メディウム・スペシフィシティの呪いを解く by J
「何か」という特定は、それ自体が「呪い」ともなり得る。何かを定義する行為は、世界に切れ目を入れ、全体の中の一部を隔て、理解したと錯覚させる。しかし、これは真実の本質ではなく、見る者の恣意的な区切りに過ぎない。モダニズムと結びついたメディウム・スペシフィシティによるアートのカテゴリ分けは、今日においてもアーティストを美術教育の既成概念に縛りつける「封印」として作用している。では現代の「日本画」が意味するものは何か。ロザリンド・E・クラウスが説くポストメディウムの観点からすれば、