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バトンタッチ!サーブ900

先週サーブ900と突然のお別れをしました。東北から運転して東京へ。そこでサーブ900をご覧頂いた方にまるでそのままバトンタッチするように乗ってお帰り頂きました。

今度の方はとてもサーブ900がお気に入りになられたご様子で良い方にバトンタッチ出来ました。

新しいオーナーとサーブ900Sくんありがとうございました。


少し回想してみます。

サーブ900Sを手に入れた1年ほど前、サーブ900での気付きを記録することが、このnoteのひとつの柱でした。

サーブ900を探し始めたのは2019年の雪解けの頃でした。足として乗れて、価格は100万円以下、まだ乗ってない国で、今乗っておかないと難しいクルマで、で、買った値段より値落ちしなくて、冬場でも乗りやすい4WDかFFで、荷物がたくさん積めて、出来たらMTという条件でした。

これまで乗ったクルマは日本車、ドイツ車、フランス車、イタリア車、ロシア車で、乗ったこと無いクルマを生産している主な国は、アメリカ、イギリス、スペイン、スウェーデン、インド、中国、韓国でした。

冬に強そうなスウェーデンを筆頭にしてイギリス車を調べましたが、イギリス車はオープンに乗りたい。スウェーデンもボルボXC90のヤマハ製V8エンジン搭載車に乗りたくなりふと我に還るのです。
オープンカーは荷物載らないし、XC90は安くても180万円程しており予算オーバーでした。

落ち着け落ち着け、そのうち、駐車場事情を思い出します。全長5m 全幅1.85m 全高1.55m以内いわゆるタワーパーキングに乗るサイズです。

(1993年式クラシックサーブ900はミラーが畳めませんが、全幅1.69mで、16センチの余裕があり、実際タワーパーキングに載せてミラーを畳めなくてもタワーパーキングでエラーが出ることはありませんでした。)

ボルボはC70かなと思ったところでふと思い出します。昔、学生時代サーブ900カブリオレが流行っていて、大学卒業した後にたまたま同級生のKくんとサーブの話題で盛り上がったことを。

サーブ900に一度乗ってみたいな。

サーブ900とセットで頭に浮かんだのは六本木カローラと呼ばれたBMW3シリーズも頭に浮かびましたが、FRだしドイツ車だし高くなってるし。。。

クラシック900にフォーカスしセダンは結構出てきますが、狙うのはやはりリアがたんまりとスラントした2ドア版。正直言ってタマ数が無い。専門店のサイトにはあるのですが赤くてしかも予算オーバーでした。

この赤い車輌は後に映画ドライブマイカーに使われた車輌そのものでした。あぶない、映画の撮影を邪魔するところでした。。。

すぐに乗り出せる生きてそうな車両は皆無でした。そこで諦める手もありましたが、しばらくサーブ探しの旅です。実際には程度の良さそうな中古が出てくるのを毎日のように中古車サイトに網を張っていたので、旅というよりは釣りの気分ですかね。

海外から輸入するかと海外サイトも見だした2020年の3月、いつもチェックしていたこだわりの中古車屋さんに運命のサーブ900Sが入庫。たぶん掲載されたその日に連絡したのだと思います。

時を同じくして、武漢で新型コロナ感染がはじまり、日本はまだ対岸の火事だったが、初のクラスターとなってしまったダイヤモンドプリンセス号が横浜に入港している時に首都高からダイヤモンドプリンセス号を視認したのを覚えています。

コロナに感染して死ぬかもしれないならば、これが人生最後のクルマになるかもしれない。などと清水の舞台から飛び降りるもっともな理由を自分に課して購入しました。

3月の納車時、東京から東北まで自走します。高速を走っている時に気がついたのはエアコンフラップの故障。ヒーターなしの極寒か、激暑ヒーターかの二択しかない状態でした。

クーラーが欲しくなる2020年の6月に販売店の好意で、東北からのレッカー代も持っていただいて無償修理をしていただき、キンキンに冷えるようになったクーラーにニンマリ。そこからが本格的な所有期間なのでした。


さてさて、

モノにも意思があり、自分の意思とはまた違って自然と離れて行くのかもしれません。

私が眠っている間に小人さんが気を利かせて運んでくれた訳ではなくて、東北から東京までえっちらおっちら自分で運転して行った訳なんですが、

サーブ900が自分で行き先を選んだかのように新しいオーナーさんに身をすり寄せるようにバトンタッチしました。良い方に出会えて良かったです。きっと大事にしてもらえることでしょう。

手を離れて思うサーブ900の感覚。

それはパッセンジャーシートとの距離が近い旧さを感じる金属カプセル。Hyggeを感じる近さ。

最後のドライブとなった高速道の走りも抜群の直進性と柔らかく上質なサスペンションで、今のクルマより乗り心地良い程でした。

良い時間を与えてくれてありがとう。

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