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Phoenix Contactのバーチャル展示会に参加してみた話

こんにちは。Aalto International JapanのMariです。

2020年に予定されていた海外展示会。
コロナウィルスの影響で、続々と中止、延期などとアナウンスされ、なかには、オンラインでの開催へと変更になっているイベントも多くあります。

その影響でAaltoにも「国際展示会が急遽中止になって、何をすればいい?」という相談が雪崩のようにやってきています。

私も、オンラインで実施しているイベントによく出没していますので、Noteで海外企業の取り組み例を紹介していきたいと思います。

今日はこちら。

Phoenix Contactの『Dialog Days』

ドイツの産業機器関連の展示会、Hannover Messeがキャンセルになったことによって、ドイツ・産業機器大手Phoenix Contactが、独自でバーチャルでのカンファレンス及び展示会『Dialog Days』を4月末に実施しました。業界ではいち早くデジタルで実施された展示会の試みとして、話題となっています。

Phoenix Contactによると「準備期間はたったの6週間しかなかった」とコメントしており、コロナウィルスによるキャンセルが発表されてから素早い判断と準備で進められたとみられます。

早速、イベントの実施結果はというと、
4月27~5月8日、英語で開催されたイベントには、6,100人がバーチャル展示ブースに来場、3,650名がカンファレンスに出席、

4月20日〜30日、ドイツ語で開催されたイベントには、2,100人が参加し、1,000人近くの参加者がチャット機能を使用したと発表されています。
(Source: Phoenix Contact

Phoenix ContactのCEOである Frank Stührenberg氏は、 
「顧客からの反応は、予想を超えるものだった。新しいイベントフォーマットに対する多くのフィードバックを獲得した。グローバルプレイヤーであるBoschもDialog Daysをベンチマークしており、イノベーティブなフォーマットを創り出したといえる」とコメントしています。

コロナウィルスによって、大規模イベントに対する次の手が模索される中、Phoenix Contactの『Dialog Days』はどのようなビジョンを示したのでしょうか。

実際に、私も登録・参加することができたので、どのようなものだったか共有してみたいと思います。

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イベントへの誘導、参加登録

まず、Phoenix ContactのDialog Daysイベント専用サイトへ登録。登録には個人情報を入力しますが、イベントへの参加は無料です。イベントの告知には、顧客向けのニュースレターなどに加え、Facebook広告や、各種業界メディア記事からの誘導もありました。

登録して実施日にサイトにログインすると、本社のエントランスで迎えられます。

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イベントの中身はというと、カンファレンス、展示会が用意されています。アジェンダはこのようになっていました。

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私は、全日程参加することはできないため、一部のカンファレンスに参加し、バーチャル展示会を少しのぞいてみました。

カンファレンスは、その日に組まれた内容が視聴でき、録画も残っていました。興味のあるテーマを選んで見ることができます。リアルタイムで実施のものは、チャットで質問を受付けていました。

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カンファレンスの録画動画は、イベント後にYouTubeに公開されていますので、実際に見てみると雰囲気が掴めると思います。


バーチャル展示会(英語でのガイド)にも参加してみました。
※ブース説明者のデスクトップが映っています。悪しからず。

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展示製品をクリックすると詳細がポップアップ。

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基本的には、自分で気になるテーマをクリックして見にいく仕組みです。
全部クリックして見ないと何があるかわからないため、リアル展示ブースの一覧性よりは時間がかかる気がしましたが、内容は確認できました。

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私は問合せませんでしたが、右下に問合せられるメッセージボタンもありました。

日本企業への応用としては


リアル感をどうやって補足するか

画面の前でずっと座って見ている参加者のひとりからすると、リアル展示会のように、説明者に自分のために時間をとってもらって質問したり、展示物を間近でくまなく見たり、参加者が自分で動きのある写真や動画を撮ることはないので、このあたりは、リアルとの差が出てきます。

用意された資料や動画説明がどこまでリアルに感じられるのか、自分のほしい情報とマッチしているかについては、全員には合わせきれないため、個別に聞くしかないというところです。

逆に、企業側からすれば、個別のニーズが集まってきやすく、後々管理対応しやすいのかもしれません。

双方向のコミュニケーションの良さ
リアルでは、カンファレンスで責任者のスピーカーに対して、チャットで直接質問することができるので、責任者との距離が近く感じられるのは良い印象でした。技術の責任者には、聞いてみたいことがたくさんあったりします。

チャットには多数の質問が挙がっていたようで、自分の質問も、そのひとつに紛れてしまいそうですが、取り上げて回答してもらえると嬉しいと感じます。誰かが自分と同じ質問をして「そう、それが聞きたかったんだ!」と思う、誰か知りませんが、隣の席の人がいる感もありました。

企業側では、チャットでの顧客からの質問に対して、的確にクリアに回答していくライブ性も要求される。一方的ではなく、参加者と一緒にその場に座って対話しているスムーズな進行が重要です。

いつでもアクセスできる
時差がある人、忙しい人にとっては、全日展示会のために予定を開けておくことにはある種の重みがあると思います。今回の企画は、録画動画も観られたので、Zoom会議の合間に、カンファレンスに参加したり、録画を後で観ることもできるのはありがたい。リアルタイムでの質問はできないが、それで事足りることもあると思います。

バーチャル展示会は、ブースを自分でクリックして詳細を見ることができるのと、24時間複数言語で開設されていたので、時差があってもアクセスできるのはよかったと思います。逆に言えば、いつでもいけるので後回しにしがち。忘れられないように、Emailで登録者に、日々のプログラムやハイライトをリマインドするのがいいですね。

企業側の視点では、ユーザー別にどの展示内容やカンファレンスにアクセスがあったか、離席のタイミング、質問内容や問い合わせなどをユーザーデータと結びつけられるのであれば、今後活かせるデータ資産になるのではとも思います。

企業側としても、カンファレンスの録画動画は、YouTubeにもアップされていたので、コンテンツを再利用展開できるという意味でも良さそうです。

個人的な要望としては、全部観るのは大変なので、企業にはぜひ記事でポイントをまとめてほしいところです。

自社でどこまで集客できるか
Phoenix Contactの場合は、Hannover Messeでも大きなブースを出して存在感を誇っており、アプリケーションも複数に渡り、業界で認知もあります。自社開催で、集客数が一定出せたのは、この規模感の企業ならではかもしれません。

また、この時は新しい取り組みであっても、今後多数の企業がウェビナーやイベントを実施し始めると、参加疲れや、イベントを選ぶ目、観る目も厳しくなってきます。その中でどこまで、観てもらい、反応をもらえるかも課題となってくると思います。


ライブチャットに答えるCEOとCTOの様子(提供: Phoenix Contact)

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イベントに参加した所感

コロナウィルス下で先が見えない中、顧客との接点を重視した『Dialog』という形式、新しい取り組みへの挑戦自体は、注目と好感を集めるものでした。各社が動向を探り続けるだけの中で、その企業姿勢自体が、国際的にメディアにも掲載されていました。

まずは先の見えない中で、勇敢に新しい取り組みに挑戦したPhoenix Contactを称賛したいところ👏(回し者ではありませんが)

これから、様々なコミュニケーションの方法や考え方に「そもそもなぜやっているんだっけ?それって必要?他に方法はないの?」という問いを持ち始め、オープンマインドに方法を探る企業も多くなると思います。

何が大事なのかを問い直す人が増えれば、業界のスタンダードも少し変わってくる可能性があるとみています。


個人的には、海外展示会やプレスカンファレンスがオンラインで実施されると、参加のハードルが下がり、技術トップの話が聞けてさらに質問もできるようになるのであれば、一次情報の収集が効率的になって嬉しい限りです。

今後のイベントの実施としては、大きな数を志向するよりも、ある程度の数でもいいので、つながりの質を重視した方が良いと考えています。

少ない人数でも、企業の技術責任者の持つビジョンや、技術の可能性を伝え、きちんと関心を持った人々と対話を通して信頼感の最初のステップを創り、パートナーシップや顧客という形で、企業と関係性を深め、協働していくつながりの構築が重要だと信じています。

私は、よくボンファイヤ砲を繰り出してしまいがちですが、まさに、花火型(fireworks)ではなく、焚き火型(bonfire)で、他の企業や人が企業の周りに集まって来て「こんなことが一緒にできるだろうか?」と対話ができる関係性が最も強いのではと思っています。

それは、企業の一方的な製品売りつけからの脱却でもあり、ソリューションを一緒に創っていくという場づくりと姿勢を持つことを意味します。


強いつながりを国を超えて創ってゆく方法を、私たちも探っていきたいところです。

それでは、また!

Mari @Aalto 

Phoenix Contact Dialog Days概要

日程:2020年4月27日〜29日(展示スペースへの訪問は5月8日まで)
テーマ:Creative solutions for a smart world
開催:オンライン
トピックス:e-mobility – digitalization of building automation – industrial communication – process optimization in control cabinet manufacturing – safety of machinery – cybersecurity – solutions for innovative power supply – innovations for device manufacturers など.
Webサイト:https://www.phoenixcontact.com/en-us/hannover-messe


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AaltoIn noteでは、Aaltoが普段扱っている技術×PR×グローバルでの、一部の人しか気にならないマニアックなトピックを、ラジオのようにゆるりと話しています。だいたい熱が入ると、長くなりがちなので、さらっと読み流してもらえればぐらいに思っています。

Founder Mariのnoteはこちら






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技術企業のための国際プレゼンス構築家チーム。IoT、AI、エネルギー、ロボット、E-モビリティ、スマート農業、ヘルスケアなどの分野で、未来を創る企業・技術の伝達に携わっています。京都とドイツを拠点に、31カ国でプロジェクトを実施。https://www.aaltoin.com/