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2022/06/15 国内バイリンガル

 起きてすぐ、窓の外を見る。テラスはしっとりと濡れ、その先の花を見るために抜かずに残していたどくだみの葉も照り照りと濡れている。梅雨だ。もう最後のどくだみの花は信じられないほど白を輝かせて咲いている。

 やっぱり眠い、と思いながら起床。スピードが出ない。鈍化の魔法が掛けられているかのよう。起きて弁当作りに取り掛かるまでいつもより5分ロス。

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 弁当。あるものをどんどん詰めたら盛りだくさんに。卵焼きは青海苔入り。課題はご飯の詰め方。はじめにご飯を弁当箱に盛って冷ます時に、出来上がった時にご飯の部分が見える所はきれいに詰めるとなかなか冷めないのでざっと盛る。で、その後おかずを詰める時にきれいにならすのをぶっ飛ばしてそのままやるからこの酷さ。精進するのみ。

  友人からお仕事の進捗を確かめる電話。
「出来てるんだけどねー」
 と言ったつもりで、私の口から出たのは、
「デキヨルトバッテンネー(出来よるとばってんねー)」
 熊本弁だ。友人に「それものすごく久しぶりに聞いた。なつかしい」と言われる。
 子供時代に過ごした所は地元の言葉を話さないと容赦なく仲間外れになる環境だった。それで外では熊本弁、家の人々は熊本弁を解さないので家では標準語、と国内バイリンガル生活をしていたおかげで、行く先や相手ごとに言葉を切り替えられた。それは私の密かな自慢でもあった。

 その私がここのところ、長い付き合いの友人相手だと普通に出る。こないだは楽器屋で、オール熊本弁で喋っていた。スタイリッシュ熊本弁ではあった。熊本弁にはいくつものモードが有る。これは単語や動詞は標準語に近いものの、言い回しのみが熊本弁。八代弁(熊本弁の一つ。一番汚い熊本弁とか言われ放題の我が地元の言葉。勢いが強く、古語のような古い単語やこの地域だけの言い方がよく残っている)じゃないのでよかったものの、ひっかかる。ずっと、こういう場では標準語で喋らないと舐められると気をつけてきたのに、最近の私はお構いなしだ。今私は何に開放されているのだろう、と思う。

 カヌーを教える際、標準語で教えるより熊本弁の方が親しみがあって生徒さんへの伝わりが良い、と言っていたのは去年亡くなった熊本出身のエッセイストでカヌーイストの野田知佑さんだったか。これはこれでいいのかも、と思う。そういうことにしておきたい。

 午後から晴れるとのことで、鬼のように洗濯する。タオル類が危機だった。通常分が洗えない上、雨の日は通勤通学にタオルを持っていくからその分も加わって大量。今日干せないなら乾燥機行き。超絶出不精につき、家から出たくないので必死で洗って干す。こんな漢字でも乾燥機月の物に買い替えるとか、そんな選択はない。あれ、傷むし縮む。服が長持ちしないので嫌なのだ。

 晩飯、SUNNYのプライベートブランドのカレーとマカロニのサラダ。洗濯で疲れ切ってしまい、買い置きに頼る。SUNNYのカレーすごく良い。特に安くはないけど、名のあるカレーよりは安いし種類が多くて楽しい。欧風カレーっぽいのとトマトのカレーとバターチキンカレーを適当に選んで食べる。人のも味見し合う。自分が選んだものが一番美味しい。


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