小説aako

2023年5月 書籍『run~病とわたしの全力邁進物語~』を発売📗 自身の大学4年間の…

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2023年5月 書籍『run~病とわたしの全力邁進物語~』を発売📗 自身の大学4年間の闘病経験を基にした自伝風小説です📗 noteでは短編小説を載せていきます🌹 よろしくお願いいたします*。

最近の記事

九十枚のプラネタリウム(後編)

「柚子ーっ」 お母さんが出て行った数秒後。大きな雄たけび声とともに、部屋のドアが勢いよく開いた。 「うわっ」 びっくりして、肩が大きく跳ね上がった。 ドアのところには、最近お気に入りの野球ボールTシャツを着た純ちゃんが、仁王立ちで突っ立っていた。 「も~、驚いた。なあに、純ちゃん」 心臓をばくばくさせながら尋ねると、純ちゃんはニヤッと口角を上げて笑った。 「まあ、ちょっと来てみ」 「え、どこに?」 「俺の部屋」 純ちゃんは布団に近づいてきて、私の二の腕を力

    • 九十枚のプラネタリウム(前編)

      小学四年生の夏休み。 私はお父さん、お母さん、二つ年上の兄・純ちゃんの四人で、車で四十分の海星館へ行く予定を立てていた。 そこで見る星々は圧巻で、三百六十度どこを見回しても、きらびやかな星でいっぱい。大人の間でも「実際の夜空を、とても緻密に表せている」と噂されるくらいの、立派で豪華な観光スポットだった。 だから私は今回のお出かけを、ものすごく楽しみにしていた。 しかしその当日、私は念願の海星館へ行けなくなってしまった。 「ごほっ、ごほ」 「柚子、大丈夫?」 「う

      • 書籍『run』あらすじ

        今回は、私が今年の5月に出版した自伝風小説『run』のあらすじを載せます^^ ~あらすじ~ 小学校の先生に就任して3年目となった私(横山真弓)が、 恋人の橋本悠太からプロポーズと同時に渡されたのは、一通の手紙だった。 それは悠太の元恋人であり、私の大学時代の親友であった「吉岡蘭」が、 悠太の将来の結婚相手へ宛てたものだった。 大学卒業と同時に、私たちの前から姿を消した蘭。 彼女が残していった手紙を読み、私は当時の記憶を呼び起こす。 治らない病気を抱え、痛みや苦しみに

        • 書籍『run』について

          はじめまして。新藤朱華と申します🍀*。 今は20代で、自宅療養をしています。 8年前に線維筋痛症という痛みの病気を患い、 ここまで症状を悪化させながらも必死に生きてきました。 普段はインスタグラムにて、小説aakoとして発信しています🌹 今回は、私が今年の5月に出版した書籍『run』について、綴ります😊 この本は、私が人間関係やお金、治療法、社会生活などの問題に、心折れながらも生き抜いてきた闘病8年間をベースにした自伝風小説です。 1作目は、大学4年間を舞台にした

        九十枚のプラネタリウム(後編)