見出し画像

緊張をほぐさない

柔道教室や講演を行うと、「緊張をほぐすためにはどうすればよいか」という質問をされることが多々ある。私の試合中の表情が分かりにくく緊張してないように見えるのかもしれないが実際のところは、かなり緊張している。幼い頃は緊張しないためにはどうすればよいかと、考えたり聞いたりしたこともあった。今は、緊張することは当たり前だと思い試合に臨んでいる。

そもそも緊張とはなんなのか。なぜ人は緊張するのか。私はその物事に真剣に向き合っているからだと思う。真面目に勉強をしていない生徒がテストで緊張するだろうか。練習をサボっている選手が試合で緊張するだろうか。するはずがない。その物事に真剣に向き合っていて、自分の中のなりたい自分や理想像があるからこそ、「失敗したら、うまくいかなかったらどうしよう」と思い緊張するのだ。私は柔道の試合で緊張しなくなったら、自分が引退する時だと思っている。要するに緊張とはその物事に真剣に向き合えている証拠なのである。それを心の中から完全に取り払うのはかなり難しい。

ならばどうすればよいのか。緊張との付き合い方を考えることが大事だと思う。中には緊張しすぎて、体をうまく動かしたり、頭を回転させることができないという人もいると思うし、実際に私もそうだった。緊張を取り払うのではなく緊張の中でどうしたら自分自身がいいパフォーマンスを発揮できるのか。緊張の中に自分なりのリラックスを探すことが必要だと思う。例えば今の私の場合は、親しい友人と会話をしたり、好きな音楽を聴いたり、好きな動画を観ることがそれにあたる。緊張してる中で普段通りの会話をしたりすることで、緊張の中にもリラックスを生むことができるようになった。しかし、リラックスする方法は人それぞれで同じことをすればいいというわけではない。沢山の緊張する場面を経験しながら、その緊張の中に自分なりのリラックスを探していくことが必要である。緊張の中にリラックスをする方法を探しながら、経験や結果を重ねることで自信もついてくる。

緊張から逃れようとしたり、見ないようにしても緊張が無くなることはない。自分自身がその物事に真剣に向き合っているから緊張するのだと受け入れ、緊張の中のリラックスを探しながら、これからも様々なことにチャレンジしていきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?