ヶ月でツルツルになるので好みではありません。また、同じスイッチでもキーキャップの材質によって手触りや打鍵感も全然違います。触り心地に関してもPBTの方が好みです。
      Keychron K3くんは持ち運びが容易な無線のロープロ、という唯一性があるので、ABS製でも妥協して使ってます。同じコンセプトでPBTのものがあったら5000円高くてもそっちを選びますし、互換性のあるキーキャップで、材質PBT等、あればわざわざ交換します。
      現に、REALFORCE GX1もキーキャップがABS製なので、POM製(PBTとはまた別の高密度・高耐久素材)のキーキャップに交換して使っています。
      材質の話に関しては後々また出てくるので覚えておいてください。

  • Wooting程の超性能は別に求めていない

    • 最低限の性能(銀軸以上の反応速度)があれば、あとは打鍵感・フィーリングを重視しています。まあ、これはWooting 60HEがまだ手元に届いていないからそう思っているだけかも知れません。Wootingくんはまた今度、実際に試します。
      現在使用しているREALOFORCE GX1でも、既存のキーボードとは一線を画す反応速度が出せるので、性能に関してはもう、超満足しています。

ゲーミング×アナログスイッチ×ロープロファイルキーボードの答え

というわけで本題。

ZENAIMのイベントの一般参加枠で当選したので、めちゃくちゃに触ってきました。元々ロープロファイルのゲーミングキーボードに興味があったものの、自分が求める条件のものがなかったため、ZENAIMに最後の希望を託していました。そのため、「値段は気にしない。良いものだったら購入を前提に、厳しめに監査してやろう」と勇んで会場を訪れました。
で、会場では実際に触れるものが6台展示されていて、試遊に関して十分な時間が用意されていました。試遊以外のイベントの内容自体に関しては、割愛したいと思います。が、会場の雰囲気に関してひとつだけ言っておくと、ZETAファンの方ももちろんいましたが、それよりも、キーボードマニアの方が自分含めて多くを占めていたと思います。

見た目はかっこいい。ファンクションキーが詰まった配列は、やや慣れが必要かも。日本語配列だが、スペースキーが長いのがグッド。普段USキーしか使わない自分にも触りやすかった。
裏面はしっかり滑り止めがある。
チルトスタンドは2段階で調節可能。私は一切使わないので使用感は割愛。
余談だが、チルトスタンドくん、「キーの印字を見やすいようにキーボードを傾ける」のが本来の使途。タッチタイピングができるなら使わない方が手首にも優しい、というのが最近の通説だ。
REALFORCE GX1同様、表面にロゴがなく裏面にロゴがあるというデザイン。最近の流行? 好き。

まず触ってみて、入力してみて、「寿司打」をプレイしてみて、実際にゲームを起動して動かしてみて、というフローで一通り試しました。
ぶっちゃけてしまうと、残念ながら、タイピングするだけでは特に「良い」とも「悪い」ともなんとも思いませんでした。私がロープロをメインで使っていないからなのか、単純に鈍感なのか、良いキーボードに慣れすぎてしまったのか。ファーストインプレッションでの感動、を期待し過ぎていたのかもしれません。

ですが、実際にゲームを起動してみてキャラクターを動かしてみると、それまでの微妙な気持ちは瞬時にして消し飛び、今回のイベントが一挙に感動の体験へと変じてしまいました。
スペックによる反応速度の差とかは、比較検証ができていないのでなんとも言えませんが、一言でいって「フィーリングが、めちゃくちゃ、良い」んですね。
複数のタイトルで試しました。実際にプレイしたのは各タイトル数分にも満たない時間でしたが、この瞬間は、今まで感じたありとあらゆるゲーム体験の中でも至上のものでした。
そして、開発経緯から考えると意外に思われるかもしれませんが、特にスポーツ系タイトルでのフィーリングが非常に良かったです。
「左」と自分が思った瞬間にはもうキャラクターが「左」に動いている。現実で自分の体を動かしているのと差がない、三位一体の感覚

確かに、もちろん、タクティカル系のFPSこそ優位性は際立つでしょう。ストッピングはやりやすかったです。でも、個人的には「思うがままにキャラクターが動く感覚」が、たいへんに気持ちよく感じられました。
あくまで個人の意見として捉えて頂きたいのですが、ZENAIM使うなら慣性が弱いゲームの方が、楽しさ・良さが肌感覚でわかると思います。
もちろん、勝てるキーボードでもあります。ただ、勝てるだけを追い求めるなら、選択肢は他にもある、と私は考えます。ZENAIMの価値はそこだけじゃない。

楽しさの理由を分析するのには、時間が足りなかった……。本当に足りなかった、と言わざるを得ませんが、常に安定したフィードバックがある荷重特性とロープロの即応性、浅いアクチュエーションポイント、このあたりの合わせ技だと予想しています。荷重自体はちょっと重め、かつリニアというのも自分の好みにドストライクです。
いつ力を入れるも、いつ力を抜くも、全て自分次第。自分でコントロールできている感じ。いわば、初めてゲームを遊んだ時に感じた「全能感」といいましょうか、これに近い感覚を久しぶりに味わえました。ZEN+AIMってそういうこと?

これは個人的な話ですが、ロープロファイルではないキーボードも、oリング等のスペーサーを咬ませることで擬似ロープロ化はできますが、底を打ったときの感触がどうにも好きになれないんです。フニャフニャするのがイヤなんですよ。REALFORCE RGBでもGX1でも、キースペーサーを使っていないのはこれが理由だったりします。
あくまでロープロファイルに限った話ですが、打鍵感に関しても、それ専用で設計されたものにどうしても軍配が上がります。

私の感じたZENAIM KEYBOARDの良さは、これが全てです。これ以上語る必要がないと自分では思っています。
逆に、私の感じた良さは「触ってみないとわからない良さ」ですし、加えて「実際にプレイしてみないとわからない良さ」でもあります。もし買うかどうか迷っている方は、決断するまえに是非一度試遊できる環境で触ってみてください。

https://www.youtube.com/watch?v=g7-7Hsxj9BE

打鍵音に関してはここに上げておきます。ほぼ楽器。100点です。リアフォとは別方向の良さがあります。もちろんリアフォも100点です。

ちなみに、アクチュエーションポイントを0.2mmにしてしまうと流石に触っただけで誤入力が発生してしまうので、全て0.4mmに設定しての体感です。個人的には、0.4mmまでで十分(つーかこれが限界)。たぶん慣れたらもっと浅くしたくはなるでしょうが、スペックはこれで必要十分だと感じました。

スタッフの対応がよかった話

そして、色々気になる点もあったのでその話もしましょう。自分の偏った好みがここでモロに出てきます。
まず、キーキャップの材質。これに関しては当時自分が調べた限りではわからなかったですし、触っても判別ができなかったので現地の技術スタッフの方に根掘り葉掘り聞きました。

実は、購入したいと思う決め手になったのは、試遊台で対応してくださった技術スタッフの方の対応が良かったというのも大きいです。端から見たらほとんど文句言ってるだけじゃん、みたいな質問にも、NGなしで全て答えてもらえました。というところからも、製品に対する自信が窺えます。

で、キーキャップに関してですが結論、『材質はABS樹脂』ということでした。個人的にはマイナスポイント。ただ、『車載用のABS樹脂に、塗装は二層コーティング』だそうで、また、テストで酷使したものでも塗装の剥げや表面の削れ等は今までなかったとのことです。もしかしたら既存のPBT製キーボードと勝負できるくらい、キートップの表面は高耐久なのかもしれません。ただ、年単位の使用実績がまだないので、このあたりは使い続けてみないとわからないところです。
実際、手触りに関しては材質がわからなかったと前述した通り、塗装の感触の良さが際立っています。ほどよく滑って、ほどよく止まってくれるいい感じ。道具として優れた手触りです。

ところで、私はもうずっとABSアンチなのですが、一応ABSにも利点があります。フェアにいきたいと思います。
「加工が容易・汎用性が高い・透明感を出しやすい」という特性です。例えばPBTは耐摩耗性に特に優れていますが、どうしても濁りやすい素材です。光が綺麗に抜けないので、映えるキーボードは作りにくいです。
ZENAIMのキーキャップにABSが採用されている理由も、綺麗に光らせるためということに加えて、車載用のABSでの実績もあるからということでした。
あくまで自分調べですが、車両に搭載するためのABS樹脂は耐久性を高めたりしているものが実際にあるようです。なので一概にPBTだから、ABSだからと言えない部分があるのかもしれません。ここは引き続き、時間をかけた調査が必要でしょう。

ABSだけど、良いんじゃないか? と傾きかけたわけですが、PBT党の自分にとってはどうしても不安が拭い去れません。じゃあ、問題があればキーキャップ交換しちゃえばいいじゃん、というのが一番簡単なソリューションです。ただ、新製品なので、既存のキーキャップとの互換性があるかもわからない部分でした。所謂独自軸かつ互換性なし、という製品も世の中には存在します。
で、尋ねてみたところ、『Kailhのロープロと互換性がある』との答えをもらえました。Kailhロープロ互換のキーキャップは、種類こそ多くはないものの、PBT樹脂のものや無刻印のオシャレなものなどが実際にあります。

キーキャップまで外して見せてくれるサービス。

ここまでのやり取りを経て、自分は「よし、ANSI配列が出たら買うぞ」と決心。配列だけは残念ながら、譲ることができません。家あるJP配列のキーボード、ノートPCにくっついてるものしかありません。それくらいこだわってるので、容赦してください。

あとは、値段に関しては、確かに高いです。が、触ってみた結果、値段なりの代物という結論になりました。ゲーミングデバイスのみならず、どんな分野の製品でも、国内で作る以上コストがかかるのはしょうがないです。このあたりは自分の仕事を通しての経験等からも、ある程度覚悟していました。

そして、マイナス点に関してはもう出し付くしておこうと思いますが、タイピングに関しては……向き不向きがあるだろうキーボードでした。ちょっと触っただけなので断言はできませんが、自分の普段のタイピングスタイルには全く合いませんでした。
ゲームでの入力とタイピングの入力は自分にとっては完全に別物です。普段は、強く叩くように入力しています。それでだいたい10分くらい打ち通しましたが、正直、指先が痛くなりました。また、打鍵速度もあまり出ませんでした。
このあたりは、底打ちしないような打ち方などで工夫できれば変わる可能性が高いです。スペックに関してはロープロキーボードでは最強というのは間違いない部分なので、ロープロ党の人がどう感じるのか、ロープロ党の人にとってはタイピング面でも強いのか、というのは個人的に気になります。将来的に手元に来たらこのあたりも検証したいですね。

現地で出た最高記録。REALFORCE GX1での最高打鍵速度は8.1回/秒
家とは環境が違うが、環境の差はそこまでないはずだ。

というわけで、現時点での最適解は二刀流だな、と思いました。特にFPSをやるならZENAIM KEYBOARD、それ以外は現行のREALFORCE GX1というスタイルを自分は想定しています。あんまりここで言うのもあれですが、GX1はタイピングに関しても強いし、ゲームにも強いしで、自分の中では「最強のオールラウンダー」という位置づけです。

そして、技術スタッフにはHHKBユーザーの方もいましたが、その方もZENAIM KEYBOARDはタイピングには特化はしていないという認識を持たれていました。
優しいゆっくりとした入力とか、長文は書かないとか、仕事で使わない程度の入力なら現時点でも当然申し分ありませんが、長時間の入力となってくると自分が合わせるか、あるいは「まだ見ぬ何か」が欲しいところです。
特に、静電容量方式のソフトタクタイル感に慣れてる人にとっては、ZENAIM KEYBOARDでの快適な入力に関しては練習が必要だという気がします。あくまで個人の感想です。

結論

というわけで、ZENAIM KEYBOARDの最終評価ですが、「ゲーム特化のプロツールにして、ゲーム体験を最大化してくれる、最上の遊びのツール」ですね。

ANSI配列が出るまで、購入は我慢します。が、我が手元に来ることを楽しみに待っています。

ここまで読んで頂き、ありがとうございました。
せっかくなんで、現在使っているREALFORCE GX1の詳細なレビュー、そして夏頃届くWooting 60HEのレビューもそのうち上げたいと思います。

余談

壊れたら個別にキースイッチが交換可能というところで、じゃあ将来的にホットスワップにも対応できるのかと聞いたところ、『可能』だそうです。

試作機も展示されていた。
写真を取り忘れたが、試作のグリップ力の高いキーキャップなどはかなり気になった。

発売時にRapid Trigger的機能がないのは、既に購入したユーザーにとっては歯がゆい部分でしょう。
ただ、ハード面はもう完成しており、今後はソフト面の拡充に務める方針みたいなので、Rapid Trigger的機能の追加以外にもZENAIM KEYBOARDがどう進化するのか、最終形や他のZENAIMのプロダクトがどうなるのか、といったブランドの成長性に関しても楽しみですね。いろんな意味でワクワクする製品です。

改めてになりますが、個人的な要望としては「ANSI配列をなる早で出して欲しい!」です。予定は未定だそうですが、作られること自体はきっと早いうちに決まるんじゃないかなーと勝手に思っています。希望的観測ですね。
あとは、「純正の高耐久樹脂製キーキャップが欲しい」ですね。キーキャップ、純正じゃないとどうしても形状が変わるのがネックです。現時点のZENAIM KEYBOARDの手触りがかなりイイ感じなので、あと私は光るデバイスには興味が無い(市場は光るデバイスしか求めていないということは当然理解していますが、あえて言わせてもらいます)ので、ZENAIMの哲学で高耐久樹脂を製品化するとどうなるか触ってみたいと、これも勝手に期待しています。

以上、長いですがレポでした。
発売後4分で完売だそうで、遅きに失してしまいましたが、御参考いただければ幸いです。

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