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2022/12/15 嫌なことがあると川に行った

 さ・む・い。ついに来た外気温-1℃。日課の体重測定もまあしっかり寒くて、私いつかヒートショックで死ぬんじゃ、と思う。寒い朝に薄着で体重計の前で倒れてるの、見つかりたくないもの。

 弁当。子の分1個。

なんか配色暗め。

 竹輪ソース炒め、だし巻き卵、など。朝食はミネストローネとトースト、焼きソーセージ、りんご(ぐんま名月)。私はミネストローネに思い切りシュレッドチーズを入れる。美味。

 子は前日一着しか無い制服の冬ズボンを破ったので夏ズボン。下にランニングタイツを履いて行った。ランタイは良い。股引以外の防寒下着になる。

 子を送り出して毎朝日課の、SNSへドローイングをリリースして一息。続いて人の書いた短歌時評に目を通す。いろいろ。誰かが言ったいいことに乗ってやろうという邪な気持ちはしっかり、ちゃんと、いっぱいある。でも、それ言う必要あるかね、などと思いつつ読み進める。誰のための何を書いてるんだろうね、などとも思いながら。

 数日前に県内であったという職場のパワハラの話。事件もさることながら、やった人が発したという「くらするぞ」という言葉がとても気になる。違和感。意味としては「拳を食らわせるぞ=殴るぞ」と言う意味。たしかに、文字にしたらそうなんだけど、そう言わないのよね。「くらすっぞ」とか「くらあすっぞ」と言う。方言らしく独特の発音がくっついてくる。
 熊本市内の町中で育ったシティーボーイなのであてにならんと思いつつ、起きてきたオットに言うと、オットも同意。そしてしばらく正しい発音を模索していた。
 あまり意識せずに言えば普通に言えるのに、意識するととたんにわからなくなる。方言は難しいな。独特の発音があって、例えば「寝るよ」も普段の使い方を字で書けば「寝るけん」だけど、私たちは「ぬっけん」と発音する。「ね」と「ぬ」の間の曖昧な発音が正しいけれど、私の世代はもう正しい発音は出来ない。近所のおばちゃんとかにまだこの手の発音を色濃く持っている人はいる。でも私は出来ず、クリアに「ぬっけん」と言う。こうして方言はどんどん原型を失っていくのだと思う。
 田舎育ちの私は知っていて、オットの両親も知っていて使う、オットの姉も知っている言葉なのに、オットは知らない・使ったこともない・何なら俺の周りでは言わないなどと言うものもあることが興味深い。同じ家に住む家族でもこんな感じ。うちでも言葉も発音もライトなニュータイプ熊本弁を使いこなして「The熊本のDK」そのものになっている息子1に対して、息子2は友達に転校生が多いせいか熊本弁がほとんど使えない。この2人は超ディープな、県庁所在地暮らしの熊本の人より30年は昔の言葉を話す私の子として育っていながらこれ。
 私自身も家族は全く熊本弁を解さない・喋れないのに、よく接していたお手伝いさんたちや信者さんのおばあさんたちが古い言葉を話す上に学校では普通に熊本弁で会話していたから、こんなものなのかもしれない。家族より社会というか外で取り巻くものが言葉を作るのかもしれない。

 昼過ぎ、オットと制服屋さんへ。前日自転車で転んで破った息子1の制服ズボンの修理のため。制服屋さんで尋ねられたのでこれこれこうで、と説明すると「ああー」と即時に理解を得られた。自転車の転倒で破るはよくあることとのこと。しかしカケツギなんて高度な補修をしてもまた破りそう。そして修学旅行もあるのでもう一本買う。冬ズボン、1枚きりだったのよね…ケチったわけじゃないけどやっぱりズボンはシーズンごと2枚はないとダメだと悟った。

 昼食に気になっていた蕎麦屋さんへ。見出し画像の天丼そばセット。うむ、好みってある。関西風らしい。いちおう関西で学生時代をそれぞれ過ごしたオットと私だけどなんか違う、という感想。薄いことを関西風と言ったら違うよねえ。ともあれ、これはこれで美味しく完食。

 夜、火野正平さんの『にっぽん縦断こころ旅』を見る。今日の放送分は私の地元。冒頭に千丁町が映った。千丁はもともと別の自治体で、ここが八代市と出ると不思議な気分になる。元の千丁の人は私よりもっとそう思っているのではないだろうか、と思う。

 正平さんは市内の、私のテリトリーを通って市内を貫く川の河口まで漕いでいった。ひたすらなつかしい。自転車という移動手段を得たぺったんこの平野の町の子だった私は、今日正平さんが通った道も何度と無く通っている。一人で自転車でどこにでも行った。濃いのに空っぽで、空虚な私の子供時代に色を付けたり、味をつけてくれた風景を、画面越しに見るのは不思議な感じがする。
 嫌なことがあると川に行った。そしてその内飽きて家に帰る。ずっと柄にもない馬鹿馬鹿しいことしてたな、と思っていたけれど、そこで私は色々な感情を放流していたのかもしれないな、と思った。

 晩飯、ケンミンの焼きビーフン、豚とキャベツをマキシマムで炒めたもの。ケンミンの焼きビーフン、素晴らしい。ビーフンはおいしいけれど支度がやや面倒なのがいかん。そこのところを完全に、味付け問題までクリアしているからすごい。マキシマム炒めはもう死にそう。これがおいしい、と断言する人がいたので買ってみたものの、私たちは持て余した。消費期限が迫って必死。

 寝る前すでに外気温が1℃に。昨日に引き続きの冷え込み。オットが盛んに寒いを連発する。この人は俺は寒さに強いと豪語していたけれど、近年私より寒がっている。本人は気づいていない。言うと落ち込みそうなので、言わない。

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