やっぱり生者の行進は面白い


こんにちは


今日は生者の行進が面白い件について書こうと思います。

ジャンプラは初回無料なのでリンク貼りやすいのであります。

といいつつ、この漫画は副題にリベンジとあるように、実は続編なのであります。

本編というか、シリーズ一作目はこちらから

なので、未読の方は単行本を買うか、頑張ってコイン貯めて読む、もしくは漫画スキーの部屋に駆け込むか、ネカフェに行って読んでください。


シリーズ一作目は原作者のみつちよ丸先生が一人でやっておられますが、絵はどっちかというと素人っぽい感じです。


でも漫画がめちゃくちゃ面白いので売れまくりました。


というわけで続編は最強の作画つけたろかってことで、つきました。


最強に面白い話✖️最強の作画=最強の方程式ですね。


この物語は生者の行進とありますが、基本的にはホラー漫画なので、怨霊がわんさか出てきます。


で、その怨霊を発生させるのはいつも生きている人間で、生きている人間が一番怖いというのが基本ベースになっております。(という所から生者がきているのかな?)


んで、シリーズ第二作である本作revengeの舞台は一作目から月日が経っており、一作目と同じ町で、人間の怨念が引き起こす猟奇的な殺人事件が起こる所から始まります。


その怨念が色々な形で連鎖し、交錯する事によって事件が発生し続けます。(という所から行進という要素が拾えますね)その事件の謎を解決するのが本作の主人公となります。


本作では、怨念の種類の中でも現代によく発生しそうな事象である「学校のいじめ」問題がクローズアップされています。



と言っても生徒だけを取り上げているわけではなく、色々な先生が登場して色々やばい事したりするので、「本作は学校が舞台でありテーマの漫画」とも言えそうです。



この漫画の偉いと思うところは、いじめに対する描写の容赦のなさと、いじめられた側が怨霊が絡む事によって、自分が置かれた状況から簡単に救われない所です。


人を呪わば穴二つといいますが、別にこの漫画では呪った人間が何か酷い目に合うことはありません。(もちろん、それでも毎日健気に頑張って生きてる子もいるし、この漫画にはそういった少女を応援する描写もあります。が、今回はその点は敢えてないものとして書いていきます。)


どういう事かというと、そもそもの話虐められた人間が、虐めて来た人間を呪わない訳がないという所を押さえておく必要があります。


人が呪う時のエネルギーというのは容赦がなく、とにかく膨大です。


虐められた側は理不尽を押し付けられる側で、逃げ場のない学校生活において、一方的に陵辱される時間が数年単位で繰り返され募っていく怨念は、普段大人しそうないじめられる川のキャラクターの人相をぐちゃぐちゃにしていきます。


漫画を読んでいけばわかりますが、毎回毎回人を呪う時の描写は恐ろしく気合が入っているのは、演出としての効果というよりは事実そのような顔になるからです。オーバーなリアクションで顔を顰めるのではなく、実際にそこまで人を変えてしまう行為なのです。


ですが、現実問題呪った所で実際に何かが解決する訳がなく、大抵の場合は自分一人では今の状況をどうすることも出来ず、自ら死を選ぶか、それとも反逆して相手に復讐するか、第三者の力を借りて問題を解決するかしかありません。


あるいは、第三者なんて存在はやっぱりゴミで、誰にも助けられる事なく絶望して悲惨になるか、やはり復讐するかということになります。


そんな状況下にある時の人間の内部に宿る感情こそが今回の「呪い」にとっての食べ物であり、活動するエネルギーそのものであるように僕には思えます。


その呪いが人間の虐めて来た人間を殺したいという感情を感知し、拾い集め実際に殺し続けるというのが今回の「生者」の「行進」と言えるでしょう。


あいつさえいなければ、という人から人は向けられる強い感情を供物とし、実際に葬る事を繰り返すたびに力を得ていく怨霊。

いやー怖いですね。

自分の力でどうにもならない事だからこそ、人は呪術的な感情に身を委ねるわけで、それが具現化し続けるってなったら魂消るわ。


んで、じゃあこの漫画っていじめられる側がいじめる側をこらしめる、要はスカッとジャパン的な漫画なのですか?という疑問が湧くかもしれませんが、そうではないです。


この漫画の肝になるのは、勧善懲悪で悪代官を成敗することではありません。

怨霊が人を殺すまでに至る過程と、その結果の後に残るなんとも言えない残尿感。そして人を殺すたびに覚醒しつつある怨霊の目的という謎です。


他にも色々と拾える要素がありますが、今回はこの点の中の、怨霊が人を殺すまでに至る過程について書こうと思います。


例えば、最新話のいじめに対する切り口が非常に面白いです。


今回のいじめは、まず学校で可愛すぎる子が可愛すぎるという理由でセクハラをガンガン受けまくる所からスタートします。

で、ひょんなことから知り合ったオタクくんが、その女の子の嫌がらせに業を煮やし、女の子の尊厳を守ります。


が、まもってしまった結果、今度はオタクくんがボコボコに虐められます。女の子は可愛いので、男子からはセクハラされ女子からは陰湿な嫌がらせを受けますが、オタク君は容姿がぽっちゃりしており、そしてオタクであることから、容赦なくボコボコにされます。

酷い話です。

でもオタクくんは自分がやっている事は正しいと思っているので、女の子が心配しても大丈夫だよと元気に振る舞います。

オタク君いいやつです。

その姿を見て女の子はオタクくんの事が好きになってしまいました。と同時に今度はそのオタクくんをボコボコにする奴らを呪い始めるのです。

というのが最新話の流れですが、この視点は面白いですよね。

自分がいじめられる事より、自分の事を守ってくれた存在を攻撃されることの方が女の子にとって「呪い」という強い感情を引き出すんだなって事がわかります。

女の子の心の持ち方が優しいんだなとも思いますし、その優しさってのは怒りに変わるとめちゃくちゃ怖いんだって思わされます。

普段温厚な人間が頭にきれ、きれ散らかすシーンっていうのは大概自分の事よりも自分にとって大事な存在を汚されることなのかもしれないですね。

とかなんとか、こんな感じで毎回いじめの描き方が容赦なく、それでいて登場実物達がなぜそう思って、呪いという感情を持つのか筋が通った話作りになっています。

めちゃくちゃ面白いですね。

という感じで、ざっくり紹介してみました。


シリーズ一作目も単行本としては短いのでさっくり読めるし、漫画として面白いです。そのまま流れで二作目と読んじゃいましょう。

















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