ひだりみみのピアス

この歌を聴くと思い出す

そんなエピソードがある。

5年以上経った今も思い出すのは
16歳年上の昔の恋人のこと。

ショップ店員だった彼。
旅行中に寄った他県のお店で教えてもらい、
訪れた地元のお店で初めに対応してくれたのが彼だった。

出会った時も数か月後にグループで飲みに行った時も
付き合うだなんて欠片も思っていなかったのに。

飲み会の二次会で親しくなって
なんとなく気になって
後日二人でご飯を食べに行った。

その日からなし崩し的にわたしの家で同棲を始めた。

初めはささいな興味だった。
16歳も年上の人が、わたしに落とせるのか
そういう下品な興味。

彼の人生の貴重な時間を奪ったことを
申し訳なかったと思っている。

結局1年経つ頃にわたしから別れを告げた。

ストーカーのようになってしまった彼と
最後の最後までぐだぐだと揉めて別れた。
家族まで巻き込んでしまった。

それでも
嫌いにはなれなかった。

嫌いになれたらよかったのに。

優しかった彼をあんなに追い詰めたのはわたし。
ずっと悔やんでいた。
もう隣を歩くことはないけれど
どこかで元気に幸せに生きてほしいと思った。

ずっと、愛してる愛してたをリピートした

錫の腕時計なんてしていないし
肘に傷もなかったけど
彼のことのように思えて仕方なかった。

久しぶりにCDを発掘して
この曲を聞いたら
会いたくなってしまった。

別れ方があんなのだったから
こっちからは連絡を取らないし、
取れないけど
元気にしているだろうか。

どうして思い出って
こんなに美化されてしまうんだろう。

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