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あなたも誰かのヒーローになれる


私にとってヒーローは
父でした

私のヒーローは
1年前
コロナ禍に
誰にも看取られることなく
ひっそり亡くなりました。


ヒーローというと
誰を思い描きますか?

ウルトラマン?
仮面ライダー?
ゴレンジャー?
ONE PIECE のルフィ?

スーパーマンやスパイダーマンも
捨てがたいですよね?

もしかしたら
セーラームーンや
プリキュアをあげる人も
いるかもしれません。

その他にもヒーローはいます。

その人にとって「私のヒーロー」
っていると思います。

ヒーローは
「普通」の人の能力を
超える力や技術をもつ
救世主です。

幼いころ
テレビの向こうの
ヒーローたちが活躍して
悪者を倒す姿に
心ときめかせ
声援を送った。

そんな経験を多くの大人は
もっています。

辛い現実に
立ち向かわなくてはならない。
そんなとき
颯爽と現れ
窮地を救ってくれる
そんなヒーローが
いたらよいですよね?

私は以前
ヒーローといえば
真っ先に
アンパンマンをあげていました

アンパンマンは
強い武器を持ちません

アンパンマンは
すぐに倒されてしまいます

アンパンマンは
顔が濡れると力が出ないという
致命的な弱点をもっています

おまけに
人々を救う方法は
自分の顔であるアンパンを
ちぎって食べさせるという
なんともカッコ悪い方法です。

アンパンマンは
ジャムおじさんに
すぐに助けを求めます

およそ
強いヒーローのかげもない
ヒーローなのです。

それでも

愛と勇気と優しさが
「普通」の人を超えている

その力で人々を救う

そんなヒーローてす。


私の父は

いわゆる
「できる人」
ではありませんでした

小さな企業に勤めていましたが
リストラされて
知り合いの小さな工場に
やっと
勤めさせてもらっていました。

車も持たず
娘たちをどこにも
連れて行ってくれませんでした。


はっきり物を言えず
思春期の娘に
反抗されていました。

娘へのプレゼントと言えば
チョコレート
なぜかそう思い込み
大人になっても
誕生日プレゼントは
チョコレートでした

いえ

どこにも連れて行ってくれないは
幼かった娘の感情で
家の近くの田畑や山への散策は
よく一緒にしたものです。

そして

近所の人に
愛されていました

困っている人がいると

得意な日曜大工の技術で
壊れている物を直したり
作ってあげていたりしました。
報酬はまったく受け取らず
代わりに
野菜をもらって帰ってきました。

言葉は少なくても
いつも笑顔でした。

怒ることはめったにありません。

私が中学生だったある日
お風呂に入っているのを
不審者が覗くという事件が
ありました。

悲鳴を聞きつけて
父は
必死で
その人物を追いかけました

足の遅い父は
たちまち引き離され
「ごめん」と言って
息をはあはぁときらしながら
帰ってきました。

まったく頼りになりません。

でも

何の躊躇いもなく
娘の風呂を覗いた敵を追いかけた
その姿は今でも目に焼き付いています。

節約した生活で
収入は少なくても
娘2人を大学にまで
いかせてくれました。

そして
何より

亡くなったあとも
こうして父を思い出す
私を
幸せなキモチ
にしてくれます。

今は
母と姉と私の3人が揃うと
きまって父の想い出話に
花が咲き
笑顔がこぼれるのです。

父は
カッコいいヒーローでは
ありませんでした。

でも

その優しさは
「普通」の人を超えていました。

笑顔でありさえすれば
幸せになれる

これは父の口癖でした。

お父さん
私は幸せです

父は
その感謝の気持ちで
亡くなったあとも
私を包んでくれる。

私のヒーローは父です

そして

私も誰かの
ヒーローになりたい

笑顔でいること
優しい言葉をかけること
困っている人に
手を差しのべること

窮地をすぐに救うことは
できなくても

私がしたことや
かけた言葉が
じわじわと

誰かの
人生を豊かにできたら

私の人生も
捨てたものじゃない。

そんな気がするのです。

そんなヒーローに
私はなりたいのです。













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