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建築出身のデザイナー/エンジニア。NFTアーティストとして技術をベースに新しい表現方法…

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建築出身のデザイナー/エンジニア。NFTアーティストとして技術をベースに新しい表現方法を模索しています。

最近の記事

NFTアートは芸術として受け入れられるのか

もともと建築という芸術に近しき学問をしてきたので、昨今のNFTブームの中、どう見ても表層的なコンセプトのみが先行し、その背後にある思想が見えないものも少なくなく、オーソドックスな芸術教育を受けてきた身としては、当初はそのような状況に対して少なからず違和感を持たざるを得ませんでした。 芸術に対する固定観念この嫌悪感の正体について考えてみると、自身が大学及び大学院で受けてきた芸術教育が根底にあることに気づきました。 芸術教育で対象とされるものはほどんど、美術館に展示されたるよ

    • Aging Crypto Buddhaについて

      先日発表したAging Crypo Buddhaの反響が思っていたよりも大きかったので、その背景にある思想や技術について説明してみようと思います。 Aging Crypto BuddhaとはAging Crypto Buddhaでは、時間の経過や購入・転売をトリガーにどんどん絵が変化していき、同じ状態の絵が2度と現れることはありません。 ジェネラティブに絵が変化すること自体はジェネラティブアート自体の特性そのものであり、今やジェネラティブなだけではもはや独自性があるとは言え

      • 東京オリンピックのマスコット選出プロセスに見え隠れする問題について

        今日、東京オリンピックのマスコットキャラクターが決定した。 選ばれたのはオリンピックのエンブレムをデザインとして取り入れた「ア」の作品である。 このキャラクター自体の優劣は別にして、その決定までのプロセスに極めて重要な問題が見え隠れする。 それは、デザインの公共性に関する問題である。 デザインという抽象化された概念において、複数の案から1つを選び出すことは難しい。 そこには定量的な指標が存在しないからである。 優れた有識者を集め、あらゆる視点から吟味して決定したデザ

        • 空間のスケール性と身体性について

          武家の建築において、建築の諸要素からその威厳と格式を表現する。 例えば二条城にある将軍に謁見するための大広間では、将軍が座る一の間と大名が座る二の間では床面の高さが変わり、その高低で地位の違いを明確化する。 また、天井が高いほどその空間の重要性が増し、同じく将軍が座る一の間では二重折上げ格子天井となり、その格式を強調している。 同じ二条城の中でも老中の間は板張りの天井で簡素な作りで、長押(襖の上にある柱をつなぐ横木)の上は装飾がない。 また、それぞれの部屋の襖絵の表

        NFTアートは芸術として受け入れられるのか

          デザインとデコレーション

          日本でデザインと言うと、デコレーションというニュアンスが強く出てしまっている感がある。 本来デザインの語源はラテン語のdesignareに由来する。signという語が含まれているように、デザインとは概念や体験を記号化することなのであり、あえてそれに対応する日本語を選ぶなら、設計という言葉がうまく当てはまるのではないかと考える。 例えば建築における設計とは、諸条件を鑑みて問題を体系化し、記号化した状態から空間としてその解を具現化する行為と言っていい。 建築家は周辺環境や施

          デザインとデコレーション

          仏教とスマートフォン

          仏教はこの日本において最も栄えた宗教である。その仏教が過去の人々の生活においてどのような関係にあったのか、宗教が生活の延長線上にない現代の我々にはピンとこないのではないだろうか。 そんなことに考えている中で、一つの仮説に辿り着いた。 それは、 現代人におけるスマートフォン = 過去の人々における仏教 という、図式である。 現代の人々にとって、スマートフォンは無くてはならない必需品である。 近くでごはんを食べる時、スマートフォンでレストランを探すこともあれば、

          仏教とスマートフォン