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ヤングケアラーの彼の夢は鯉のぼりとともに空に はためいた


こどもの日の5日
新聞各紙のコラム欄には
こどもに関する記事が多く踊った。

その中で
特に私の目を引いた文字

ヤングケアラー

年齢や成長の度合に見合わない重い責任や負担を負って、本来大人が担う家族や介護や世話する18歳未満の子ども。


国が初めて行った調査によると、

公立中学2年生の5.7%
全日制高校2年生の4.1%

20人前後に1人


これだけの子が
家族の世話をしていることが
発覚したという。


思い当たる子がいた

ある子の顔が思い浮かんだ


彼は家事都合という理由で
度々学校を休んだ。

学校への連絡はいつも本人からだった。
「お家の人に連絡してもらってね。」
そう言うと
彼は口ごもった。

彼には弟たちが5人いる。
彼にお父さんはいない。
お母さんは朝から晩まで働きづめだ。


ヤングケアラー

彼は学校が好きだ。
友だちといると楽しいと言う。

しかし

彼の欠席は重なった。

彼は一生懸命勉強した。

しかし

彼は
授業についていけなくなった

ある日
国語の授業で作文を書いた。

「私の夢」というテーマだった

ぼくは早く働きたいです。
お母さんはぼくたちを一生懸命育ててくれます。
お母さんは朝早くから仕事に行きます。そして、夜遅く帰ってきます。
ゆっくり寝させてあげたいです。この間お母さんは腰を痛めました。
でも仕事に行きました。とてもつらそうでした。ぼくはお母さんを楽にしてあげたいです。ぼくは弟や妹たちを幸せにしたいです。ご飯もたくさん食べさせてあげたいです。
ぼくの夢は早く働くことです。


(児童憲章一部抜粋)
児童は人として尊ばれる
児童は社会の一員として尊ばれる
児童はよい環境の中で育てられる


権利とはなんだろう。
尊ばれるとはどうすることだろう。
よい環境は彼を幸せにするのか。
誰が彼にそれを与えられるのか。


私はただ
抱きしめてあげたい。

頑張ってるね。
そう声をかけたい。

生まれてきた環境は変えられない。

しかし

相談を受けることはできる。
話を聴くことはできる。

ヤングケアラー

そう呼ばれる子がいる。
それは
20人に1人という高い割合だ。

そういう子たちは
自分の境遇を
誰にも言えずにいるという。

話を聴くよ
1人で背負わなくても
いいんだよ。

ヤングケアラーの話に耳を傾けたい。

早く働きたい
家族を幸せにしたい

彼の夢は
こどもの日に

鯉のぼりとともに
空に
はためいた







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