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たゆとう気持ちに身を委ねて


たゆとう(揺蕩う)
 
 気持ちが定まらずためらう
 ゆらゆら揺れ動いて定まらない

激務と戦った後の休日
とあるカフェにてひと息
今日は何もしないと決める

ただ自分を癒すことだけをする
感情を自由に泳がせる
気持ちを焦らせない
自分を甘やかせる

たゆとう気持ち

そのままにしておく
感情はゆらゆらと揺らぐ
徒然なるままに

すると

頭の宇宙に言葉は遊び出す

noteで拾った言の葉
雑誌の見出し
テレビから流れる
 インパクトのある言葉


新しい小さな惑星が
誕生するように
頭の中の宇宙に
追加される言葉たち

ぬるめの珈琲が美味しい
窓の外を眺める

名前も知らない鳥が
ちょこまかと訪問する

たゆとう気持ちに
身を委ねる

何かしなければの感情を
後回しにして
お気に入りの本を広げる

言葉が好きだ

自分自身に湧いてきた感情に
くすりと笑う

窓の外には
美しい世界が広がっている
ここから見えないところには
もっと美しい世界が広がっている

想像することは楽しい

目の前のデザートに手をつける
口の中に広がる甘さ

幸せだ

日常を愛することができない人は
自分の人生を愛せない人だと思う

昨日
人と交わした言葉を思い出す

自分を恵まれていると思う
回りには
才能に溢れた人がたくさんいる
優しい人楽しい人
人人人人人
人が繋がると
不思議な化学反応を起こす

温かい感情が動く

人は笑顔でいると
幸せになれる

亡くなった父の言葉を思い出す
父は私の記憶の中で
どんどん美化されている

窓の外に行き交う人々
手を繋ぐ人
母親らしき人を追いかける子ども
談笑する女子高生

愛が溢れている

世の中は
幸せなことばかりでは
ないことは知っている
その感情には
あえて
今は蓋をしよう

たゆとう感情が
暗い感情を押し込めている
意識して明るい部分に
スポットライトをあてるように

「お水のお代わりいかがですか」

少女の優しい声に引き戻される

人人人人人
繋がりは素敵
わずかな触れあいも
ときには
私に影響を与える繋がりになる
相手が
そのことに気づかないとしても

明日
激務に戻る
激務だけれど悪くはない

デザートの最後の一口を頬張る

人と関わり
人の成長する姿を
見ることができる自分の仕事が
好きだし、誇りをもっている

たゆとう気持ちに
身を委ねる

それは
私にとって
必要なひとときという発見

うん
悪くはない

「ご馳走さまでした。また来ますね。」

カフェをあとにする
明日に向かうために








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