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わたしたちが目指すのは、クライアントの最適解(Answer)を提案し、ビジネスを加速(Accelerate)させる、そんなパートナーになれる法律事務所です。 企業ごとの課題に伴走し、利益の最大化を実現していきます。

最近の記事

記事等のクリッピングにご注意を!     ~著作権法の基礎~

1 はじめに令和5年6月8日、知的財産高等裁判所において、いわゆるクリッピングした記事を社内イントラネット上にアップロードした行為を著作権侵害とする判決(令5(ネ)10008号、令4(ネ)10106号)がありました。 クリッピングとは、一般に、新聞や雑誌等の記事のうち、参考になるものを切り抜いて保存することをいいます。 今回関連する裁判例が出たことを機に、業務に関連する記事等を日々チェックして保存されているご担当者の方を始め、SNS等で動画や書籍等の内容を投稿している方にも、

    • 従業員からの相談ー公益通報者保護法上の従事者指定は必要?

      2022年6月、改正公益通報者保護法(以下「本法」といいます)が施行されましたが、本法による従事者指定の手続きが必要な相談にあたるのかどうかなど、実際の運用としては悩ましい点があることと思います。 というのは、本法に基づいて対応するとなると、まず第一段階として、従事者を定め、当該従事者に対して従事者として指定されたことを記載した書面を交付するなどをしなければなりません(本法11条1項、公益通報者保護法に基づく指針(令和3年内閣府告示第118号)(以下「指針」といいます)第3)

      • 秘密計算の個人情報保護法上の扱い

        企業活動の様々な分野でのデジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、各企業の持つデータの利活用の需要は増すばかりです。 一方で、プライバシー情報を利活用する側においては、プライバシー侵害の懸念等から、収集・蓄積したデータをどのように保護し、活用していくかが課題となっています。また、世界を見ると、GDPRをはじめとするプライバシー保護規制の厳格化の動きがますます進んでいます。 こうした課題やプライバシー保護規制厳格化に対して、技術的に解決することを目指す技術の1つが、秘密

        • 令和5年6月1日施行の改正消費者契約法!その概要をご説明します!

          消費者契約及び消費者の財産的被害の集団的な回復のための民事の裁判手続の特例に関する法律の一部を改正する法律が、令和4年5月25日に成立し、同年6月1日に公布されました。この法律に基づく改正を以下「令和4年改正」と言います。 令和4年改正の消費者契約法の改正部分については、令和5年6月1日から施行されます。 消費者契約法は消費者と事業者との間の契約(消費者契約)に適用される法律であり、BtoCのビジネスを行う企業は改正の影響を受けることになるため、自社で勧誘行為や利用規約の見

        記事等のクリッピングにご注意を!     ~著作権法の基礎~

          2022年6月から義務化!公益通報体制の整備とは?

          公益通報者保護法が改正され、2022年6月1日に施行されました。 これにより、対象事業者は、公益通報対応体制を整備する義務を負うこととなりました。 自社がこの義務の対象なのか、どのような体制を作ればよいのか、不安に思う担当者もいらっしゃることと思います。 そこで、ここでは、対象事業者についてや整備すべき内容について、整理していきます。 1 対象は、301人以上の労働者を有する事業者改正法が体制整備の義務対象事業者として規定するのは、常時301人以上の労働者を有する事業者です

          2022年6月から義務化!公益通報体制の整備とは?

          米国版GDPR「ADPPA」の特徴と重要概念の解説

          現在の米国の個人情報保護は、州法レベル・健康情報などの特定分野での連邦レベルの法律により保護されていますが、米国版GDPRと呼ばれる包括的な個人情報保護を内容とする「ADPPA」(American Data Privacy and Protection Act)の法制化が議論されています。11月の中間選挙などの政治イベントとの関係からも、成立がいつになるかは見通せない状況ではありますが、成立した場合、日本企業にも影響が大きいと言えます。 なお、現行の米国個人情報保護法制につい

          米国版GDPR「ADPPA」の特徴と重要概念の解説

          ライセンスなしの電力小売ビジネス参入!どんなビジネスモデルがある?

          2016年4月1日以降、電力小売ビジネスが全面自由化され、様々な企業が参入できることになりました。 一般の需要に応じ電気を供給することを小売供給と言い(電気事業法第2条第1項第1号、以下電気事業法を単に法といいます。)、小売供給を行う事業を小売電気事業と言います(法第2条第1項第2号)。 小売電気事業を行う場合、登録が必要とされています(法第2条の2)が、全ての事業者が登録の要件を満たせるわけではありません。そこで、この記事では、電気事業法上許容される、この登録をせずに電

          ライセンスなしの電力小売ビジネス参入!どんなビジネスモデルがある?

          2022年4月から義務化!ハラスメント防止のための措置とは?

          2022年4月1日、いわゆるパワハラ防止法の改正法が施行されたことにより、全事業主に、いわゆるセクハラ、パワハラ、妊娠等ハラスメントといった各ハラスメントを防止するための措置をとることが義務付けられました。 とはいえ、「措置」とはどのようなことをすればよいのでしょうか。 ここでは、各ハラスメントを防止するための措置について、整理します。 いまだ十分な対応が追いついていない企業もあると思いますが、この記事を読めばポイントをつかむことができます! 1 パワハラについて2022年

          2022年4月から義務化!ハラスメント防止のための措置とは?

          混同しがちな「個人情報」関係の概念をご説明します!

          2022年4月1日、改正個人情報保護法が施行を迎えました。 この改正法では、「仮名加工情報」などの新たな概念も加わりました。 あなたは、個人情報保護法における「個人情報」を正しく理解できていますか。 他の概念の内容も複雑で、混乱しやすいところです。 不正アクセスなどにより情報の漏洩が多発する昨今、企業にとって情報管理は非常に重要なマターですね。 マーケティングなどの観点からも情報収集及びその管理は重要です。 しかし、正確な定義を理解していなければ適切な情報管理をすることはでき

          混同しがちな「個人情報」関係の概念をご説明します!

          令和2年改正個人情報保護法ガイドラインに対するパブリックコメント(外国にある第三者への提供編)の紹介

          令和2年改正個人情報保護法(以下「法」)のガイドライン案のうち、通則編、外国にある第三者への提供編、第三者提供時の確認・記録義務編及び匿名加工情報編については、令和3年5月19日から6月18日に意見募集が行われ、8月2日に結果が公表されました。今回のパブリックコメントには、個人および企業を合わせ、130人から885件の意見が提出されたとのことです。 この記事では、これらのうち、外国にある第三者への提供編についてのパブリックコメントから、実務上参考になると思われるポイントを紹

          令和2年改正個人情報保護法ガイドラインに対するパブリックコメント(外国にある第三者への提供編)の紹介

          タイの中小企業に対する下請代金の支払期限に関する新規制

          タイで、2021年12月16日より、中小企業に対する商品・サービス代金の支払い期限に関する新たな規制が施行されます。 タイ国内の中小企業と取引関係にある日系企業にも影響のある新規制となりますが、施行が迫ってきておりますので、本稿ではその概要につき、ご紹介させていただきます。 ■新規制の制定・施行タイの取引競争委員会(Trade Competition Commission of Thailand)は、取引競争法(Trade Competition Act B.E.2560

          タイの中小企業に対する下請代金の支払期限に関する新規制

          日本の個人情報保護法における外国にある第三者への個人データの提供方法

          今回の記事では、個人情報保護法の外国にある第三者に個人データを提供する際の規制を解説します。 規制の概要2003年の個人情報保護法(以下、「法」)制定時には、外国にある第三者への個人データの提供方法には、日本国内にある第三者への提供の場合(法23条)と異なる規律はありませんでした。 その後、2015年に行われた改正(以下、「2015年改正」)により、外国にある第三者への個人データの提供の要件が厳格化されました(法24条)。 外国にある第三者に個人データを提供する場合には

          日本の個人情報保護法における外国にある第三者への個人データの提供方法

          タイの個人情報保護法の完全施行がさらに1年延長

          タイの個人情報保護法(The Personal Data Protection Act B.E. 2562 (2019))は、2019年5月に施行されたものの、多くの事業セクターとの関係でその主要な章の規定の施行が延期されております。 延期後の完全施行日である2021年6月1日が迫っておりましたが、 更に1年完全施行が延期されることとなりました。 これにより、完全施行は2022年6月1日となります。

          タイの個人情報保護法の完全施行がさらに1年延長

          タイの個人情報保護法 第3回 同意の取得と方法

          3回目の今回は、タイの個人情報保護法上の規制のうち、 個人情報を収集等する際の同意の取得とその方法について みていきます。 本人の同意取得が要求される場面は?まず、どのような場合に、データ主体である本人の同意を取得する必要があるのでしょうか? 以下のいずれかを行う場合には、本人から同意を取得する必要があります。 _________________________________  ① 個人情報の収集  ② 個人情報の使用  ③ 個人情報の開示 _______

          タイの個人情報保護法 第3回 同意の取得と方法

          タイの個人情報保護法 第2回 規制の対象者と域外適用

          タイの個人情報保護法が適用される対象者は?全てのタイに関連する企業や人がタイの個人情報保護法に従った対応をしなければならないのでしょうか? 答えは、「いいえ」です。 まず、タイの個人情報保護法が適用される対象者は以下の2通りとされています。 _________________________________  ① 情報管理者(Data Controller)  ② 情報取扱者(Data Processor) ____________________________

          タイの個人情報保護法 第2回 規制の対象者と域外適用

          タイの個人情報保護法 第1回 個人情報の定義

          タイの個人情報保護法の施行延期タイの個人情報保護法(The Personal Data Protection Act B.E. 2562 (2019))は、2019年5月に施行されたものの、多くの事業セクターとの関係でその主要な章の規定の施行が延期されております。 延期後の完全施行日(2021年6月1日)が迫ってきていますので、タイの個人情報保護法についてご紹介をしていきたいと思います。 → 完全施行は2022年6月1日に再延期となりました。 タイの個人情報保護法におけ

          タイの個人情報保護法 第1回 個人情報の定義