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そういえばトヨタのWoven Cityは?

2020年1月静岡県裾野市のトヨタ工場跡地を活用したスマートシティ構想が大々的に宣伝された。コロナ禍のはじめの頃は、すごいなーと思って見ていた。ちょうど東京オリンピックに自動運転車を提供すると言われていたりもしていて、トヨタは日本を代表するだけでなくチャレンジする会社なのだと強く印象に残っていました。

と、ふとこちらのWebCGの記事を拝読。

編集者というのは中間的でありかつ、自分の書いた記事を読んでもらいたいという個人と会社の営利の視点が入るためにインパクトを求めてしまう。特に業界内にいるだけに書けない話もたくさん持っている中で空気を描いたりもするもの。株式会社カーグラフィックCAR GRAPHIC言えば、雑誌の他、CGTV、日本カーオブザイヤーの実行委員長、オートモービルカウンシルの運営と日本を代表する自動車ジャーナリストの集まりで、当然二玄社時代からずっと読者としてお世話になっています。

私は自動車産業と関係ない市井の一小市民。そんな縁もゆかりも状況も知らない関係ない第三者の自分がこうして意見を書けてしまい、世界中の人が読めてしまうというのはあらためて恐ろしい世の中になったものだと感じます。

力ない者ほどよく吠えるのだと我がフリを見て思ってしまいながらのテーマアップです。

トヨタのWoven Cityのサイト上では2024年夏に第一期の建物がオープン予定するとあります。

WebCGで「夢のしまい方」として、構想のメインの人物が外れた件と、当時の社長がWbyT社の全株式をトヨタに譲渡したことを持って夢の終いを強く印象付ける記事にされていました。

「しまいかた」とはあくまで豊田章男会長目線なのかとは思います。しかし、プロジェクトはまだ終わったわけではなく、ようやく仕込みが完了して、これからプロジェクトが始まるのではないのでしょうか?

少なからぬ投資をしている方々がたくさんいるだろうと考えると、そんな方が読まれたら、シリコンバレーがアジャイル型であり、企業はトップダウン型的特に自動車開発においては仕様決定によるトップダウンだという説明で片付けられると、ちょっとキツい記事ではあります。

もはやプロジェクト頓挫をイメージさせ、あまたのアイデアにチャレンジして企業に認めてもらうまさに「裾野」で頑張っている目に見えない活動家の動きは何も無いことにされてしまいはしまいか。と、いささか記事に対する衝動を抑えきれずに書いてみたもののきっと何か裏の事情も知っていてこの雰囲気の記事にされておられるのでしょうね。

いや、記事を書かれていること自体が良いことなのかもしれない。だって、天下のトヨタ、豊田章男会長に楯突く者など自動車業界で生きていけるわけないだろうし、むしろこの記事を書きながらいろんなリスクと戦っておられたようにも感じられます。

付け加えるならば、私が「なにくそー」と感じてしまうことを見越してあえて刺激的な書き方をされたのならば、見事に術中にハマったわけであります。

「今こそWoven Cityに目を向け、当初案とは違う形でも良いのでスマートシティを作り上げようと、個人の力で始めた夢を大トヨタがより現実的かつ実用性の高い現実に昇華させることにした変換期なのだと捉え直すタイミングなのだ」と、それをトヨタの発表前にすっぱ抜いたぐらいの記事にして欲しかったのだと思います。

トヨタの自動車づくりに関わる人たちは、あまりに厳しい積み上げの上に成り立っていて、トヨタはその頂点にあり、織田信長のような強さを見せつけているが、それこそが日本の強さであると同時に弱さでもあるのではなかろうか。

少なくともJust in Timeに代表されるトヨタの生産方式の効率の極め方は一朝一夕に手に入るものではないです。

一度、その厳しい中にいる人の言葉を聞いた時に「トヨタのお仕事は厳しさの連続である。始める前は楽だったが、トヨタの仕事を止める気はない」と、胸を張って断言しておられたことを思い出します。

エリートはたゆまぬ努力と勤勉さがあるからこそエリートとして他より高い給料を手に出来るのだと理解しました。

一方で、日本が抱える現実もまた厳しく、地方では県庁所在地ですら人口減少し衰退する中いかに頑張るか?を抜けた穴を残った人が埋めるだけでは消耗戦であっという間に疲れ果てでしまう。縮小していく中でも観光まちづくりに掛けて見事な成果に結びつけている都市もいくつもある。しかし、そのセオリーはたいてい昔ながらの町家の復活が多いです。

新潟県の村上市など素晴らしいねばり勝ちをしたり、山形県の朝日町のように美しい棚田と空気神社が人々を引きつけるこれ自体は素晴らしい。

そこここにある小京都を楽しむだけでなく、世界最先端がなんでこんな田舎に?と思う秋田県のにかほ市にあるTDKミュージアムのように、日本の得意技であるはずの自動車文化のまちづくりは素晴らしくないか?

トヨタ単体で消耗戦をするよりも、少なくとも日本籍の自動車会社全社が連携する多企業連携の日本のドリームシティとするために行政は裾野市でも静岡県でもなく市町村合併した会議体と政府が国のプロジェクトにし、参加したい個人も企業もそれぞれにアイデアを発現できるあり方。

個人で60億もの負債を負うのはいかに豊田章男さんでも躊躇するはず。むしろよくやったねこれからはみんなでやりましょうと肩を組んで盛り上げられるのは「今でしょう!」

なんて大風呂敷を拡げてみても、当事者たるWbyTさんがどう考えるのか?分かりませんね。

私に何が出来るでもないですかま、裾野市のWoven City予定地を見に行くくらいは出来るように思いました。

地図で見ると、工場跡地そのもので、ものすごい広大極まる敷地である訳でも無さそうだから、トヨタさんの力をもってすればどうとでも出来てしまいそうに見えました。

と、年末のやることリストという現実から逃げようと理由を探している自分に気付きました。行く前にやることやらねば。近いうちに行きますよ〜!

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